脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

予定調和を覆す醍醐味、それがサッカー

2007年10月03日 | 脚で語るJリーグ


 ベストメンバーたる定義は一体どういうことかについて、今回の世間を賑わせた犬飼発言は、我々サッカーファンに考えさせてくれる機会をくれたと思う。エルゴラッソにおけるピッコリ度(前の試合との選手入れ替え度数)ではないけれども、ナビスコ杯でも消化試合などでは、今季特に名古屋を筆頭に見られた光景だ。

 「ベストメンバーでない=試合もしくは勝負を捨てた」という図式はいつから皆の頭にこびりつくようになったのだろう。もし、その選手采配を行ったゲームでこれまでを上回る結果が出れば、それはそれで結果オーライである。それがその時点でベストメンバーになるのではなかろうか。

 だいたい、サッカーほど予定調和と縁遠いスポーツは無いと自身では思っている。ピッチでは何が起こるか分からない。そこから感動が生まれるのであり、時に悔しさも生まれる。いきなり雨が降れば、大雨や落雷で中止になることもある。初出場の選手がピッチ登場わずか1分ほどで値千金の活躍をすることもある。それが醍醐味ではないだろうか。

 サッカーのセオリーとして、調子がいい時はメンバーを変えるなという鉄則をしばしば耳にすることがあるが、ここで勇気を持ってぶち壊すことも必要な時はあるだろう。結果が出ない時は確かになおさらであるが、結果が出ないのに執拗なこだわりでメンバーを固定する監督も中にはいる。誰とは言わないが・・・

 そういったことも考えれば、今回の川崎の方針は世界を舞台にした勝負にこだわったメンバー入れ替えであり、あくまでACLを戦う選手を考慮したものであるのは明白だが、あの柏戦で逆のスコア、つまり川崎が4-0で勝利していれば、今回の犬飼発言騒動は一体どうなったのだろうと考えればこれまた面白い。

 犬飼氏をはじめとするトップの人間は、アジアにおけるJリーグの地位や協会のプライド、世界においての日本サッカーのスタンスにやけに視野が狭義的になっているとしか思えない。少なくともあなた方がベストメンバーだろうか。

 川崎華族の横断幕の想いが届けばいいが、まずはもう一度原点に帰って彼らトップの人間たちがサッカーの醍醐味を再確認しなければいけない。


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