日々の出来事

当院の出来事を紹介します

無線LAN

2010-12-09 22:53:05 | Weblog
以前、無線でもネットをしていました。
しばらく使わない時期があり、一度契約を辞めてしまいました。
数年間、有線でのネット生活でしたが、
不便を感じ、久しぶりに無線で接続するサービスを取り入れました。

一週間、お試し期間で利用してみましたが、やはり便利・・・。
院長室や休憩室の回線につながなくても、
院内のどこでも通じますので、場所を選ばないのは最高にいいですね。

なぜ必要になったかというと、メインのデスクを一階の階段下に移動してきたためです。
3階の院長室に籠ってしまうと、1階の診療の様子がわかりません。
スタッフの様子を身近に感じるには、不適切なことがわかりました。
そこで狭いながらも、皆の声が聞こえる階段下へ移動してきたわけです。

しかしさすがに狭いので、書類や本はおけません。
したがってパソコン仕事が中心となります。
有線のケーブル口が限られているため、ネットや印刷は3階へ移動して行っていました。

外へ出た場合も不便でした。
切り替える最大のきっかけは、プロバイダを変えてウェブ・メールにしたことです。
自分のパソコン内にメールがないため、ネットの接続しないとメールが見れない・・・。
特に学会等で外に出かけた時は致命的なことが予想されました。

時代が進んで便利でもあり、ある条件を満たすと他の条件を満たす必要があり・・・、
便利なようで制約も発生するので、一長一短ですね。
便利ということは、費用やシステム等、何かの代償を払わなければいけないようです。

一度、自動車という便利なモノを知ってしまうと、辞められないのと同様でしょうか?





眼科セミナー

2010-12-08 01:03:43 | Weblog
今日は、長岡で月イチの獣医眼科のセミナーに参加してきました。

夜の8時から10時過ぎまで、角膜疾患の診断と治療にかんして学んできました。

眼科って通常の内科や外科の常識が通じない、
独特な専門性の高い分野だと思います。
人間の医療なら、立派な専門分野なわけですから・・・。

銀座眼科でのレーシック手術の院内感染問題、院長は逮捕されたみたいですね。
どんな手術でも感染症はおきうると思います。
できることは、基本に忠実にやることだけでありましょう。

なるべくディスポーザブル(使い捨て)の製品を用いる、
オートクレーブなどによる滅菌を徹底する、
消毒のルールを守る、
この辺を手抜きしなければ、そうそう感染はおきないと思っています。
MRSAやVRE、VRSAなど、抗生物質の効かないバイキンもあるわけです。

瞬膜フラップや結膜フラップなどの眼科手術には、特に気を使いますね。
なにせデリケートな部位なわけです。
眼科系の手術や診断には、独特なセンスが求められると感じます。
歯科も獣医療の中では特殊な分野ですが、こちらは自分に向いていると思っています。

歯科も眼科も、同じような細かさが要求される分野なのですが、
同じ細かい作業にしても、ストレスに感じたり感じなかったりするので、
センスとは生まれもったものなのかな・・・、と不思議に感じますよ。

昔の常識、今は非常識

2010-12-07 16:14:39 | Weblog
日々、真面目に勉強していてアップデートしていても、
追いつかない分野では、5年も10年も前の感覚でいがちです。
医療の分野は特に進歩が著しいです。

例えば、手術前に以前はバリカンで毛を刈った後、
カミソリで剃るのが普通の行為でした。
しっかり剃って、しっかり消毒が基本でした。

しかし今は、剃ることによって「眼に見えない傷をたくさん作ってしまう」ため、
かえって感染が生じやすい、と考えられてきています。
頭部など限界はある場所は別として、なるべく剃らない方向に変化しています。
皮膚もブラシでゴシゴシと擦らないようになりました。

皮膚の深部や臓器内(例えば肝臓)にはバクテリアがいるため、
内部を完全に無菌化できないわけです。
「手術に必要な時間、感染が生じないように管理できればよい」
ということが、最近の考え方になっています。

術前・術後の抗生物質の使い方も変化しています。
今の考え方は、術前に投与して術中に最高血中濃度を得て、
長引くようなら術中に追加、術後は長期には投与しない、
という方針になってきています。
昔は抜糸まで抗生物質を与えている場合も多々あったようです。

