カロリー・リストリクション(カロリス=CR)というのは
現在、もっとも確実に健康長寿を実現できる方法です。
それは、栄養素の不足なくカロリーを30%制限した食事により
霊長類でも効果的であることが、2009年にScienceに発表された
アカゲザルの20年にわたる研究からも明らかにされました。
↓
霊長類カロリー制限『Science』誌の掲載論文 アンチエイジング・ミニ講座 4
今回紹介するのは、カロリー制限食(低カロリー食)で、
減量が維持できる人とリバウンドしてしまう人の違いを調べたもの。
The American Journal of Clinical Nutrition 10/26web版 の
A distinct adipose tissue gene expression response to caloric restriction
predicts 6-mo weight maintenance in obese subjects.
カロリスによって明らかに発現した脂肪組織遺伝子が
肥満者の6ヶ月後の減量維持を予測する
という研究。
背景:減量が心血管疾患と糖尿病に関係するリスクを減らすのは
わかっているが、減量を維持するには困難が伴う。
目的:この研究では、低カロリー食で発現する皮下脂肪組織遺伝子が
減量でリバウンドする人としない人を区別し予測できるかを評価する。
計画:40名の白人女性に8週間の低カロリー食期間と、
それに引き続く6ヶ月間の体重維持期間を設けた。
参加者は2つの期間中における体重変化に従い、
体重増加が10%以内の減量維持群と
体重増加50~100%のリバウンド群に分けられた。
身体測定値と各種血液データと皮下脂肪組織遺伝子発現が
低カロリー食の前後で測定された。摂取量は食生活記録から推定した。
結果:研究開始時と低カロリー食期間終了時において、
減量維持群とリバウンド群で体重と空腹時血中インシュリン値に差はなかった。
低カロリー食は、両群で体重といくつかの血液データに有意な減少をもたらした。
減量維持群では低カロリー食期間後のOGTTに対するインスリン分泌が有意に
減少したが、リバウンド群では変化は認められなかった。
減量維持群とリバウンド群とでは、
脂肪酸代謝とクエン酸回路と酸化的リン酸化
およびアポトーシス(細胞自死)を制御する遺伝子に
低カロリー食により異なる調節が行われることが
皮下脂肪組織遺伝子発現の分散分析でわかった。
結論:低カロリー食で起こるインスリン分泌と皮下脂肪組織遺伝子発現の変化から
短期間の減量維持がうまくいくか予測できるものと示唆される。
これより1年前に発表された別の研究(800kcal/日を8週間)によれば、
ミトコンドリア・エネルギーの遺伝子発現、つまり
ミトコンドリアにおける酸化的リン酸化が活発化することが
体重減少の継続する群において認められるとのこと。
なお、アポトーシス(細胞自死)には、
ミトコンドリアによる制御と細胞表面受容体による制御の2経路があります。
まぁ、このような遺伝子発現レベルでの話が、
カロリスで健康長寿ということの根っこの部分なんでしょうね。
Abstract は 以下をクリックです。
↓
A distinct adipose tissue gene expression response to caloric restriction predicts 6-mo weight maintenance in obese subjects.
現在、もっとも確実に健康長寿を実現できる方法です。
それは、栄養素の不足なくカロリーを30%制限した食事により
霊長類でも効果的であることが、2009年にScienceに発表された
アカゲザルの20年にわたる研究からも明らかにされました。
↓
霊長類カロリー制限『Science』誌の掲載論文 アンチエイジング・ミニ講座 4
今回紹介するのは、カロリー制限食(低カロリー食)で、
減量が維持できる人とリバウンドしてしまう人の違いを調べたもの。
The American Journal of Clinical Nutrition 10/26web版 の
A distinct adipose tissue gene expression response to caloric restriction
predicts 6-mo weight maintenance in obese subjects.
