外科医 アンチエイジングに目覚める!?

目指そう サクセスフル・エイジング !

抗糖化 で 減らせAGEs 

炭水化物も要注意    

パイプオルガンの響き と 哲学の道

2012-03-31 23:04:55 | ひとりごと 音楽
昨晩、和歌山で春一番を体験。

当直先の南向きの窓に吹付ける強風は、

しばしば建物全体まで揺らすように感じられ、

正直、かなり怖かった。


一夜明けて戻った亀岡で、正午までの外来を済ませ

大急ぎで向かった先は、京都コンサートホール。







生まれて初めての、パイプオルガンの生演奏。


J.S.バッハ、ブルーンス、フランク、そしてメシアン。


バッハ週間 in 京都 2012 の中のひとつとして

京都出身の新進オルガン演奏家・橋本淳氏の演奏だ。



ホールいっぱいに響き渡る生の音響は、鳥肌モノ。


演奏の様子がじっくり観客に見えるようにと

ステージ上で披露してくれたのは素敵な配慮だった。


四肢をフルに使っての演奏だということが飲み込めた。

下肢の動きは、まるでダンスを踊っているよう。

けっこうな運動量だ。



夢見心地に誘う空気の振動を生み出すパイプは、

なんと8千本ほどにもなるのだとは、

演奏の合間の奏者による説明。



生の演奏がこんなに凄いのなら、ぜひとも、

スヴェーリンクやブクステフーデを聴いてみたい!

と、思わずにはいられなかったのだが、

アンコールに演奏されたのはパッヘルベルのカノンであった。



会場を後にしたのは16時過ぎだったので、

ちょっと当てがあり哲学の道に足を運んだ。


季節が後戻りしたような寒風のなか、

少なからぬ観光客が見受けられたが、

道沿いの桜は、ほんのり薄紅を帯びているとはいえ

まだつぼみのまま。





そんななか、足早に目当ての場所に向かった。


つづく。



来てるねぇ 春

2012-03-30 14:23:10 | ひとりごと 自然系
当直が明けて、実家に向かう朝。

燃料計が帰路を保障しないと伝えているので、

1L 149円 との看板に飛びついて給油。


しばらく走ると、なんとまぁ!

満開の桜じゃないか!!


思わず路肩に停車して写す。






何枚か写していると、近所のおばさんが歩み寄る。


「これはなんだと思う? 桜に似てるが違うらしいよ。」

と、おっしゃる。


 「へ?! 山桜と違うん??」


「そこの家の人が、1mほどの苗木を植えたら

 20年ほどになるか、こんなに大きくなったの。

 どうも桜の系統とは違うみたい。

 小さな実もなるけど、食べられないのよ。」



と、道を挟んだお家を指差す。

そこには、青空に向かって花開いたモクレンが。







実家で、老いた母にその話をすると、

「ユスラウメと違うん?」


すぐ外にあるというので見に行った。







ちょっと違う気がする。


おや、この黄色いのは?





背中の曲がった母曰く、「オオバイ(黄梅)」


ふ~ぅん・・・そうなんだ・・・。



ヘヘッ、これは、言われなくとも知っている。





甘い香りを思い切り吸い込んでみた。



ムスカリと花ニラも、暖かな風にそよいでいる。





その手前にあるのは?





葉っぱはカタバミのようだが?


腰の曲がった老母曰くは、 「なにか名前があるんやろ」 。


そらそうやろ、おかあちゃん、アンタも関西人やなぁ!



ほな、これはどうよ!?






とにかく、ちょっと一緒に、例の木を見に出掛けた。







どうや! 桜 と 違うんか!?


「う~ん・・・」







どうやねんっ?!








答えは、最後に書きましょう。



少し離れた幼稚園の園庭にある桜は





週明けにはきっと、はじけているのでしょう。



帰り際に、老母曰く 「お前は・・・これや」







 「・・・・・アンタに言われたくはない!」




さて、桜に似た花の正体は・・・


 「ベニバスモモ(紅葉李)」 でした。



春って、やっぱり愉しいねぇ!



迫まるぅ~ シュ (ッ) ガ~ 地獄の軍団~

2012-03-27 15:39:49 | ひとりごと
どうやら昨日が、最後の「冬別れの雪」だったのかな。

亀岡でも、家々の屋根は朝陽に白く輝いていた。

午前の外来のため北に走行すると、しばし降雪あり。

それでも、もう春の到来を隠せないのか、すぐに青空が現れた。




2012.3.26     京丹波町



一夜明けて今日は、ポカポカの好天。


午前中の外来に、しばらく顔を見なかった患者さん。

先週土曜の採血結果を、とのこと。

一番気になっていたのが「血糖値」だった様子。

どうやら本人は「糖尿」を気にしていたようだが、空腹時血糖は87。


「大丈夫だよ!」と伝えると、

遠慮しがちに、語り始めた毎日の身体状況。 


う~ん、その症状、どうも機能性低血糖のようだ。



そこで、一度、糖質制限食を試してみては? と提案。


機能性低血糖のメカニズムを説明し、

食品の栄養成分が計算できるサイト

江部先生の著書やブログを、目の前のパソコンで紹介。


思い当たる節が多いにあった患者さん、俄然決意を固めて診察室を出て行かれる。



で、久しぶりの江部先生のブログに

夏井睦先生のホームページで糖質制限食がブレイク ← クリックで移動します
          
との記事を発見!



