読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

難しく考えないで観たい、それが「NEXT」(米/2007年)

2008-12-29 10:23:34 | 映画;洋画
監督:リー・タマホリ
脚本:ゲイリー・ゴールドマン、ジョナサン・ヘンスレー、ポール・バーンバウム
音楽:マーク・アイハム
撮影:デヴィッド・タッターソル
出演:ニコラス・ケイジ、ジュリアン・ムーア、ジェシカ・ビール、ピーター・フォーク

<あらすじ>
~主人公のクリス(ニコラス・ケイジ)は2分先の未来を知ることのできる予知能力の持ち主で、ラスベガスのカジノでマジシャンとして生活を送っていた。ある事件をきっかけにクリスの特殊能力が本物だと確信するに至ったFBI捜査官フェリス(ジュリアン・ムーア)は、ロサンゼルスに核兵器と共に潜伏したテロリストを探し出すためクリスに捜査への協力を求めるが、クリスは彼女の依頼を拒否し逃亡する。~

主人公をマジシャンに設定したのはニコラス・ケージだそうですが、その理由について以下のように述べています。

~フィリップ・K・ディックのコンセプトから外れないまま、僕自身がこのキャラクターに何を持ち込めるだろうと考えたとき、最初に浮かんだのが、僕がこの男だったらすごく孤独だろうな、ということだった。彼は2分先の未来が見える。そんなパワーを持っていることが人に知られたら、「こいつはおれの心を読むんだろうか」と気味悪がられるだろう。その孤独さは、映画の中で表現されるべきだと思ったんだ。それで僕は、彼をB級のマジシャンにするのはどうかと考えた。それなら他人は「これもマジックの一部なんだな」と納得するはず。原作にはない設定だが、ディックもこのアイデアに賛成してくれたよ。~

それにしても気になるのは「何故2分先なのか?」であります。残念ながらそれを教えてくれる記事はありませんでした。中には、「JRAの馬券の締切は2分前です」(但し、この能力で着順が見えても、馬券は買えないということですが・・・)とか、「二分先の自分から二分先を教えてもらって、そのまた二分先の自分から二分先をおしえてもらって、そのまた・・」という実に巧みな能力を使うアイディアを出していた人もいましたが。とにかく娯楽映画ですから、これ以上の詮索はよしましょう。

さて、本作の原作者フィリップ・K・ディック。私は全く知りませんでしたが、彼の作品で映画化されたものはいくつか見ていました。これまでに映画化された作品は次ぎの通り。

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(1982年に『ブレードランナー』として映画化)
「追憶売ります」(1990年に『トータル・リコール』として映画化)
「戦争が終わり、世界の終わりが始まった」(1992年に『バルジョーでいこう!』として映画化)
「変種第二号」(1996年に『スクリーマーズ』として映画化)
「にせもの」(2001年に『クローン』として映画化)
「少数報告」(2002年に『マイノリティ・リポート』として映画化)[3]
「報酬」(2003年に『ペイチェック 消された記憶』として映画化)
「暗闇のスキャナー」(2006年に『スキャナー・ダークリー』として映画化)

フィリップ・キンドレド・ディック(Philip Kindred Dick, 1928年12月16日 - 1982年3月2日)は「アメリカのSF作家。ディックの人生はSF作家としての評価とは裏腹に、経済的な問題、幾度かの離婚、薬物摂取など、決して順風満帆ではなかった。神経症の治療やその他の理由からアンフェタミンを常用した時期があり、自殺未遂を繰り返し、薬物中毒施設に入院した経験もある。1955年には妻クレオ・アポストロリデエスが社会主義者だったことからFBIの取り調べを受けた(1959年に離婚)」。

「晩年には『ヴァリス』などにも描写がある一連の神秘体験を経験し、神学への傾倒を深めた。ディックの死後に制作、公開された『ブレードランナー』『トータル・リコール』『マイノリティ・リポート』など著名なSF映画の原作者としても知られるが、『バルジョーでいこう!』(Confessions d'un Barjo )のような一般映画も、ディック作品を原作として生まれている」。

