「アイス・ハーヴェスト/氷の収穫」（アメリカ/2005年）

監督：ハロルド・ライミス
原作：スコット・フィリップスのベストセラー小説「氷の収穫」（ハヤカワ・ミステリ文庫刊）

出演：ジョン・キューザック 、ビリー・ボブ・ソーントン 、コニー・ニールセン、オリヴァー・プラット

完全犯罪、密室、裏切り、そして誰もいなくなる。ハリウッドのスタンダード的な作品だが、面白かった。出演陣も売れっ子役者揃い。特にオリバー・ブラットの終始酔っ払いの演技は卓越。コニー・ニールセンの妖艶さも際立つ。後姿がメインのマイク・スター、後半に登場するランディ・クエイドも存在感を示す。

ハロルド・ライミス（1944年11月21日生まれ）
「セントルイスの大学で英文学を専攻。卒業後、病院の雑用や臨時教員のバイトをしながらライターを志す。やがて『プレイボーイ』誌に記事を書くようになるが、飛躍を求めて即興劇集団の“セカンド・シティ”にオーディションを経て入団。地方での修行の後、シカゴのメイン・キャストに昇格」。

「73年には脚本兼キャストとしてオフ・ブロードウェイ公演に出演する。その後プロデューサー時代のアイヴァン・ライトマンと知り合い『アニマル・ハウス』の脚本に参加。2年後の『ボールズ・ボールズ』で監督となり『パラダイス・アーミー』では製作も手掛けながら映画デビューした」。その他の作品は「アナライズ・ユー」（2002）、「オレンジカウンティ」（2002）、「幸せになる彼氏の選び方 ～負け犬な私の恋愛日記～」（2002）、「シリコンバレーを抜け駆けろ!」（2002）

ジョン・キューザック（1966年6月28日生まれ）
「ハイスクール時代からCMや学生劇などの出演や演出などを手がけ、83年、『恋のスクランブル』で映画デビュー。その後『シュア・シング』などで好印象を残し青年役として活躍。近年ではさまざまな役に挑戦し芸域の広さを示す。また自ら劇団を主催し舞台の方でも活躍。2003年、4年間に渡り交際していたネーヴ・キャンベルとの関係に終止符が打たれた」。


ビリー・ボブ・ソーントン（1955年8月4日生まれ）
「アーカンソー州ホットスプリングスに生まれる。バンド“Tres Hombres”のドラムとヴォーカルで活躍、ミュージシャンとしてショウビジネスのキャリアをスタートさせる。その後81年、少年時代からの親友トム・エッパーソンとともに俳優と脚本家としての成功を目指してLAへと移り住む。2人はハリウッドで自分たちの脚本を懸命に売り込むが、誰からも見向きもされない長い下積み生活が続き、ビリー・ボブは栄養失調の末、入院までしてしまうほど厳しい時代を過ごす」。

「96年、一人で監督・脚本・主演の3役をこなした傑作ドラマ『スリング・ブレイド』が各方面から絶賛され、アカデミー賞ではみごと脚色賞を受賞、さらには主演男優賞にもノミネートされ、一躍ハリウッドきっての才人としてかつてない脚光を浴びる。98年にはアドベンチャー超大作『アルマゲドン』にも出演、ハリウッド・スターの地位を確かなものとする」。

以後は俳優業を中心に活躍、「シンプル・プラン」、「狂っちゃいないぜ」、「バーバー」、「バンディッツ」、「チョコレート」、「バッドサンタ」

オリヴァー・プラット（1960年1月12日生まれ）
「父が外交官だったため、カナダやアジアを転々として育つ。74年から父が日本駐在していたが、彼はアメリカの高校へ進学。長い休みになると東京に遊びにやって来ていたという。タフツ大学で演技を学び、ボストンの劇団を経てTVに出演するように。88年『愛されちゃって、マフィア』で映画デビュー。93年の『三銃士』ではポルトフに扮し、翌年の『ファニー・ボーン／骨まで笑って』では主役を演じるなど次第に実力を付け、最近では話題作への出演も多くなった。93年結婚、3人の父でもある」。

コニー・ニールセン（1965年7月3日生まれ）
「デンマーク・コペンハーゲン生まれ。15歳から地元の舞台やショーで役者のキャリアをスタートさせ、18歳のときに女優を志すためパリに移り住む。その後、ローマ、ミラノ、南アフリカ、ニューヨークで本格的な活動をし、7ヶ国もの言語を話す国際派女優となる」。

「1997年に出演した『ディアボロス/悪魔の扉』では、アル・パチーノ、キアヌ・リーブスと共演を果たし、妖艶な悪魔の娘役で一躍脚光を浴びる。続くSFアクション『ソルジャー』('98)ではカート・ラッセルと共演し、最近ブライアン・デ・パルマ監督が初めて挑んだＳＦ大作『ミッション・トゥ・マーズ』('00)に出演するなど、着々と主演女優の確固たる地位を築いている」。