外傷に対する管理方法もガラッと変わってきています。
消毒して乾かす方法論から、洗浄にとどめて潤った環境で管理する。
そのほうが早くきれいに治る・・・。
これを実感する症例に出逢ったときは、感激しましたね。
「ホントだ・・・」とリアルに実感しました。

時代が進むと今の常識は、将来には非常識になっていることでしょう。
ある病気に対して、「抗生物質なんて使ってたんだ・・・」
と言われる日が来るのかもしれません。

現場では、現時点でのエビデンス(根拠)に沿って、
常識的な医療を提供することが重要かと考えています。
これがいいとか、あれはよくないとか、もっといい方法があるとか、
検討なくして進歩無しです。

医師や獣医師の中でも、いろんな意見や考えの持ち主がいます。
適切な議論は進歩の源です。
言い方や聞き方には配慮が重要で、若い先生を中心に、
学会での質問の仕方もずいぶん変わりました。
 
 「私はそう思わない!」とか
 「それはすでに私が発表した!」などと言う代わりに、
 
「なぜ先生はそのように判断なさったのですか?」とか
「私の症例との違いはどの点にあるとお考えですか」など

上手な聞き方・言い方の先生が増えてきています。
医療の今の常識が、将来は覆るのでしょう。
謙虚に対応していきたいと思っています。










元気に帰りました

2010-12-04 21:53:03 | Weblog
先月から入院していた糖尿病をこじらせた猫ちゃん、
無事に帰っていきました。
半月に渡る入院に耐え、元気に佐渡の自宅に帰っていきました。

元気になって退院していく姿を見るのは、獣医さん冥利につきます。
夜な夜な見回りをした甲斐があった、院長・浅井です。

糖尿病性ケトアシドーシスという重い状態からの回復でした。
徹底的に理論通り・基本通りに検査と治療を進めた結果、
よい状態にたどりつきました。
前半の一週間はきつかったです。
毎日数回、血糖値と電解質測定をおこない、そのつど微調整・・・。
手間はかかったけれど、結果はうまくいったわけです。

インスリンの適正な投与ができれば、当面は心配ないでしょう。
常に悪くなる可能性はあるのですが、病気と上手に付き合うことが重要です。

猫には、糖尿病がよく起こります。
Ⅱ型糖尿病、つまりインスリンは出ているけれど効きが悪いことが多いとされます。
こじれてくると、インスリンがずっと必要なⅠ型の状態になってしまいます。
飼い主さんには毎日の注射という手間がかかります。

子供(動物)自らは、自分でインスリンを打つことはできません。
親(飼い主さん)が打ってやることがこのような場合には必要となります。

食べ過ぎや運動不足が原因というよりは、猫族全般の体質的な側面が強いと感じます。
猫はちょっと興奮しただけでも、極端な高血糖がおこる動物です。
正常値も人間とは全然違います。

最近はいつ頃から血糖値が高かったのか判定する検査も普通に行われています。
高血糖を生じる他の疾患もまれにあるため、注意が必要です。
猫ではかなり珍しいクッシング症候群を昨年は2件診断しました。
両者とも獣医大学でMRI検査を実施、下垂体の腫瘍を確認しています。

高血糖=糖尿病=インスリン枯渇・・・そう単純ではないのです。
内科って奥深いなあ、と感じる今日このごろです。


うまくいって当たり前のはずが・・・

2010-12-03 00:22:00 | Weblog
私は機械は比較的苦手です。
根がアナログなので、機械類は普通の動いてあたりまえ・・・、
これが私普通の感覚です。
エンジンのかからない自動車、音の出ないラジオ、
ネットにつながらないコンピュータ、
あり得ない状態は、人をイライラさせますよ。

専門誌に依頼されたアンケート・フォームに書き込んだのに、
エラー画面が出てきて、せっかくの記入が台無しになった院長・浅井です。
先月も似たような現象がおきたので、
アンケートを書き込むフォームにエラーがあるのだと思っています。

私たちの仕事もそうですが、普段うまくいって当たり前のことが、
うまくいかないと、人はイライラするものです。

今日は獣医師は私一人でした。
診療の最後あたりの患者さんに、
門脈体循環シャントの診断と治療に関して、説明をしていました。
病態が難しいので、一生懸命説明して時の経つのを忘れていました。