「生前には商業的に成功した作家とはいえなかったディックだが、生前からSF評論家やマニアたちの評価は高く、死後はSFジャンルを超えて、高い評価がされた。アメリカSFを全面批判した、ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムは、唯一ディックを称賛し、『ペテン師に囲まれた幻視者』と彼を評している」。

そして、監督のリー・タマホリ。彼のこともはじめて知りましたが、こちらも作品のいくつかは観ておりました。

1994年 『ワンス・ウォリアーズ』 Once Were Warriors (本作以後は監督作品)
1996年 『狼たちの街』 Mulholland Falls
1997年 『ザ・ワイルド』 The Edge
2001年 『スパイダー』 Along Came a Spider
2002年 『007 ダイ・アナザー・デイ』 Die Another Day
2005年 『トリプルX/ステイト・オブ・ザ・ユニオン』 xXx: State of the Union

リー・タマホリ(Lee Tamahori, 1950年6月17日-)は、「マオリの血を引くニュージーランドウェリントン出身の映画監督。代表作は『ワンス・ウォリアーズ』(1994年)、『007 ダイ・アナザー・デイ』であるが、大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』(1983年)では助監督を務めている」。

「人口の約90パーセントをイギリス系が占めるニュージーランドにおいて、先住民ポリネシア系マオリ出身の父、イギリス系白人の母との間に生まれる。映画界入り以前の1970年代は、コマーシャルアーティスト、あるいは写真家としての道を歩んでいた。1970年代後期から1982年までブーム・オペレーター(Boom operator - 録音アシスタント)を出発点として映画製作に従事」。

「その後、テレビコマーシャルフィルムを監督・製作、100本以上を手がけて国際的賞を受賞するなど頭角をあらわし、1983年にジェフ・マーフィー(Geoff Murphy)監督『UTU』(日本未公開)や大島渚監督『戦場のメリークリスマス』などの長編作で助監督を務めながら、監督手法を磨く」。

最後に俳優陣。ニコラス・ケージについては、<今年はイケてない男たち、これを観て一緒に泣こう、「リービング・ラスベガス」(アメリカ/1995年)>(2007-12-22)で、ジュリアン・ムーアについては、<20年後の哀しい世界、「トゥモロー・ワールド」(アメリカ・イギリス/2006年)>(2007-05-06)で取り上げましたので割愛します。

ここでは、「セルラー」(2004)にクロエ役で、「幻影師アイゼンハイム」に公爵令嬢ソフィ役で出演しているというジェシカ・ビールを取り上げます。

ジェシカ・クレア・ビール(Jessica Claire Biel、1982年3月3日 - )は、「アメリカ合衆国の女優。ミネソタ州エリーで生まれ、コロラド州ボールダーで育つ。父親のジョンは起業家、母親のキンバリーは主婦。1985年生まれの弟ジャスティンがいる。ドイツ人・フランス人・イギリス人の血を引く」。

「1992年に子役としてデビュー。1996年から放送開始のテレビシリーズ『7th Heaven』の長女メアリー役で有名になり、1997年の『木洩れ日の中で』で映画デビューする。2000年には17歳の若さでイギリスのGear誌の表紙をトップレス姿で飾ったため、論争が起こったことがある。2003年の映画『テキサス・チェーンソー』で人気スター入りを果たした」。

「2005年にはEsquire誌によって、『最もセクシーな女優』に選ばれたものの、『テキサス・チェーンソー』以降に出演した映画がことごとく商業的に大失敗し、伸び悩んでいる感は否めない。しかし、2007年公開の『チャックとラリー おかしな偽装結婚!?』で準主役を務め興行成績が1億ドルを突破し、『テキサス・チェーンソー』以来のヒット作となった」。

「過去に俳優のクリス・エヴァンス、アダム・ラヴォーグナ、野球選手のデレク・ジーター、スケートボーダーのBam Margeraと交際していた。現在は歌手のジャスティン・ティンバーレイクと交際している。2000年秋にマサチューセッツ州にあるタフツ大学で学部生になる。バレエやサッカー、ヨガなどが趣味で、2003年にはコロラド州の両親の家の近くに自身の家を購入した」。(以上、ウィキペディア)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