外科医 アンチエイジングに目覚める!?

目指そう サクセスフル・エイジング !

抗糖化 で 減らせAGEs 

炭水化物も要注意    

サクセスフル・エイジング

2010-01-07 22:05:38 | サクセスフル・エイジング


昨年の夏以来、左膝の痛みで受診される男性。

一目で変形性膝関節症と判るのは、O脚になっているから。




ヒアルロン酸の関節内注射と内服の鎮痛薬で対応することに。


内服は2週間分の処方だが、痛みが増悪しないと受診されない。

家人に言わせると、相当な頑固者らしい。




七草粥は美味しかったが、膝は痛む。


と、そこそこ雪の降った本日の受診は2ヶ月ぶりである。

今日は、いつもより多弁な様子だ。


右の肘にも痛みが出る。」


左の肩は、痛みはないが挙がらない。」




関節注射の準備をしながら見ていると、確かに変だ。

左腕は30度ほどしか挙がらず、右手を添えて押し上げるのだが、

左の肩をすくめる動作が伴っている。




そこで、患者の左肩を上から押さえて肩をすくめられないようにし、

左腕を下から支えて水平まで持ち上げてみる。

こうしてみても、痛みはまったく訴えない。

ところが、支えの力を抜くと、患者の左腕は重力に抗えない。




ということで、陳旧性の腱板断裂を疑って、訊ねてみた。




 「ずっと前から、挙がらへんのかな?」



「そうや、もう、ながい。 若い時、悪くしたんが効いてる。」



 「腱板断裂やないかなぁと思うんやけど・・・」



「ああ、そない言われたことあるわ、腱板断裂。」





ずいぶんと長い間、挙がらなかった左腕のことを、

今日は話題にしてみたということがわかった。



曰く、

 「永いこと使ってきたら、具合の悪いとこがアチコチ出てくるわ。」




そうですよ、膝もシッカリと変形性膝関節症ですから。



   「痛み止め、出しとくからね。」





さぁ、今度は、いつ受診されるのだろうか?




診療所の玄関を出て行く後姿を見送りながら、

小さな声でナースが言ったのでした。



  「娘さんは、もう運転せんといて欲しいと言ってるんやけどなぁ。」



 



雪の積もった駐車場を、ユックリとO脚で進む先には、

フロントに雪を載せた軽トラックが停められていた。



この患者さん、御歳 95 歳 !


たしかに、アチコチにガタは来ているが、

認知症などの心配は、まったく要らない。



サクセスフル・エイジングの一例だなぁ、と思える御仁なのでした。






創立2周年記念、AGE Readerによる皮膚AGEs測定の実際は こちらから


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