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出たよ、16日のJリーグ実行委員会で今季も再度確認されたベストメンバー規約。昨年、開幕直後に柏がナビスコ杯にて先発メンバーを総入替したり、川崎がACL直後のリーグ戦に主力を温存させるなどで注目された日本で最も不必要な概念である。規約付けされているJリーグ第42条を再確認すると・・・
①Jクラブは、その時点における最強のチーム(ベストメンバー)を持ってリーグ戦に臨まなければならない。
②リーグ戦の試合における先発メンバー11人は、当該試合直前のリーグ戦5試合の内、1試合以上先発メンバーとして出場した選手を6人以上含まなければならない。
この何とも興行的に傾斜したアホらしい概念は上記のようにJリーグ規約第42条にてきっちり明文化されている。そして、この基準を違反することになれば・・・
①最高2000万円の制裁金
②リーグ戦での違反に対し、当該1件につき勝ち点マイナス3ポイント
③カップ戦での違反に対し、翌年度のリーグカップ参加権剥奪
といった非常に重い制裁が科せられる訳であり、Jリーグを戦う上での知っておかねばならない「ルール」となっているのだ。
この規約、本当に必要だろうか。一番最初に論争が巻き起こった00年シーズン(この年に当時J1の福岡がナビスコカップ湘南(J2)においてメンバーを大幅に変えて臨んだことが発端)から、筆者はこの規約に首を傾げるしかなかった。そして、冒頭でも述べた柏をと川崎の一件も然り。この時、柏は開幕後まだ4試合しか消化していなかったために基準に満たないと分かった上で、メンバー入れ替えに踏み切っている。もちろんJリーグ側からの事情聴取は無かった。
ところが、これがACLの中東遠征をリーグ戦と並行して戦っていた川崎が同じようにメンバー入れ替えを行えば、基準を満たしていたとはいえ武田社長が事情聴取を食らうという事態になったのである。
さて、このルールを皆さんはどうお考えだろうか。筆者は個人的にはこんなことを何年もやっているようでは日本サッカーの発展は無いとも思っている。昨シーズンが如実にそれを物語っているだろう。
昨年、浦和はACLに執念を燃やし、見事にアジアを制覇した。しかし最終局面で優勝を逃したリーグ戦、格下の愛媛FCに惨敗を喫した天皇杯と国内では無冠に終わっているのが現実である。それら国内タイトルを軽視していたとは思わない。ところが、ACLとの並行した戦いの疲れが浦和には顕著だった。勝てなかったことで結果的にこれ以上ない鹿島の覇権をアシストした格好となってしまった。それはそうだろう。メンバーはずっと主力がほぼ固定だった。息をつく暇がないほどタイトルが目の前にぶら下がった状況を過ごした訳である。出場機会に恵まれない若手の控え選手が気になったぐらいだ。それほどの連戦を彼らは強いられていた訳である。これがシーズン序盤からターンオーバー制とまではいかずもスムーズにメンバーが入れ替えできていれば、タイトル総ナメも夢では無かったかもしれない。
かつてのJリーグとは違い、現在はA3にナビスコ杯にACLに年間34試合のリーグ戦と上位クラブにとっては見過ごせない過密日程。おまけに今季G大阪などは、昨季のナビスコ杯王者ということで、ACLとは別に2月から新設されたハワイでのパンパシフィックチャンピオンシップ、そして7月には南米コパ・スダメリカーナ覇者アルセナルFCとのタイトルマッチとJリーグ側が取り入れた新設の公式戦を消化しなければならない。浦和もACLをディフェンディングチャンピオンとして決勝トーナメントから出てくるとは言え、ナビスコ杯は予選からしっかり戦うことになる。
忘れてはならないのが今年は2010年に向けたW杯予選が大詰めを迎える年。代表組のこなさなければならない試合数を考えるとゾッとするものだ。本当にケガも心配だし、コンディションも年間通してキープは難しいだろう。選手層に恵まれているACL参戦組はメンバーのやり繰りが非常に困難なのは目に見えている。鹿島などこのストーブリーグの穏やかさを見ると、本当に大丈夫なのかと心配してしまうほど目立った動きをしていない。現状で回せるほど甘くはない。それは前述した昨季の浦和を見れば明らかである。
