日々の出来事

当院の出来事を紹介します

今週はお別れが連続・・・

2013-07-27 17:30:06 | Weblog
脳腫瘍で奇跡的にがんばってくれていたワンちゃん、月曜日に看取りました。

発作のため意識消失でいらして入院し、東京まで運んでのMRI検査で診断されました。
獣医大学へ手術予定で行ってもらいましたが、嚢胞が破裂して脳の浮腫が消失、
手術なしで戻ってきました。
その後、「余命は数ヶ月の経過であろう・・・」という予測を覆し続け、
結局1年と9ヶ月も頑張っておられました。
その後は他の病気もあったけれど、ぎりぎりまでそれなりの生活の質が保てたケースでした。

ご家族の皆さんのご理解や努力があり、ここまで持ちこたえることができたのだと痛感します。
かわいそうな状況での無理な延命はよろしくないことと考えますが、
この子は、それ相応の生活の質で、大切な家族としての役目を果たして旅立ちました。
私も必死でおつきあいさせていただいたので、特に印象深い患者さんとなりました。
今はある種の深い喪失感を覚え、まだ引きずっています。

今週は他に、メラノーマという非常にたちの悪い悪性腫瘍と闘っていた猫ちゃんと、
心臓の重度の弁膜症を管理していたワンちゃんが、急にお亡くなりになりました。
私には、皆にそれぞれの思い入れ・思い出があります。
限られた命をどれだけ大切にしてあげられたか、寄り添うことができたか・・・、
自信はもてませんが、獣医師としてできる限りのお付き合いをさせていただいたつもりです。

皆さんのご冥福を心からお祈りしつつ、診療は続けていかなくてはなりません。
私の命が果てるその日まで、今日も修行の日々は続きます。








今日はてんてこまい2

2013-07-21 21:00:47 | Weblog
金曜日は東京で、あるセミナーに参加してきました。

早めに移動して、二時間ほどタウン・ウォッチングを楽しみました。
午後からは、私淑しているある著名な方の講話に参加してきました。

私的には心の奥底に響く、深い・印象的なお話で、参加してよかったと感じました。

  「真剣勝負」 「一期一会」

そういう言葉が思い起こされる、大人の真剣な思索の場でありました。

動物病院の獣医師として、プロとして必要な知識や技能は学んで来ている。
飼い主さんと話をしたりして、納得していただける診療を組み立てることもやってきている。
家族関係もうまくできている。
しかし、何かが足りない気がする・・・。

本当にこれでいいのか?

そういう疑問・不安が頭をよぎる時があるのです。

私は一回きりの人生を、生ききっているのだろうか?

講師の真剣に自らの仕事に取り組む姿勢、思考の深遠な部分を伺って、
自分が見ている・向いている方向性が間違っていなかった・・・と思いました。
とても刺激になりました。

おかげで帰ってきた翌日(土曜日)は、てんてこまいパート②となってしまいました。
13時間完全ノンストップ、お昼御飯を食べる時間もなし・・・。
これはこれで宿命のようなものなんでしょうね。


















今日はてんてこまい

2013-07-18 21:23:48 | Weblog
看護師の予言は当たりました。
あすは午後から東京で、あるセミナーに参加する予定であることは告知済みです。
「院長がいない日の前後は混雑するんだよね・・・」
そういうことなんですね。

朝からずっと診療して検査して、昼の手術に取りかかれたのが14時すぎ。
猫の脾臓に腫瘍ができていて、程度はCTで確認済み。
細胞診では非上皮系腫瘍・肉腫が疑われていました。
血管肉腫という病気が一番高い予想です。

この子は前日から入院していましたが、一晩で急激に貧血が進んでいました。
腫瘍からの腹腔内出血が疑われ、術前にはDICを連想させるFDPの増加も確認されました。
結局、輸血を行いつつの手術となり、実際に腹腔内に出血しておりました。
手術は順調で、脾臓の病変はうまく摘出されました。
術前のCTで肝臓に確認されていた二つの小さな病変は、片方は肉眼で認識できたので切除しました。

午後は、手術終了後から診療となり、説明や退院や精算で、結局遅くまで引きずってしまいました。
あすは日帰り強行軍で、セミナーに参加してきます。
それが、これからのうちの動物病院を導く方向性の指標になると思うからです。
獣医学にセミナーではないけれど、今後の日本社会で生き残って行くチカラを得てきます。













久しぶりにフィラリア症

2013-07-13 11:46:58 | Weblog
今日初診でいらしたワンちゃんは、フィラリア症にかかっていました。
最近は、特に新潟市の中心部では、フィラリアに感染した犬は相当に稀なので、
久しぶりの対応です。

私の実家の犬も、大昔にフィラリアに感染しましたが、乗り越えて長生きしました。
獣医大学の学生だった頃は、実習先でベナ・ケバ(大静脈症候群)の急患を見せてもらいました。
大阪のアニマルメディカルセンターへ移送して、フレキシブル・アリゲーター鉗子を用い、
頸静脈から心臓内の寄生虫を引きずり出していたのが、つい昨日のように思い出されます。
最近は、こういう急性症状の犬はほとんど来なくなりました。

今日来た犬は、フィラリア症のオカルト感染です。
親虫は心臓内にいるものの、子虫(ミクロフィラリア)がいない状態ですね。
14歳でもあるし、リスクのある手術や駆虫よりは、保存療法のほうが良さそうです。
高齢なので基礎疾患を確認中です。
未去勢の雄なのに、少し貧血がある点が気になります。

ご家族やワンちゃんにとって、もっとも安全かつ安心していただける治療をしたいと思っています。








日曜日にお通夜

2013-07-12 22:59:04 | Weblog
故郷の母から連絡があり、親戚の一人が亡くなり日曜日にお通夜に行く事になりました。
私は東京の出身なので、親戚縁者の大半が関東にいます。
したがって、冠婚葬祭は東京方面に出かけて行くことになります。