夏井先生とは、創傷処置に関して以前

目からウロコのおはなし 1
http://blog.goo.ne.jp/avin-hmp/e/a96ac7c67b717387efff2d8176f38347


で、筆者の目からウロコを何枚も剥がして下さった先生。


さきほど、夏井先生のHP 新しい創傷治療 を覗いてみると

2012/03/26

 27歳の薬剤師さんからは糖質制限ネタのメールをいただきました。すごいぞ,糖質制限食!
 私も一ヶ月前から糖質制限を開始しました。もともと痩せている体形で土日は糖質制限をサボることもあったので体重は変化がなかったのですが、他の皆さんも言ってるようにウエストが細くなったのが嬉しかったです。

 しかしそれ以上に嬉しかったのは肌の調子が良くなったことです! 私はあごに吹き出物ができやすい体質で顔をなでるといつもデコボコしていて悩んでいたのですが、糖質制限をしたらデコボコがすっかり消えてツルツルの肌になりました。肉と油ばっかり食べていたらニキビが出来やすくなると思っていたのですがそんなことはなく、むしろ逆にニキビができなくなったのがとても嬉しいです。
 あと乾燥肌もあったのですが、今では皮脂もしっかりと出るようになって皮膚常在菌がイキイキとしているのを日々感じています。これは糖質制限によって今まであまり食べなかった肉や豆腐や卵などをたくさん食べるようになったので皮膚に必要なたんぱく質、脂質、亜鉛、鉄分などがしっかりと摂れるようになったのではないだろうか、と考えています。
 「うつは食べ物が原因だった」という本に書いてあったのですが、鉄分が不足すると肌荒れやうつになりやすいみたいです。特に女性の鉄不足は深刻なので糖質制限は男性よりも女性の方が向いているのかもしれませんね


2012/03/23

【08:30】
【カーボカウントな日々】
 糖質制限について教えていただいたサイトです。
 食パン1枚=角砂糖9個,ご飯1膳=角砂糖17個,素うどん1杯=角砂糖17個と,ほとんど角砂糖をバリバリ食っているのと同じです。炭水化物は砂糖のように甘くないため,「多少食べても糖分じゃないし」と誤魔化されちゃうんでしょう。


などと、結構、糖質制限に関する話題で盛り上がっていました。


ここで紹介されている角砂糖に置き換えたサイトの画像を、

以下に、少々引用させていただきます。





■食パン(6枚切り)/炭水化物:30.7g



■白米飯(150g)/炭水化物:55.6g



■素うどん(1食)/炭水化物:56.1g



もとの記事は 砂糖に換算すると ← クリックでどうぞ。



こんな他愛もない話は、気楽に書けますなぁ。

忍び寄る放射線汚染の話は、他のところで書いております。




冬別れの雪

2012-03-12 22:31:06 | ひとりごと 自然系
今朝、カーテンを開けると雪化粧の景色が飛び込んできた。

北に向かう1時間強の車での移動中も、時折、雪が強く降ってきた。

それでも、もはや道路に不安は感じなかった。


昼までの外来を済ませ、病院最上階の食堂で昼食をする間も

窓の外では、風の思いに任せて白い軌跡が舞っていた。


午後から外来のある別の診療所への移動中も、

陽が射したかと思えば瞬く間にフロントガラスに打ち付ける雪。


なんだ、なんだ、もうすぐ春だろ?


午後4時半、診療所を辞すのを待っていたかのような吹雪。


でも、半時間もしないうちに西日が漏れてきた。







冬別れの雪 というそうな。


そうだ、今夜は、お水取りの大松明だったな。



血管の炎症抑制で老化防止 日本人、寿命108歳に?

2012-03-12 11:26:55 | サクセスフル・エイジング
血管の炎症抑制で老化防止 日本人、寿命108歳に?

という記事が、

共同通信社 から 3月7日(水) に配信されている。

以下、その配信記事を引用(太字は引用者による)。


・・・・・・・・・・引用 ここから・・・・・・・・・・


血管の炎症抑制で老化防止 日本人、寿命108歳に?

