読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

映画と音楽の本質を教えてくれる秀作、「ONCE ダブリンの街角で」(アイルランド/2006年)

2009-04-17 20:49:31 | 映画;洋画
~ダブリンの街角で毎日のようにギターをかき鳴らす男(グレン・ハンサードは、ある日、チェコ移民の女(マルケタ・イルグロヴァ)と出会う。ひょんなことから彼女にピアノの才能があることを知った男は、自分が書いた曲を彼女と一緒に演奏してみることに。すると、そのセッションは想像以上の素晴らしいものとなり……。(シネマトゥデイ)~

原題:ONCE
監督、脚本:ジョン・カーニー
出演:グレン・ハンサード、マルケタ・イルグロヴァ、ヒュー・ウォルシュ(ティミー ドラマー)、ゲリー・ヘンドリッ(クリード ギタリスト)、アラスター・フォーリー(ベーシスト)、マルチェラ・プランケット(昔の彼女)

ピックガードに穴が開いたフォーク・ギター一本で歌うストリート・ミュージシャン。その歌は、か細い声で淡々と唄われ聴く人もなく。しかし後半のサビから彼の歌は人が変わったようなシャウトとかき鳴らされるギターの弦が激しく震える。そして、台風が去った後のように、また静かに終わる。この冒頭のシーンは本作のすべてを象徴しているのです。


そこに現われる、彼の歌に惹かれるチェコの移民の娘。二人は何かに導かれるように楽器店に入り、そこで男は彼女が弾くピアノを聴いて、自作の曲のメロディとコード進行を彼女に教え、二人のデュオが生まれる。この地図で赤く塗られたチェコとグレートブリテン島の左に位置するアイルランド島で育った二人がこのダブリンで邂逅し、ともに奏でたその曲がコレ。

<Falling Slowly"- Once>
http://www.youtube.com/watch?v=yzQ9VrnNQLQ&feature=PlayList&p=45CA8B62D87F2254&index=3

私は一気に彼らの世界に引き込まれました。本作は、異国人の二人が音楽を通じて触れ合いを深めるラブ・ストーリーであり、一枚のアルバムのメーキング・フィルムのようでもあり、夢の途中のドキュメントでもあるような、そんな作品。恐ろしいほどの超低予算(製作費は日本円でわずか1800万円)で製作された本作は、映画とは何か、音楽とは何かをしっかり教えてくれるのです。


本作の監督はジョン・カーニー。1970年生まれ、アイルランド・ダブリン出身。

<John Carney - Wikipedia>
http://en.wikipedia.org/wiki/John_Carney_(director)


主演は、グレン・ハンサード。1970年4月21日生まれ、アイルランド・ダブリン出身。

<Glen Hansard - Wikipedia>
http://en.wikipedia.org/wiki/Glen_Hansard

そして、マルケタ・イルグロヴァ。1988年2月28日生まれ、チェコ共和国・ヴァラシュスケー・メジジーチー出身。

<Markéta Irglová - Wikipedia>
http://en.wikipedia.org/wiki/Mark%C3%A9ta_Irglov%C3%A1


<バラエティ・ジャパン | オスカー歌曲賞のデュオが米ワーナーと契約>
http://www.varietyjapan.com/news/showbiz/u3eqp3000003902a.html


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