血中ビタミンDの濃度が低い場合にサプリメントで補給すると、
低いままで放置の場合に比べ、いろんな原因での死亡リスクが半減したという
大規模な研究が公表された。
1万人以上の患者のデータ分析から70%がビタミンD不足で、
彼らは種々の心臓病に罹るリスクが有意に高いこと
カンサス大学の研究者らは見出した。
また、ビタミンD不足は「死ぬ可能性」を2.64倍にするが、
サプリメントで補うとリスクは60%まで低下。
「心臓病とビタミンDには関係があると予想していました。
けれど、これほど凄いとは驚きでした。
いやぁ、予想以上に奥が深いですよ、これは。」
とは、カンサス大学病院医療センターの心臓病学教授
Dr. James L. Vacekの言葉。
ビタミンD不足はさまざまな疾患に関連してきたが、
その反対-つまりサプリメントが結果を好転させる-
ということはあまり実証されてこなかった。
Dr.Vacekのチームはカンサス大学病院で血清ビタミンD濃度を調べた
10899人のデータを再検討したところ、
多くの専門家良好な健康状態に必要と考える30ng/ml以下しかない人が
70%以上を占めることが判明した。
患者の病歴や服用薬やその他の因子を考慮したうえで、
ビタミンD不足の人は、不足のない人と比べると
2倍以上、糖尿病になりやすく
1.4倍、高血圧になりやすく
1.3倍、心筋症-心臓の筋肉の病気-になりやすい
ということが判明した。
全体として、ビタミンDが不足している人は足りている人と比べると
さまざまな原因で「死ぬ可能性」が2.64倍も高いことがわかりました。
しかも、ビタミンDをサプリメントで補った人達は、
そうしなかった人達に比べると、さまざまな原因で「死ぬ可能性」は
60%低くなっていたことがわかりました。
ただし、ビタミンD補給の効果が最も高かったのは
検査の時点でビタミンDが不足していた人達でした。
もちろん、これらの効果はビタミンDだけが原因かは不明です。
つまり、他の因子たとえば病気そのものが
健康状態の違いとビタミンD濃度の違いに影響するかも知れません。
しかし、これまでに行われた研究が示してきたのは、
多くの米国人がビタミンD不足だということでした。
最新の米国民健康栄養調査では成人の25~57%がビタミンD不足で、
他の研究では70%が不足しているといいます。
これほども多くの人々にビタミンDが不足している原因は
我々の身体ではビタミンDの約90%が日光から作られ
食物からは約10%だけしか得られないからだとDr.Vacekは言います。
すでにご存知のとおり、皮膚を日光に当てることでビタミンDが作られます。
ある種の食品、たとえば脂に富む魚や卵や強化牛乳はビタミンDの供給源です。
暖かい季節の毎日最低20分の全身日光浴が、充分量のビタミンD生成には
必要だけれど、ほとんどの人は十分戸外にいないねぇ、とDr.Vacek。
北米とカナダでは、たとえ長時間肌を曝せるほどの気温であっても
冬の間は日差しが強くないと、専門家は言います。
「もし血液中のビタミンDが十分なら、
ビタミンDは寿命を長くする魔法の薬ではないですよ。
あくまで、不足している人は補給するのがいいのです。
サプリメントによる補充療法をして2~3ヵ月後に
血液検査で濃度が上がってきたことを調べるのは有意義です。
一般的には、1000~2000IUを毎日摂取するのがお勧めです。」
とDr.Vacek。
ちなみに1000~2000IU は 25~50μgになります。
この研究は米国心臓病学会誌に発表されています。
Abstractはクリックでどうぞ。
↓
The American Journal of Cardiology, online November 7, 2011.
Vitamin D Deficiency and Supplementation and Relation to Cardiovascular Health.
