![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/db/b3930168f090c758cc5a549f3a81a44e.jpg)
この本の編集をされた山岸昌一先生が、糖尿病血管合併症予防の可能性について
語られているページを紹介します。
そこで、糖尿病の血管合併症の進展のメカニズムが、
糖尿病の血管合併症のメカニズムには「高血糖の記憶」という現象が存在します。
どのくらい高い血糖にどの程度暴露されていたかを体が覚えていて,
血管が長い年月のうちに障害されていくのです。
このことは,慢性の高血糖によってゆっくりと体の中で作られ
溜まっていくようなものが,血管合併症の主因であることを意味します。
実は,それが終末糖化産物(AGEs)なのです。
体内にある全ての蛋白質は,高血糖の程度とその持続期間に比例して糖化され,
AGEsとなり血管を障害します。
AGEsにより「血管に酸化ストレス」が生じ,さまざまな合併症をおこしてくるわけです。
と説明されています。
また、どのようなメカニズムでAGEsが血管障害を引き起こすかは、
私たちは,AGEsが細胞表面受容体RAGE(receptor for AGEs)によって認識され,
細胞内に酸化ストレスを惹起させることで,周皮細胞にアポトーシスをひきおこすことを
明らかにいたしました。
と、語られています。
つまり、AGEsはそのレセプターであるRAGEと結合することで
血管障害を引き起こすということです。
また、高血圧の原因として知られているアンギオテンシンⅡが、
血管周皮細胞でRAGEの発現を誘導することでAGEsの毒性を増大させる
ということも確認されています。
アンギオテンシンⅡ阻害薬で高血圧治療薬であるテルミサルタンが、
糖尿病を合併した高血圧症に非常に有効だというわけです。
もちろん、テルミサルタンはAGEsそのものを低減させるものでないのは残念ですが。
では、山岸先生の
『テルミサルタンによる糖尿病血管合併症予防の新たな可能性』はクリックでどうぞ。
当ブログの重要点『抗糖化』等に関してはこちらにまとめてあります。
なお、図表および内容の引用は固くお断りいたします。