日々の出来事

当院の出来事を紹介します

細部にこだわる

2010-12-01 23:07:24 | Weblog
水曜日なので、昼休みに全体ミーティングを行いました。

メモを持って集まるはずが、持っていないスタッフもいて、
モノゴトの徹底を図ることの難しさを痛感しています。

会議の進行の難しさを感じる、院長・浅井です。

昨晩、NHKのプロフェッショナル、仕事の流儀を観ました。
デザイナーの、佐藤卓さんが出ていました。

細部にこだわりつつ、クライアントの意見を聴き、
またいいモノに仕上げてしまう点は、自分の仕事と同質だと感じました。

プレゼンにおいてデザイナー側は、自分が一押しのデザインを敢えて推薦しない・・・。
クライアントの反応や意見を待つ。
一押しのデザインが採用されなくても、異なった意見がでてきても押し付けない。
それを受け入れて、いっそう優れたデザインに昇華させていく。

我々も、これが一番いい方法(検査や治療)だろうな・・・、
と考えていても、ご家族がそれを選ばない場合があります。
入院や手術のリスクを考えたり、費用負担だったり、動物の性格だったりと、
多様な選択が行われます。

動物病院側とクライアント側が、お互いに納得できる点を模索することが重要です。
最近の私どもは、「こうするのがベストだ」とか、
「◯◯するべきです」ということは申し上げません。
納得いく形での合意が必要なのですね。

私たちは、そのための手間は惜しみません。
動物病院とご家族が、動物のために最善を尽くしてあげること、
それこそが臨床の現場には必要なことだと信じております。






先日の肺水腫の犬が・・・

2010-12-01 01:22:35 | Weblog
前回書いた、コンサート後から肺水腫を管理していたパグちゃん。
 
甚だ残念ながら、30日の夕方に急変して旅立ちました。
20分くらいの経過でしたが、2時間ほど前に飼い主さんが見舞いに来てくれていたそうです。
ギリギリで会えてよかったと思いました。

面会時に私は出かけており、柳田先生と看護師が応対してくれたようです。
病院に戻ってきて、予約の診察をしている最中に急変が起こりました。
肺水腫が抜けきらず、酸素テント内で管理していました・・・。

夜な夜な見回り、いつどうなるかわからない中での、入院管理でした。
飼い主さんもかなり悩まれた末の決断での入院となっていました。

この子は、開業して間もない頃から、ずーっと診させていただいてきました。
長い付き合いであり、体が少々弱い子でしたので、
私にもかなり思い入れがあったのです。

看取ることになり、かなり落ち込み状態の院長・浅井です。
このワンちゃんと馴染みの看護師が、救急の体応につき合ってくれたのが救いでした。
長い付き合いの犬が亡くなると、本当にこたえます。

この子はご家族の中では、まさに娘のように大切にされていたのです。
本当に大事にしてもらっていたと思います。
あちこち体の弱い部分がある犬でしたが、ここまで持ちこたえられたのは、
お母さんの愛情のおかげでしょう。

十分に手を尽くしてあげれたのですが、なんとも短い期間での急激な変化でありました。
あまりに急すぎて、お母さんは受け入れられなかったみたいです。
ご遺体と対面した際の号泣は声にならないもので、かける言葉が見つかりませんでした。

「十分してあげたじゃない・・・」

と同席してくれた飼い主さんの妹さんの言葉で、
お母さんの気持ちが、少しでも和らぐといいのですが・・・。
家族を失うことの切なさは、その人にしかわからない側面もあるのです。