わが国では、どうなのでしょうねぇ。
平成21年度の国民健康栄養調査によると
20歳以上の1日あたりの摂取量は
女性7.3μg、男性8.5μgだと公表されています。
これは2010年版「日本人の食事摂取基準」では
ビタミンD目安量(男性18~29歳)が5.5μgなのからすると
そこそこ摂取できていることになるのでしょうか。
平成21年度国民健康栄養調査
第1章食生活・運動に関する状況
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000xtwq-img/2r9852000000xu2r.pdf
でも、ほんとは一度くらいは血中25-ヒドロキシビタミンD濃度を
測定してみるのが望ましいのかも知れませんね。
もちろん、その際は、くれぐれも自費でお願いします。
そして、美容のために一方的に紫外線を悪者呼ばわりする風潮にも
再考が必要ではないかと思われるのです。
低いままで放置の場合に比べ、いろんな原因での死亡リスクが半減したという
大規模な研究が公表された。
1万人以上の患者のデータ分析から70%がビタミンD不足で、
彼らは種々の心臓病に罹るリスクが有意に高いこと
カンサス大学の研究者らは見出した。
また、ビタミンD不足は「死ぬ可能性」を2.64倍にするが、
サプリメントで補うとリスクは60%まで低下。
「心臓病とビタミンDには関係があると予想していました。
けれど、これほど凄いとは驚きでした。
いやぁ、予想以上に奥が深いですよ、これは。」
とは、カンサス大学病院医療センターの心臓病学教授
Dr. James L. Vacekの言葉。
ビタミンD不足はさまざまな疾患に関連してきたが、
その反対-つまりサプリメントが結果を好転させる-
ということはあまり実証されてこなかった。
Dr.Vacekのチームはカンサス大学病院で血清ビタミンD濃度を調べた
10899人のデータを再検討したところ、
多くの専門家良好な健康状態に必要と考える30ng/ml以下しかない人が
70%以上を占めることが判明した。
患者の病歴や服用薬やその他の因子を考慮したうえで、
ビタミンD不足の人は、不足のない人と比べると
2倍以上、糖尿病になりやすく
1.4倍、高血圧になりやすく
1.3倍、心筋症-心臓の筋肉の病気-になりやすい
ということが判明した。
全体として、ビタミンDが不足している人は足りている人と比べると
さまざまな原因で「死ぬ可能性」が2.64倍も高いことがわかりました。
しかも、ビタミンDをサプリメントで補った人達は、
そうしなかった人達に比べると、さまざまな原因で「死ぬ可能性」は
60%低くなっていたことがわかりました。
ただし、ビタミンD補給の効果が最も高かったのは
検査の時点でビタミンDが不足していた人達でした。
もちろん、これらの効果はビタミンDだけが原因かは不明です。
つまり、他の因子たとえば病気そのものが
健康状態の違いとビタミンD濃度の違いに影響するかも知れません。
しかし、これまでに行われた研究が示してきたのは、
多くの米国人がビタミンD不足だということでした。
最新の米国民健康栄養調査では成人の25~57%がビタミンD不足で、
他の研究では70%が不足しているといいます。
これほども多くの人々にビタミンDが不足している原因は
我々の身体ではビタミンDの約90%が日光から作られ
食物からは約10%だけしか得られないからだとDr.Vacekは言います。
すでにご存知のとおり、皮膚を日光に当てることでビタミンDが作られます。
ある種の食品、たとえば脂に富む魚や卵や強化牛乳はビタミンDの供給源です。
暖かい季節の毎日最低20分の全身日光浴が、充分量のビタミンD生成には
必要だけれど、ほとんどの人は十分戸外にいないねぇ、とDr.Vacek。
北米とカナダでは、たとえ長時間肌を曝せるほどの気温であっても
冬の間は日差しが強くないと、専門家は言います。
「もし血液中のビタミンDが十分なら、
ビタミンDは寿命を長くする魔法の薬ではないですよ。
あくまで、不足している人は補給するのがいいのです。
サプリメントによる補充療法をして2~3ヵ月後に
血液検査で濃度が上がってきたことを調べるのは有意義です。
一般的には、1000~2000IUを毎日摂取するのがお勧めです。」
とDr.Vacek。
ちなみに1000~2000IU は 25~50μgになります。
この研究は米国心臓病学会誌に発表されています。
Abstractはクリックでどうぞ。
↓
The American Journal of Cardiology, online November 7, 2011.
Vitamin D Deficiency and Supplementation and Relation to Cardiovascular Health.
わが国では、どうなのでしょうねぇ。
平成21年度の国民健康栄養調査によると
20歳以上の1日あたりの摂取量は
女性7.3μg、男性8.5μgだと公表されています。
これは2010年版「日本人の食事摂取基準」では
ビタミンD目安量(男性18~29歳)が5.5μgなのからすると
そこそこ摂取できていることになるのでしょうか。
平成21年度国民健康栄養調査
第1章食生活・運動に関する状況
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000xtwq-img/2r9852000000xu2r.pdf
でも、ほんとは一度くらいは血中25-ヒドロキシビタミンD濃度を
測定してみるのが望ましいのかも知れませんね。
もちろん、その際は、くれぐれも自費でお願いします。
そして、美容のために一方的に紫外線を悪者呼ばわりする風潮にも
再考が必要ではないかと思われるのです。