共同通信社 3月7日(水) 配信


 東北大大学院医学系研究科のグループが、

血管内皮細胞での炎症反応を抑えると老化を遅らせ、

寿命を延ばせることをマウスによる実験で突き止めたと

6日付の米学術誌に発表した。


 実験で生まれた「抗老化マウス」の平均寿命は約30%延びた。

日本人に当てはめた場合、平均寿命が83歳から108歳になる。


 同研究科の片桐秀樹(かたぎり・ひでき)教授(代謝学)は

「病気のマウスが悪くなるのを防ぐだけではなく、

 健康な状態でさらに寿命を延ばせた。アンチエイジング療法の開発につながる」

と話している。


 研究グループは血管の炎症が動脈硬化発症に重要な役割を果たしている

との研究に着目。

血管の中で最も内側にあり、血液と接する血管内皮細胞で

炎症反応を起こりにくくしたマウスを作製した。

具体的にはマウスの遺伝子を改変し、

炎症反応の際に中心的な役割を果たす

タンパク質複合体(NFκB)
の経路を遮断した。


 その結果、血管全体の老化が抑えられたほか、

マウスの活動性が上がり血の巡りが良くなった、

また老化を進展させる活性酸素の量が最大3分の1程度減る効果もあった。

 血管内皮細胞以外では通常通りの炎症が起こるため、

体内に侵入したばい菌の排除などには問題がないという。


・・・・・・・・・・共同通信記事 引用 ここまで・・・・・・・・・・



元論文は Circulation. 2012; 125: 1122-1133 に掲載。

そのアブストラクトは、当記事の最後に転載しておきます。



さて、炎症反応の際に中心的な役割をはたすNF-κBというのは、

細胞内の転写因子でして、


たとえば、拙ブログ昔の記事

ヒトは血管とともに老いる アンチエイジング・ミニ講座 1

でも、以下のように説明をしてあります。


 血液内のAGEsがAGE受容体 (RAGE) に結合すると、


 細胞内にシグナルが伝達されて転写因子であるNF-κBが活性化し、


 血栓形成傾向や炎症や悪玉アディポサイトカインを増加させ、


 血管障害から動脈硬化へと病的状態の進行が始まってしまいます。




筆者がAGEsを知ったことからアンチエイジングに目覚め

AGEsの生成を抑制する「抗糖化サプリメント」を服用し始めて4年。

 (2008年 「抗糖化」元年!

  今夜、「抗糖化」アンチエイジングの歴史が始まった!

  などを書いていた頃が懐かしいです。)



血管の炎症抑制血管老化抑制サクセスフル・エイジング

ということからは、

AGEs生成抑制 のみならず 

食後のグルコース・スパイク にも充分注意する必要があります。


血糖値が180mg/dlを超える瞬間毎に、

血管内皮細胞は障害されるということを、お忘れなく!



お茶碗1膳の白ご飯(150g)は、

血糖値正常人の血糖値を55mg/dl上昇させます。

2型糖尿病人では、3倍の165mg/dl上昇させてしまいます。

食前の血糖値が仮に100mg/dlだとすれば、

正常人では155に、2型DMでは265という血糖値です。


毎食後のこのような血糖上昇が、血管内皮細胞を障害するのです。

その結果、糖尿病の3大合併症が発症するというわけです。


また最近の留意点としては、

抗糖化」 と 「炭水化物制限」 に加え

放射能汚染食品の摂取回避」 も

サクセスフル・エイジングの重要要件と考えています。


以下に、元論文

Blockade of the Nuclear Factor-κB Pathway in the Endothelium
Prevents Insulin Resistance and Prolongs Life Spans

Circulation. 2012; 125: 1122-1133


のアブストラクトを転載します。


Blockade of the Nuclear Factor-κB Pathway in the Endothelium
Prevents Insulin Resistance and Prolongs Life Spans


Yutaka Hasegawa, MD, PhD*; Tokuo Saito, MD, PhD*; Takehide Ogihara, MD, PhD; Yasushi Ishigaki, MD, PhD; Tetsuya Yamada, MD, PhD; Junta Imai, MD, PhD; Kenji Uno, MD, PhD; Junhong Gao, MD, PhD; Keizo Kaneko, MD, PhD; Tatsuo Shimosawa, MD, PhD; Tomoichiro Asano, MD, PhD; Toshiro Fujita, MD, PhD; Yoshitomo Oka, MD, PhD; Hideki Katagiri, MD, PhD
+ Author Affiliations