途中で処置室に戻ったら、診察待ちのカルテが4つ並んでいました。
「え!これ診察待ちか?」
と看護師に聞いたら、そうだと言う・・・。

最後の残っていたのは、比較的経験の少ない3人。
仕方ないことなのですが、

 「次に◯◯さんがお待ちです」「ご用件は◯◯です」

と教えて欲しかったのです。

先輩看護師が、普段当たり前にしていること、
つまり先生が時間無視で説明に当たっている際には、
「次に◯◯が入ってますよ」と声かけする、そういうことです。

声かけが、いかに重要なことか、よくわかりました。
「次からは声をかけてください」
とお願いしておきました。

細部にこだわる

2010-12-01 23:07:24 | Weblog
水曜日なので、昼休みに全体ミーティングを行いました。

メモを持って集まるはずが、持っていないスタッフもいて、
モノゴトの徹底を図ることの難しさを痛感しています。

会議の進行の難しさを感じる、院長・浅井です。

昨晩、NHKのプロフェッショナル、仕事の流儀を観ました。
デザイナーの、佐藤卓さんが出ていました。

細部にこだわりつつ、クライアントの意見を聴き、
またいいモノに仕上げてしまう点は、自分の仕事と同質だと感じました。

プレゼンにおいてデザイナー側は、自分が一押しのデザインを敢えて推薦しない・・・。
クライアントの反応や意見を待つ。
一押しのデザインが採用されなくても、異なった意見がでてきても押し付けない。
それを受け入れて、いっそう優れたデザインに昇華させていく。

我々も、これが一番いい方法(検査や治療)だろうな・・・、
と考えていても、ご家族がそれを選ばない場合があります。
入院や手術のリスクを考えたり、費用負担だったり、動物の性格だったりと、
多様な選択が行われます。

動物病院側とクライアント側が、お互いに納得できる点を模索することが重要です。
最近の私どもは、「こうするのがベストだ」とか、
「◯◯するべきです」ということは申し上げません。
納得いく形での合意が必要なのですね。

私たちは、そのための手間は惜しみません。
動物病院とご家族が、動物のために最善を尽くしてあげること、
それこそが臨床の現場には必要なことだと信じております。






先日の肺水腫の犬が・・・

2010-12-01 01:22:35 | Weblog
前回書いた、コンサート後から肺水腫を管理していたパグちゃん。
 
甚だ残念ながら、30日の夕方に急変して旅立ちました。
20分くらいの経過でしたが、2時間ほど前に飼い主さんが見舞いに来てくれていたそうです。
ギリギリで会えてよかったと思いました。

面会時に私は出かけており、柳田先生と看護師が応対してくれたようです。
病院に戻ってきて、予約の診察をしている最中に急変が起こりました。
肺水腫が抜けきらず、酸素テント内で管理していました・・・。

夜な夜な見回り、いつどうなるかわからない中での、入院管理でした。
飼い主さんもかなり悩まれた末の決断での入院となっていました。

この子は、開業して間もない頃から、ずーっと診させていただいてきました。
長い付き合いであり、体が少々弱い子でしたので、
私にもかなり思い入れがあったのです。

看取ることになり、かなり落ち込み状態の院長・浅井です。
このワンちゃんと馴染みの看護師が、救急の体応につき合ってくれたのが救いでした。
長い付き合いの犬が亡くなると、本当にこたえます。

この子はご家族の中では、まさに娘のように大切にされていたのです。
本当に大事にしてもらっていたと思います。
あちこち体の弱い部分がある犬でしたが、ここまで持ちこたえられたのは、
お母さんの愛情のおかげでしょう。

十分に手を尽くしてあげれたのですが、なんとも短い期間での急激な変化でありました。
あまりに急すぎて、お母さんは受け入れられなかったみたいです。
ご遺体と対面した際の号泣は声にならないもので、かける言葉が見つかりませんでした。

「十分してあげたじゃない・・・」

と同席してくれた飼い主さんの妹さんの言葉で、
お母さんの気持ちが、少しでも和らぐといいのですが・・・。
家族を失うことの切なさは、その人にしかわからない側面もあるのです。