外科医 アンチエイジングに目覚める!?

目指そう サクセスフル・エイジング !

抗糖化 で 減らせAGEs 

炭水化物も要注意    

低線量放射線リスク

2012-06-29 08:51:31 | ひとりごと
我が国には「放射性物質による汚染」という深刻な問題が

国・環境省などの恣意的な数値設定のもと

「放射線汚染瓦礫の広域処理」によって拡がろうとしています。


国民の健康に関して責任ある立場の方々が繰り返し発してきたのが

「ただちには健康には影響しない」 

という言葉であったことは 知らない者はありません。



これまで「抗糖化」「炭水化物制限」を通じて、

アンチエイジング(サクセスフル・エイジング) に取り組んできました。

具体的には、「食」を通じての取り組みでした。


しかし、食品の「新しい放射線基準値」が設定されたことで

われわれの健康が保障されていると、考えてよいのでしょうか?



以下においては、

 広島・長崎における原爆被爆者のデータに基づく

 放射線被曝と循環器疾患死亡リスクの関係、1950 - 2003年


という論文により、心臓病死亡(突然死)のリスク増加にふれてみました。


さて、

低線量放射線(100ミリシーベルト程度よりも低い線量)の影響については
専門家の間でも さまざまな見解があり、
もはや 一般人にとっては 「信じる・信じない」 とか
「意地の張り合い」 であるかのような
「科学的」 とは程遠い話 のような様相であります。

たとえば 

電力中央研究所のHPにある
LNT(しきい値なし直線)仮説について
http://www.denken.or.jp/jp/ldrc/study/topics/lnt.html

では、
・・・・・・・ 以下 下線は引用者による ・・・・・・・

確定的影響と確率的影響
放射線の人体への影響は、「確定的影響」と「確率的影響」の
2つに分けけることができます。
このうち、確定的影響には主に高線量被ばく時に見られる障害で、
脱毛を含む皮膚の障害や、骨髄障害あるいは白内障などが含まれ、
それ以下では障害が起こらない線量、
すなわちしきい値のあることが知られています。
一方、発がんを中心とする確率的影響ついては、1個の細胞に生じた
DNAの傷が原因となってがんが起こりうるという非常に単純化された
考えに基づいて、影響の発生確率は被ばく線量に比例するとされています。
しかし、実際には、広島・長崎の原爆被爆者を対象とした
膨大なデータをもってしても、100ミリシーベルト程度よりも
低い線量では発がんリスクの有意な上昇は認められていません。
これよりも低い線量域では、発がんリスクを疫学的に示すことが
できないということです


・・・・・・・ 引用 終わり ・・・・・・・

と、断言してありますから、
これ以外に判断の根拠を有しない一般人にしてみれば

100ミリシーベルト程度よりも低い線量では健康に影響はない!

と、思ってしまったとしても その人の責任ではないかも知れません。

もちろん、

それ以外の可能性に考えを巡らしたり
それ以外の情報を知ろうとする努力を

怠った責任は その個人のものです。


いっぽうで、
TVなどでは報道されない 突然死に関する多くの情報が
Twitterをはじめとするネット上で すでに知られるようになりました。

また チェルノブイリの事故による人体への影響として

癌・白血病の発生が最も多いものではなく

放射性セシウムによる心血管系への悪影響はもとより

糖尿病・免疫力低下・先天奇形などのほうが多くを占める


ということが事実として発生していることも

すでにご承知のことでありましょう。


これまでネット上で報じられている突然死の原因は
心臓・血管系の原因によるものとの印象がありますが、
みなさんは いかがお考えでしょうか?

これらは、単なる 偶然の重なりなのでしょうか?
それとも、単なる 「放射線パニックによる思い込み」 なのでしょうか?


さて、
我が国には放射線障害に対して権威のある
放射線影響研究所(元ABCC;原爆傷害調査委員会)
というものが存在しておりますことは 先刻ご承知のことと存じます。

この 権威ある放射線影響研究所(略称:放影研 RERF)が2010年に
これもまた権威ある医学雑誌であるBritish Medical Journalに発表した

Radiation exposure and circulatory disease risk :
Hiroshima and Nagasaki atomic bomb survivor data, 1950-2003
 
(広島・長崎における原爆被爆者のデータに基づく放射線被曝と
 循環器疾患死亡リスクの関係、1950 - 2003年)

という論文に掲載されている
心臓病死亡の放射線リスクの線量反応関係の図を 以下に示しましょう。




論文、本文中の記述には

「具体的に言うと、2 Gy、1 Gyおよび
 0.5 Gyを下回る線量域の線形モデルに基づく
 ERR/Gyはそれぞれ、
 14%(CI: 4から25)、18%(CI: 3から33)、
 20%(CI: –5から45)であった。
 図2に示すように低線量域の勾配は
 全線量域のものとほぼ同じであった。

 閾値線量の最良推定値は0 Gyであり、
 95%信頼上限は約0.5 Gyだった。」

ちなみに Gy(グレイ) = Sy(シーベルト) です。

ということで、この図2は

心疾患に対する放射線の影響は
低線量域でも しきい値はなく 線量に比例する


ことを示唆しています。

もちろん論文の結論では

 本調査は、中程度の線量(主に0.5-2 Gy)で脳卒中と
心疾患の死亡率が放射線により増加している可能性を示
す現在のところ最強の証拠を提示するが、この証拠を更
に確認する別の調査による強固な証拠が必要である。現
在得られている0.5 Gy未満の結果は統計的に有意ではな
いが、追跡期間が延長されるにつれて更に症例が加わっ
ていくので、低線量リスクをより正確に推定することが可
能になるであろう。


と 述べられていますが


0.5Gy(すなわち0.5Sv)未満の影響は「ない」のではなく、
今後、原爆による「低線量リスクは存在した」
と検証される可能性があるのです。



ある種の人々が喧伝するところでは
自然にある放射線も 原発事故の放射線も同じという話でした。
ならば
原爆の放射線の影響も 原発事故の放射線の影響も同じなわけでして

低線量放射線に対して 
「影響なし」と断言することは厳に慎むべきことです。



 広島・長崎における原爆被爆者のデータに基づく放射線被曝と
 循環器疾患死亡リスクの関係、1950-2003年
  ↓
 以下の21頁にあります
 http://www.rerf.or.jp/library/update/pdf/2010vol21_2J.pdf