読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

「小さき男、偉大なる芸術家」と呼ばれた男の、「葡萄酒色の人生 ロートレック」(フランス/1998年)

2008-09-24 05:39:27 | 映画;洋画
原題:Lautrec
監督、脚本:ロジェ・プランション
音楽:ジャン・ピエール・フォーキー
撮影:ジェラール・シモン
出演:レジス・ロワイエ、エリザ・ジルベルシュタイン、アネモーヌ、クロード・リッシュ、エレーヌ・バビュ

~1864年、南フランスのトゥールズで名門ロートレック家の長男が産まれた。画家ロートレックの誕生である。アンリと名付けられたその子はすくすくと育つが、15歳のときの骨折が原因で、足の成長が止まってしまう。アンリ(レジス・ロワイエ)はやがて好きな絵の才能を伸ばすため、パリのアトリエで学びはじめる。やがてモンマルトルのキャバレー、ムーラン・ルージュに通いつめるようになり、尊敬するドガ(ヴィクトール・ガリヴィエ)にも認められてますます絵にのめりこむ。

ある日、アンリは行き付けのバーで激しく口論する女性を見かける。彼女こそルノワール、ドガなどのモデルをつとめ、自らも絵筆をとるシュザンヌ(エルザ・ジルベルシュタイン)だった。彼女はのちの画家ユトリロを私生児として産み、貧しい生活に耐えていた。アンリとシュザンヌの激しい恋が始まる。そんな中でアンリたちが出会ったのがヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(カレル・ヴァンジェールオエ)だった。アンリはゴッホの才能を絶賛、だがゴッホは成功を待たず自殺してしまう。

アンリとシュザンヌもやがて仲たがいするようになり、彼女はアンリの元を去る。ますます酒と女に溺れるようになったアンリは梅毒とアル中に冒される。母の住む城に戻ったアンリは美しい海の夢を見ながら、36年の葡萄酒色の人生の幕を閉じたのだった。~(goo映画)


ロートレックの肉体的なハンデを背負った厳しい人生を明るく描いた作品です。「葡萄酒色の人生」とは、ワイン漬けの日々を表したものだと思いますが、放蕩の中で彼が見つけた自分の居場所「ムーラン・ルージュ」とそこに生きる人々の生活を描いた作品は今も私の胸を打ちます。彼の姿は映画「ムーラン・ルージュ」(2001年/バズ・ラーマン監督)で名脇役のジョン・レグイザモが演じていました。

アンリ・ド・トゥルーズ=ロートレック(ロトレック)(Henri de Toulouse-Lautrec, 1864年11月24日 - 1901年9月9日)は、「19世紀のフランスの画家。南仏のアルビで生まれる。ロートレックの生家は、フランスの名家であり、伯爵家である。祖先は9世紀のシャルルマーニュ時代までさかのぼることができる。父のアルフォンス伯は、奇妙な服装をするなど、変わり者で有名であった」。

「ロートレックは、幼少期には『小さな宝石(プティ・ビジュー)』と呼ばれて家中から可愛がられて育ったが、13歳の時に左の大腿骨を、14歳の時に右の大腿骨をそれぞれ骨折したために脚の発育が停止し、成人した時の身長は152cmに過ぎなかった。胴体の発育は正常だったが、脚の大きさだけは子供のままの状態であり、現代の医学者はこの症状を骨粗鬆症や骨形成不全症といった遺伝子疾患と考えている。脚の不自由だった彼は、しばしば疾走する馬の絵を描いている」。

「1882年にパリに出て、当初はレオン・ボナの画塾で学んだが、まもなくして画塾が閉鎖されたため、モンマルトルにあったフェルナン・コルモンの画塾に移り、以後は晩年まで同地で活動するようになった。 なお、コルモンの画塾ではファン・ゴッホ、エミール・ベルナールらと出会っている。絵画モデルであった、マリー=クレマンチーヌ・ヴァラドン(後のシュザンヌ・ヴァラドン)のデッサンの才能を高く評価し、彼女が画家となるきっかけを作った。彼女をシュザンヌと呼び始めたのもロートレックである」。

「画家自身が身体障害者として差別を受けていたこともあってか、娼婦、踊り子のような夜の世界の女たちに共感。パリの『ムーラン・ルージュ(赤い風車)』をはじめとしたダンスホール、酒場などに入り浸り、デカダンな生活を送った。そして、彼女らを愛情のこもった筆致で描いた。作品には『ムーラン・ルージュ』などのポスターの名作も多く、ポスターを芸術の域にまで高めた功績でも美術史上に特筆されるべき画家であり、『小さき男(プティ・トンム)、偉大なる芸術家(グラン・タルテイスト)』と形容される。かれのポスターやリトグラフは日本美術から強い影響を受けている。1901年8月20日にパリを発ち、母のもとへ行き、同年9月9日、マルロメで母に看取られ死去した。享年37」。


本作で、ロートレックに優るとも劣らない存在感を示したのが、シュザンヌでした。本作では、ルノワールのモデルであり、ロートレックに画家として見出された経緯が描かれていましたが、彼女が宿した子供は、後のモーリス・ユトリロでした。

シュザンヌ・ヴァラドン(Suzanne Valadon, 1865年9月23日 - 1938年4月7日)は、「フランス、モンマルトルの画家。画家になる前は、著名な画家のモデルでもあった。ルノワールの『ブージヴァルの舞踏会』、『都会のダンス』(オルセー美術館蔵)、パリ大学大講堂にあるシャヴァンヌ作『聖なる森』、ロートレックの『二日酔い』は、ヴァラドンがモデルである。本名はマリー=クレマンチーヌ・ヴァラドン(Marie-Clémentine Valadon)。画家モーリス・ユトリロの母である」。

さて、出演陣について触れたいのですが、10年前のフランス映画ということもあって、ネット上で情報を得ることが難しいため、割愛させてもらいます。


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