読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

イタリア系アメリカ人名優の13年前の熱い競演を見直す、「ヒート」(米/1995年)とその脇役たち

2008-09-19 13:50:35 | 映画;洋画
英題:HEAT
監督、脚本:マイケル・マン
音楽:エリオット・ゴールデンサール
撮影:ダンテ・スピノッティ
出演:アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ、ヴァル・キルマー、ジョン・ヴォイト、トム・サイズモア、ダイアン・ヴェノーラ、アシュレイ・ジャッド、テッド・レビン、デニス・ヘイスバート(24・デビット・パーマー)、ウィリアム・フィクトナー(プリズン・ブレイク)、ナタリー・ポートマン、ザンダー・バークレー (24/CTUロス支局リーダー、ジョージ・メイソン)

アル・パチーノ45歳、ロバート・デ・ニーロ42歳のときの作品です。イタリア系アメリカ人のこの名優二人が競演する映画には、「ゴッドファーザーPART II」(1974)がありますが、2人が同時に登場する場面がないため、厳密に言えば本作が2人の史上初の共演作ということです。しかし、本作においても、果たして共演しているのかどうかわからないカット割りになっています。

その真相は、「レストランでの会話シーンでは実際に二人は共演している。この際、デニーロはリハーサルを拒否し、そのまま本番に取りかかった、とパチーノは発言している。会話シーンは14カットもかかった」ということです。当時売りとされた「12分の銃撃戦」(実質は半分の6分)は、その音響も含めて迫力と緊張感が今もって伝わってきます。

さて、監督のマイケル・マンについては<アウトサイダーとなった実在の人物を描く、「インサイダー」(アメリカ/1999年)>(2/5付けの記事)で、ビッグネームの主演の二人については、<現代最高の演技派俳優「アル・パチーノ」>(2007年4/25付けの記事)などで数多く取り上げていますので割愛するとして、この13年前の映画には、後に活躍する若き役者たちが数多く出演しています。

たとえば、「24」の黒人発のアメリカ大統領デビット・パーマー役のデニス・ヘイスバー、CTUロス支局リーダー、ジョージ・メイソン役のザンダー・バークレー、「プリズン・ブレイク」でFBI捜査官を演じたウィリアム・フィクトナーなどですがが、ここでは、他の四人を取り上げましょう。

まずは、「スリー・リバーズ」(1993)、「ワイアット・アープ」(1994)、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」(1994)、「青いドレスの女」(1995)、「レリック」(1997)、「プライベート・ライアン」(1998)、「エネミー・オブ・アメリカ」(1998)、「救命士」(1999)、「レッドプラネット」(2000)など名脇役ぶりを発揮するトム・サイズモア。

トム・サイズモア(Tom Sizemore, 本名 Thomas Edward Sizemore Jr., 1964年9月29日 - )は、「アメリカ合衆国ミシガン州デトロイト出身の俳優。ウェイン州立大学とテンプル大学で学び、卒業後にニューヨークに出る。1989年、オリヴァー・ストーン監督の『7月4日に生まれて』で映画デビュー。続いてトニー・スコットの『トゥルー・ロマンス』やストーンの『ナチュラル・ボーン・キラーズ』に出演、知られるようになる。特に1998年の『プライベート・ライアン』ではタフな軍曹を演じてその才能が注目された」。

「背信の日々」(1988)、「羊たちの沈黙」(1990)、「ALI アリ」(2001)、「名探偵モンク」(2002-)、「クライシス・オブ・アメリカ」(2004)、「記憶の棘」(2004)、「SAYURI Memoirs of a Geisha」(2005)、「アメリカン・ギャングスター」(2007)と、これも名脇役者のテッド・レヴィン。なかでも、「羊たちの沈黙」」のあの殺人鬼であったとは驚きです。

テッド・レヴィン(Ted Levine, 1957年5月29日 - )は、「アメリカ合衆国の俳優である。オハイオ州クリーブランドで生まれる。シカゴ大学で学び、シカゴで舞台に立つようになる。1980年代はじめからテレビや映画にも出演しはじめるが、1990年に『羊たちの沈黙』で連続誘拐殺人鬼バッファロー・ビルを演じ一躍注目を浴びる」。


本作に続く「ノーマ・ジーンとマリリン」(1996)は大胆なヌード、「氷の接吻」(2000)では魔性の女を演じていたアシュレイ・ジャッド、本作の演技が買われることになりました。本作ではヴァル・キルマーの妻を演じています。

アシュレイ・ジャッド(Ashley Judd,1968年4月19日-)は「アメリカ・カリフォルニア州出身の女優である。1990年代後半から2000年代前半に公開された『コレクター』や『ダブル・ジョパディー』、『ハイ・クライムズ』で有名」。

「イタリア系アメリカ人の父とカントリーミュージシャンとして有名だったナオミ・ジャッドの間に生まれる。異母姉に同じくカントリーミュージシャンのウィノーナ・ジャッドがいる。1972年に両親が離婚したため、1994年にケンタッキー州に移住。そこでは貧しい生活を送ることになった。一家は水も電話も電気もないことがあったという。寂しい幼少期を支えたのは読書で空想に浸ることだった」。

「大学入学前にはモデルの仕事をし、来日もしている。その後、ケンタッキー大学に入学し、フランス語を専攻、また人類学と女性学、美術史、そして演劇を副専攻にした。フランスに留学したが、女優になる夢を追い、大学を中退し、ハリウッドへ移住。ウェイトレスなどの仕事をしながら、演技の勉強をした。ケンタッキー大学には復学し、2007年5月に卒業を果たした」。

「女優として最初の仕事は、1991年のテレビシリーズ『新スタートレック』。その後もテレビドラマで仕事をし、映画界には1992年の『Kuffs』でデビューする。1995年の『ヒート』と1996年の『評決のとき』で大きな役ではないながらも注目を浴び、1997年の『コレクター』と1999年の『ダブルジョパディー』で主役に抜擢される。両作品では、アクションをこなし、また、芯の強い女性を演じている。
主役を演じた2001年の『恋する遺伝子』と2002年の『ハイ・クライムズ』が興行的に成功しなかったため、また結婚した事を機に、以降は主演として演じる機会が減っている」。

<アシュレイ・ジャッド - Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%89

「コットンクラブ」(1984)、「F/X 引き裂かれたトリック」(1986)、「ジャッカル」(1997)、「トゥルー・クライム」(1999)、「インサイダー」(1999)、「13ウォーリアーズ」、「ハムレット」(2000)などに出演しているダイアン・ヴェノーラ。本作では、アル・パチーノの妻を演じています。

ダイアン・ヴェノーラ(Diane Venora, 1952年8月10日 - )は「アメリカ合衆国コネティカット州出身の女優である。ジュリアード音楽院で演技を学び、卒業後に舞台に多く出演。特にシェイクスピア役者として注目され、1983年にはニューヨークのシェイクスピア・フェスティバルにて『ハムレット』の舞台に立ち、ハムレットを演じた初めての女性となった」。(以上、ウィキペディア)


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