読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

アラフィー世代のノスタルジアとrooters' song、「20世紀少年 第1章 終わりの始まり」

2009-04-16 05:23:30 | 映画;邦画
~翌年に大阪万博開催を控え、人類が初めて月に降り立った1969年の夏、小学生のケンヂは、同級生の仲間たちと空き地の原っぱに秘密基地を作った。そんな彼らの秘密の遊びの一つである“よげんの書”には、悪の組織、世界征服、人類滅亡計画、それを阻止する正義の味方など空想の数々が描かれ、彼らをワクワクさせるのだった。(シネマトゥデイ)~

(2008年)
監督:堤幸彦
脚本:福田靖、長崎尚志、浦沢直樹、渡辺雄介
音楽:白井良明、長谷部徹、Audio Highs、浦沢直樹
撮影:唐沢悟
出演:唐沢寿明、豊川悦司、常盤貴子、平愛梨、香川照之、石塚英彦、宇梶剛士、宮迫博之、生瀬勝久、小日向文世、佐々木蔵之介、石橋蓮司、中村嘉葎雄、黒木瞳


1999年から2006年まで週刊ビッグコミックスピリッツで連載された原作のことは全く知らず、話題作だったからという理由で内容もわからないまま、とりあえず観てみようと思って手に取った本作。観はじめてから一気にその世界に吸い込まれてしまいました。そして、観終わったとき、これぞ日本SF映画の真骨頂だと実感しました。

劇中に登場する大阪万博やアポロ11号の人類初の月面着陸、少年サンデーや平凡パンチ、ボブ・ディランやグループサウンズなどなど。主人公ケンヂこと遠藤健児の生年は1959年8月20日と設定されています。アラフォー世代ならぬ50代、まさに、アラフィー、アラフィフ世代の少年時代のクロニクルに刻まれたレガシーたちのオンパレードです。

「ALWAYS 三丁目の夕日」(西岸良平原作/山崎貴監督)が1958年の東京の下町を舞台にし、この時代に生まれた少年少女たちの1969年から始まる物語。「ALWAYS 三丁目の夕日」では東京タワーがその象徴であったのに対し、本作では岡本太郎さんの太陽の塔がその役割を担って、そして時代は一気に1997年~2000年へ。

畳の居間で食卓を囲む家族、肉体労働者たちの憩いの定食屋、アナログチックな巨大なロボット。ハリウッド的SFの近未来都市映像ではない、全く日常の中から生まれ出てくる、陳腐と言ってしまえばまさにその通りの仕掛けに、「本格科学冒険映画」のキャッチフレーズが見事にはまります。これぞ日本のSFのリテラシー。今の若い人たちに本作がどう映るかはわかりませんが、私は絶賛したいと思います。

主題歌となっているT・レックス「20th Century Boy」は、1973年にリリースされたシングル。今回調べてわかったのですが、この曲はは当時の日本盤の発売元、東芝EMIのスタジオでレコーディングされたものだったんですね。ビートルズではなく、T・レックス。マーク・ボランが1967~1977年まで率いた、これぞアラフィー世代のロックを象徴するバンドです。


<浦沢直樹>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%A6%E6%B2%A2%E7%9B%B4%E6%A8%B9


<堤幸彦>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%A4%E5%B9%B8%E5%BD%A6


<T・レックス>「20th Century Boy」
http://ja.wikipedia.org/wiki/T%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9

<20世紀少年 - Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/20%E4%B8%96%E7%B4%80%E5%B0%91%E5%B9%B4

<「20世紀少年」キャスト・スタッフ/Yahoo映画>
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tyca/id327991/

<ビートルズが後継者と賞賛したグラム・ロックの旗手「T.REX」とマーク・ボラン>
http://blogs.yahoo.co.jp/asongotoh/49393648.html


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