From Division of Molecular Metabolism and Diabetes (Y.H., T. Saito, Y.I., J.I., K.U., K.K., Y.O.) and Department of Metabolic Diseases, Center for Metabolic Diseases (T. Saito, T.O., T.Y., J.G., H.K.), Tohoku University Graduate School of Medicine, Sendai; Faculty of Medicine, Department of Clinical Laboratory (T. Shimosawa) and Department of Nephrology and Endocrinology, Faculty of Medicine (T.F.), University of Tokyo, Tokyo; and Department of Medical Science, Graduate School of Medicine, University of Hiroshima, Hiroshima (T.A.), Japan.
Correspondence to Hideki Katagiri, MD, PhD, Department of Metabolic Diseases, Center for Metabolic Diseases, Tohoku University Graduate School of Medicine, 2-1 Seiryo-machi, Aoba-ku, Sendai 980-8575, Japan. E-mail katagiri@med.tohoku.ac.jp
↵* Drs Hasegawa and Saito contributed equally to this article.


Abstract

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Background—Nuclear factor-κB (NF-κB) signaling plays critical roles in physiological and pathological processes such as responses to inflammation and oxidative stress.

Methods and Results—To examine the role of endothelial NF-κB signaling in vivo, we generated transgenic mice expressing dominant-negative IκB under the Tie2 promoter/enhancer (E-DNIκB mice). These mice exhibited functional inhibition of NF-κB signaling specifically in endothelial cells. Although E-DNIκB mice displayed no overt phenotypic changes when young and lean, they were protected from the development of insulin resistance associated with obesity, whether diet- or genetics-induced. Obesity-induced macrophage infiltration into adipose tissue and plasma oxidative stress markers were decreased and blood flow and mitochondrial content in muscle and active-phase locomotor activity were increased in E-DNIκB mice. In addition to inhibition of obesity-related metabolic deteriorations, blockade of endothelial NF-κB signaling prevented age-related insulin resistance and vascular senescence and, notably, prolonged life span. These antiaging phenotypes were also associated with decreased oxidative stress markers, increased muscle blood flow, enhanced active-phase locomotor activity, and aortic upregulation of mitochondrial sirtuin-related proteins.

Conclusions—The endothelium plays important roles in obesity- and age-related disorders through intracellular NF-κB signaling, thereby ultimately affecting life span. Endothelial NF-κB signaling is a potential target for treating the metabolic syndrome and for antiaging strategies.


混合ハーブ抽出物と2つの生薬からなる新規ハーブ混合物の抗糖化作用 : 短期および長期の影響

2012-03-03 01:22:00 | 抗糖化ドクターズ・サプリ
2009年と2010年の学会発表を論文にまとめたものが

同志社大学理工学研究報告 第52巻 第4号 に掲載されました。



混合ハーブ抽出物と2つの生薬からなる新規ハーブ混合物の抗糖化作用
 -短期および長期の影響-

Anti-glycation effect of a novel herbal mixture
made of mixed herbal extract and two crude drugs
 -short and long term effect-


論文要旨

混合ハーブ抽出物(MHE)は抗糖化作用が既に報告されている。

HMEはローマカミツレ・セイヨウサンザシ・ドクダミ・ブドウ葉の熱水抽出物である。

HMEは漢方薬とみなすことができる。

漢方薬では、構成生薬の追加が元の効能を変化させることが知られている。

HMEに生薬である生姜・山椒を加えカプセルに充填した試験食を作成し、

それが抗糖化作用を示すか調べた。

またQOLへの影響を調べた。

対象者は12名で、血糖正常群8名(男:女1:7、平均年齢47歳)と

糖尿病・高血糖群4名(男:女3:1、平均年齢51歳、HbA1c 5.7~7.0)の2群に分けられた。

両群とも、HMEはエキス固形分240mgと生姜・山椒一定量を1日量として

4カプセル・12週間摂取した。

また各群の1名ずつは80週間摂取を継続した。

抗糖化作用は皮膚AGEs蓄積を非侵襲的に測定し

皮膚自発蛍光(AF)として示すAGE reader™により評価した。

皮膚弾力はCutometerにより評価した。

抗加齢QOL共通問診表により

「便秘」、「冷え性」、「体重減少」が有意(p=0.043)の改善または変化を認めた。

皮膚AFは8週・12週にて両群とも減少し、

血糖正常群では12週で有意(p=0.020)な低下を認めた。

80週までの継続摂取では皮膚AF減少は継続した。

12週での摂取終了は皮膚AFの悪化を認めた。

皮膚弾力は糖尿病・高血糖群の12週でR2に若干の改善を認めた。

MHEに2つの生薬を追加配合した処方は皮膚AGEs蓄積を抑制した。

試験食の継続摂取は安全で有用な抗糖化法と考えられることが示唆された。


・・・・・・・・・・・・・・・・


なお、HbA1cの低下(108週)は、

本論文では言及されていない。


本論文そのものへは 

同志社大学理工学研究報告 第52巻 第4号

からアクセスが可能です。