脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

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4年ぶりのカップウィナーへ、まずは1勝 -NC QF G大阪vs磐田-

2011年10月05日 | 脚で語るガンバ大阪
 ACL出場組が揃って準々決勝を戦ったナビスコ杯。万博では磐田を迎えてG大阪が挑戦。試合は佐々木、ラフィーニャの得点などでG大阪が快勝。9日(日)に行われる準決勝に駒を進めた。今日の結果、準決勝では浦和と対戦することが決まった。

 

 雨の中の試合となったナビスコ杯準々決勝。この試合には日本代表、韓国代表とそれぞれの招集で遠藤、イ・グノが欠場。前線には平井が久々の先発出場となった。骨折で戦線離脱の加地の代役には高木が右サイドバックを務め、また、驚いたことに試合前のアップ中に明神が負傷して急遽橋本が先発に名を連ねるという異常事態。「飛車角抜き」とはまさにこのことで、暗雲立ち込める試合前となった。
 対する磐田は、代表招集の駒野以外はほぼ現状のベストメンバーという布陣。いつの間にか負傷していた金園もベンチに控えてきた。

 
 加地の代役を務めたのは高木。
 やはり推進力という点では厳しいか。

 
 磐田は昨季のカップ王者。
 今季も万博ではG大阪相手にドロー。

 試合は、昨季のカップウィナー・磐田の前に「飛車角抜き」のG大阪が前半から苦戦する。遠藤、明神の不在が響き、中盤でボールをしっかり捌ける、溜めが効く選手がいない。復帰2戦目の橋本もまだ本調子という訳にはいかず、突然の先発出場になかなか浮き足立っていた印象だ。すると、隙を突かれたG大阪は、7分にCKからの展開から小林のクロスを那須にヘッドであっさりと決められてしまった。

 
 急遽先発出場を果たした橋本。
 序盤こそ苦戦していた様子も、結果的には無難にフル出場。

 
 イ・グノの代役として先発を果たした平井。
 しかし、59分にアフォンソと交代。

 3日前の浦和戦を思い起こせば、攻撃は著しい迫力不足。いつもならばラフィーニャを追い越してイ・グノがフォローに来る場面がよく見られるが、この試合ではラフィーニャもかなりボールを受けるまでに苦労していたようで、ボールを持ってもなかなか出しどころがない。武井がミドルを狙うなどするが、シュート自体が思うように打てない。それどころか先制されてから如実に磐田に押し込まれ、山崎を中心にサイドをえぐられる。攻撃面での停滞感が守備面に負担をきたす前半だった。それでも38分に、好調の二川が強烈なミドルシュートをエリア手前左手から打っていく。徐々にエリア手前でミドルシュートを狙えるようになっていたG大阪は、43分に佐々木が狙い澄ましたシュートをゴール左隅に決めてなんとか前半のうちに同点に追いついた。

 
 磐田の先制点を決めたのは那須。
 今季はG大阪相手に2得点。

 
 二川はこの試合でも輝きを放つ。
 ミドルはもちろんのこと、後半アフォンソへ見せたパスは圧巻。

 
 下平はFKを蹴りにいくなど積極性が目立った。

 それでも時折ベンチを見ると、指揮官は納得いかない様子で、被っているキャップを叩きつけたりする仕草も。なんとか前半のうちに試合を振り出しに戻したとはいえ、この攻撃面での停滞感を危惧したのか、59分に平井を諦めてアフォンソを投入する。すると、この采配が見事に当たった。
 アフォンソが入ってから前線で出しどころに困っていたラフィーニャが水を得た魚の如く調子を上げる。共にブラジルコンビで息の合ったプレーで磐田陣内を崩しにかかると、67分にはそのアフォンソからの見事なスルーパスが通って、ラフィーニャが逆転弾となるシュートを決めた。

 
 閉塞感を打ち破ったジョーカーはアフォンソ。
 常に飛び出しとラフィーニャを意識して勝利に貢献。

 
 67分に逆転ゴールを決めたラフィーニャがアフォンソとダンス。
 このコンビ、残り試合の切り札となるだろう。

 
 磐田のGK川口はベテランの風格。落ち着いている。

 明らかに磐田の運動量とマークの甘さが目立ってきた後半。76分には相手のオウンゴールもあって3点目を奪う理想の展開。前半の戦いとは打って変わっていつもG大阪の攻撃力が息を吹き返していた。磐田も金園を投入するなどシフトチェンジを試みたが失敗に終わる。

 
 76分、オウンゴールの場面で仲間に祝福される中澤。
 しかし、「俺じゃない!」と叫んでいたとか(笑)。

 
 中澤の熱さはチームに伝播する。頼もしい男。

 
 G大阪は佐々木(左)の活躍が目立った。

 結果、終わってみれば3-1の勝利でG大阪が準決勝進出決定。終盤には今季出場機会が無かった星原をピッチに送り込む余裕すら見せた。遠藤、イ・グノ、加地、明神までもが不在ながら、前半の軌道修正できたことは大きな収穫ではないだろうか。是非ともシーズンの残り試合でアフォンソ‐ラフィーニャのユニットをここぞという時に使って欲しいと思わせてくれる流れの引き寄せ方だった。この日は平日、雨という条件も重なり、入場者は4,112名と少なかったのは残念だが、これで週末は先日の再戦、敵地・埼玉スタジアムでの浦和戦という準決勝カードが決定。アウェイ席だけでこれぐらいの人数が駆けつけ、決勝進出へ向けた大きな声援を見せてくれるような熱戦を期待する。

 
 4年ぶりのカップウィナーへあと2戦。
 浦和とのセミファイナルは盛り上がりそう。


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