この数年、親類の葬儀が多くなった気がします。
自分自身がそういう年代に入った、ということなんでしょう。
親戚の方々が、70歳代後半以上になってきたせいでしょう。

お世話になってきた叔父や叔母は当たり前として、
遠縁の親類でも親しかった方の場合はお通夜・葬儀には参加したいものです。
今回は実家にお墓の関係もある方が亡くなられたので、時間を取る予定です。
すでに入っている手術予定があるので、終了したら出かけていくつもりです。
日帰りの強行軍には、すでに慣れてしまいました。

平井先生や小関先生が留守番をしてくれます。
指示を出せば、基本的な検査・治療はできるので、安心して出かけて行けます。
今月はセミナー関連も入れると、3回東京行きとなります・・・.






短い付き合いでした・・・

2013-07-11 00:03:06 | Weblog
日曜日に初診でいらしたワンちゃん、リンパ腫でした。
かかりつけの動物病院が、学会のため臨時休診だったため来院されました。
抗がん剤での正しい医療をすでに受けていて、レスキュー・プロトコールに入っていました。
それでも起立不能、呼吸困難等の症状が目立ってきており、診療にいらっしゃいました。

あまりいじくり回すのは避けたい・・・というご家族の意向をくんで、
通院、皮下点滴、鎮痛・鎮静剤等でターミナルケアを行いました。
日曜日は少しマシだったように聞きました。

月曜日の午前中に、お仕事の関係で半日病院でお預かりしました。
昼に帰られてから、呼吸状態がかなりつらそうに変化して、夕方に再度来院されました。
結局は、そのまま病院でご家族に付き添われ、私たちも付き添ってのお別れとなりました。

短いおつきあいではあったのですが、ご家族がこのワンちゃんのために、
ものすごく尽くしてあげていたことが十分に伝わってきました。
最後の時をおつきあいさせていただきました。
天国での安らかな永眠を心から祈りたいと思います。  合掌

      




ツイッター練習中

2013-07-05 18:06:53 | Weblog
本来、ブログなどをマメにアップできる性格ではありません。
手術や検査などが立て込んでしまい、ついついブログアップができないことは多々ありました。
でも思うところがあり、最近は未公開のまま携帯電話のツイッターでつぶやく練習をしています。

ビジネス界の大経営者やあるコンサルタントのツイッターをいくつかフォローしています。
超有名なところなら孫正義氏とか大前研一氏ですね。
大きな仕事をしている大人のツイッター(つぶやき)には、含蓄があります。
公開されているから貼付けてもいいでしょうかね?

 大前研一:突破できる人間とできない人間の違いは、要するに自分にはまだ経験がないというときに、
      そこを避けて通るか「とりあえず入ってみよう。何かあるかもしれない」と思うかの違いである。
      なぜなら最初から成功の道が見えている人間など、今の世界にはいないからだ。(2013.07.05)


別に大きなビジネス展開を考えている訳ではありません。
ただ責任ある立場の方がつぶやく言葉に、エネルギーを感じるのですね。
スタッフを複数置いて、動物の命や家族のお気持ちと向き合う仕事です。
大きな仕事をしている大人のつぶやきを拝読すると、自分もまだまだ頑張ろうという気持ちになります。

先日も、破綻したJAL・日本航空の再建を果たした稲盛和夫氏の書籍を読みました。
高齢なあの方のどこから、あのようなエネルギーが出てくるのか不思議です。
人生に使命感があるのでしょうか。
再建の依頼を分野が違いすぎるし高齢だから・・・、と固辞し続けた末に、
他にやれる者がいない、日本社会や従業員家族のことを考えて引き受けた、との内容でした。
「稲盛は晩節をけがす気か!」という批判や意見もあったようです。
それでも引き受けて、成し遂げてしまうのだから凄いですね。

私も、自分ができる獣医師の仕事を通じて、地域社会に貢献していきたいと考えています。








同窓会

2013-07-03 21:18:30 | Weblog
先日、東京への出張帰りに銀座で同級生の旧友たちと待ち合わせをしました。
お互い忙しいので、数年ぶりの再会となりました。
三人で、旧交を温めることができました。

小学生・中学生時代の同級生数人が、仲良しのまま大人になりました。
皆が様々な地域に住んでいるため、一同に会するには難しくなっています。
新潟、広島、千葉、東京、横浜、と拡散した上、
会社員は土日・祝日がよく、自営の人は土日祝日は仕事だったりするからです。

今回は紹介もあって、銀座にしてはかなり安価なお店で食事をしました。
皆さん、相変わらず乱れることもなく、前向き・上品な大人の飲み会でありました。
時間もきっちり上がり、再会を計画して各自の家に帰っていきました。

たまに古い友人たちに会うことで、自分の原点に戻れるような気がしています。


歯科処置で

2013-07-02 23:21:39 | Weblog
月曜日に犬の歯科処置をしていたら、抜歯をしなくてはならない基準を満たす歯を8本も見つけてしまいました。
歯周炎という状態です。
途中で飼い主さんに電話して、どうするか相談しました。

結局は悪い歯全てに、分割抜歯とフラップ閉鎖処置を行いました。

軽い気持ちで処置を始めてしまうと、途中から難しい話に変わってしまう場合が時たまおこります。
歯石除去・掃除をしてみたら見えてくる異常が隠れていたわけなんですね。
想定外ではないのだけれど、その都度、臨機応変に対応せざるを得ないわけです。

時間がかかった関係で、二件目の高齢猫の歯科処置が夜にズレ込んでしまいました・・・。