カロリスによって明らかに発現した脂肪組織遺伝子が
肥満者の6ヶ月後の減量維持を予測する
という研究。
背景:減量が心血管疾患と糖尿病に関係するリスクを減らすのは
わかっているが、減量を維持するには困難が伴う。
目的:この研究では、低カロリー食で発現する皮下脂肪組織遺伝子が
減量でリバウンドする人としない人を区別し予測できるかを評価する。
計画:40名の白人女性に8週間の低カロリー食期間と、
それに引き続く6ヶ月間の体重維持期間を設けた。
参加者は2つの期間中における体重変化に従い、
体重増加が10%以内の減量維持群と
体重増加50~100%のリバウンド群に分けられた。
身体測定値と各種血液データと皮下脂肪組織遺伝子発現が
低カロリー食の前後で測定された。摂取量は食生活記録から推定した。
結果:研究開始時と低カロリー食期間終了時において、
減量維持群とリバウンド群で体重と空腹時血中インシュリン値に差はなかった。
低カロリー食は、両群で体重といくつかの血液データに有意な減少をもたらした。
減量維持群では低カロリー食期間後のOGTTに対するインスリン分泌が有意に
減少したが、リバウンド群では変化は認められなかった。
減量維持群とリバウンド群とでは、
脂肪酸代謝とクエン酸回路と酸化的リン酸化
およびアポトーシス(細胞自死)を制御する遺伝子に
低カロリー食により異なる調節が行われることが
皮下脂肪組織遺伝子発現の分散分析でわかった。
結論:低カロリー食で起こるインスリン分泌と皮下脂肪組織遺伝子発現の変化から
短期間の減量維持がうまくいくか予測できるものと示唆される。
これより1年前に発表された別の研究(800kcal/日を8週間)によれば、
ミトコンドリア・エネルギーの遺伝子発現、つまり
ミトコンドリアにおける酸化的リン酸化が活発化することが
体重減少の継続する群において認められるとのこと。
なお、アポトーシス(細胞自死)には、
ミトコンドリアによる制御と細胞表面受容体による制御の2経路があります。
まぁ、このような遺伝子発現レベルでの話が、
カロリスで健康長寿ということの根っこの部分なんでしょうね。
Abstract は 以下をクリックです。
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A distinct adipose tissue gene expression response to caloric restriction predicts 6-mo weight maintenance in obese subjects.
ビンボーだからアブストだけ確認したのですが・・・
管理されたLCDを経験しても、以降の生活で自分でカロリーロスを実践出来ない人は遺伝子的に「そういう人」ってことなんでしょうかねぇ。
リバウンドする人は意志が弱いとかより、遺伝子レベルの話ってことに落ちるのか・・・
シミジミ考えこんでおります。
あと30%CRの記事も拝見しましたが、ずっと30%CRを実施するって、相当の覚悟が要ると思います。
カロリスって言葉を初めて見たので、ググりましたが「サーチュイン」と一緒に紹介されていて、なんだかなって気がしました。
どうなんでしょう?腹八分目は長生きの秘訣でしょうが、実際はそう簡単にできない物です。
遺伝子で決まってしまうレベルの物なら、なおのこと無理な人には無理って話に落ちてしまうし。。。
どうなんでしょ?
LCDを自身の意志で継続出来ない人は、どうすればいいのでしょう。
タニ◎食堂に毎日食べに行けばいいのかしら。
なんか、すごく考えこんでおります。
宜しければご意見をお聞かせくださいませ。
そこなんですよ、わたしも書いていて疑問に感じたのです。
それならCRで100%健康長寿って話にならないわけですもんねぇ・・・。
体重減量の維持に関してだけの話なのかどうなのか?
すみません、もっと勉強してみます。
逆に、遺伝子レベルでCRの向き・不向きが決まってるなら、CRは諦めた健康法を考えればいいだけだし。
なんでもCRってより、合理的になって良いと思いますよ。
もちっとワタシも勉強してみます。
低カロリー食より、低血糖症のワタシは糖質制限食の方がピシッと来たし、広い目で選択できる方が大事かと思います。
また是非面白い記事をお願いしますね。