明日からはもう3月。
「2月は逃げる」とは、よく言ったもの。
ほんのりとした甘さを伴った香りに
思わず辺りを見回したのは
少し寒さが緩んだ2月最初の日曜日だった。
薄黄色の花を一杯につけた1本の木に目がとまる。
それは小学校の敷地の片隅で、
思いのままに枝を伸ばしていた。
あぁ、あれはロウバイじゃないか?
こんなに芳しい香りがするとは知らなかった。
近づいてみると、
独特の光沢を有する花弁をピンとさせ
まだ少し青さの足りない如月の青空を背に
八重の花々がみんな、こちらを見下ろしていた。
2月6日 亀岡市
さてさて、
なんとも不思議な偶然があるものよ。
今朝の朝日新聞の声欄に、
「私も蝋梅に魅了されて50年」
という78歳の方の投稿を見つけた。
なんでもこの方は、
50年前の声欄で「種差し上げます」と
書かれた方から戴いた種から育てたという。
けれども花を付けるまで7~8年かかるのだという。
昨日、手に入れた3個の種。
とりあえずは、鉢に蒔いてみるとしよう。
あの芳しい香りを是非とも
自身の還暦祝いに予約するとしよう。
そして、
遅いようでも決して違えることのない
自然の歩みの只中に
自らもまた存在する幸せと切なさをかみしめたい。