日々の出来事

当院の出来事を紹介します

二日続けてDIC・・・

2011-02-15 21:59:36 | Weblog
昨日、事故で出血の止まらない犬が来たことを書きました。

今朝、歯科処置後で入院中の別のワンちゃんが、朝イチで診た際は普通にしていましたが、柳田先生が出勤したら傷から出血がにじんでいたそうです。私がみたら、歯茎の縫合部分から出血が・・・。
昨日と昨晩は止血されていたのですがね。

圧迫しても、止血剤を注射しても出血が止まらない、むしろ悪化してくる。
まさか!と思って再検査したら、術前に正常値だった凝固系の検査値が吹っ飛んでいました。
DIC(播種性血管内凝固症候群)の発生と判断しました。

供血犬のエース・ジャック君には、(ついでに?)もうひとがんばりしてもらいました。
ジャックの血液を輸血しましたが、やはりまだ止まらないという状態が午前中続きました。
ピンチの時は、別の仲間犬に頼るしかありません。
供血犬としてボランティア登録していただいているティンクちゃんに、電話して来ていただきました。

ジャックからの輸血だけでは止血にいたらず多血傾向になったため、ティンクちゃんの血液は遠心分離して、「新鮮血漿輸血」として使わせていただきました。おかげさまでかなり検査値が改善してきています。

今晩は寝ずの管理になります。
まさか二日続けてDICが起きるとは・・・、治療がけっこうたいへんなんですよね。
明日の午後はベルタの火葬の日なんですが、今は生死の際にいる子たちの対応で手一杯です。
お迎えの来たベルタは、私の家族と共に過ごしています。
いろんな方々からお花をいただきました。
この場を借りて感謝申し上げます。

近所のそば屋のおばさんは、わざわざ病院まで会いに来てくれました。
「ご苦労さんでしたね・・・」
散歩で近所を歩いていた時には、おばさんによく声をかけていただいていたのです。
「ベルちゃん、ベルちゃん」とよく撫でていただいていたのです。

横浜で盲導犬として生き、新潟で余生を送ったベルタ、たくさんの花に囲まれ、手紙も添えていただきました。
そういうおつきあいの中で、旅立っていきました。

今は、目の前の患者さんを救うことに専念せざるを得ない、院長・浅井でした。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