どう考えても足かせとなり得るベストメンバー規約。そもそも「最強メンバー」とは決められてしまえるものなのかと強く感じる。上記前述の①の曖昧さは否めないし、これは現場で指揮する監督がその時その時の選手のコンディションを見極めて判断するものではないだろうか。これを明文化してしまうのは甚だおかしい。おまけにファンがその判断に対して不満があるのならば、Jリーグから物言いが付く前にファンがその声を上げるだろう。運営するJリーグが少しでも興行的に潤うようにしか考えられていないこの規約の矛盾は限界に達しているのだ。
無理やり各クラブ首脳陣の首を縦に振らせた感の強いJリーグ実行委員会。ベストメンバー規約の是非は今季の日程が消化されるごとに、その矛盾を露呈していくだろう。各クラブの現場レベルの判断で、上手く選手がケガをしない回し方で今季を戦ってくれることを願うばかりだ。
出たよ、16日のJリーグ実行委員会で今季も再度確認されたベストメンバー規約。昨年、開幕直後に柏がナビスコ杯にて先発メンバーを総入替したり、川崎がACL直後のリーグ戦に主力を温存させるなどで注目された日本で最も不必要な概念である。規約付けされているJリーグ第42条を再確認すると・・・
①Jクラブは、その時点における最強のチーム(ベストメンバー)を持ってリーグ戦に臨まなければならない。
②リーグ戦の試合における先発メンバー11人は、当該試合直前のリーグ戦5試合の内、1試合以上先発メンバーとして出場した選手を6人以上含まなければならない。
この何とも興行的に傾斜したアホらしい概念は上記のようにJリーグ規約第42条にてきっちり明文化されている。そして、この基準を違反することになれば・・・
①最高2000万円の制裁金
②リーグ戦での違反に対し、当該1件につき勝ち点マイナス3ポイント
③カップ戦での違反に対し、翌年度のリーグカップ参加権剥奪
といった非常に重い制裁が科せられる訳であり、Jリーグを戦う上での知っておかねばならない「ルール」となっているのだ。
この規約、本当に必要だろうか。一番最初に論争が巻き起こった00年シーズン(この年に当時J1の福岡がナビスコカップ湘南(J2)においてメンバーを大幅に変えて臨んだことが発端)から、筆者はこの規約に首を傾げるしかなかった。そして、冒頭でも述べた柏をと川崎の一件も然り。この時、柏は開幕後まだ4試合しか消化していなかったために基準に満たないと分かった上で、メンバー入れ替えに踏み切っている。もちろんJリーグ側からの事情聴取は無かった。
ところが、これがACLの中東遠征をリーグ戦と並行して戦っていた川崎が同じようにメンバー入れ替えを行えば、基準を満たしていたとはいえ武田社長が事情聴取を食らうという事態になったのである。
さて、このルールを皆さんはどうお考えだろうか。筆者は個人的にはこんなことを何年もやっているようでは日本サッカーの発展は無いとも思っている。昨シーズンが如実にそれを物語っているだろう。
昨年、浦和はACLに執念を燃やし、見事にアジアを制覇した。しかし最終局面で優勝を逃したリーグ戦、格下の愛媛FCに惨敗を喫した天皇杯と国内では無冠に終わっているのが現実である。それら国内タイトルを軽視していたとは思わない。ところが、ACLとの並行した戦いの疲れが浦和には顕著だった。勝てなかったことで結果的にこれ以上ない鹿島の覇権をアシストした格好となってしまった。それはそうだろう。メンバーはずっと主力がほぼ固定だった。息をつく暇がないほどタイトルが目の前にぶら下がった状況を過ごした訳である。出場機会に恵まれない若手の控え選手が気になったぐらいだ。それほどの連戦を彼らは強いられていた訳である。これがシーズン序盤からターンオーバー制とまではいかずもスムーズにメンバーが入れ替えできていれば、タイトル総ナメも夢では無かったかもしれない。
かつてのJリーグとは違い、現在はA3にナビスコ杯にACLに年間34試合のリーグ戦と上位クラブにとっては見過ごせない過密日程。おまけに今季G大阪などは、昨季のナビスコ杯王者ということで、ACLとは別に2月から新設されたハワイでのパンパシフィックチャンピオンシップ、そして7月には南米コパ・スダメリカーナ覇者アルセナルFCとのタイトルマッチとJリーグ側が取り入れた新設の公式戦を消化しなければならない。浦和もACLをディフェンディングチャンピオンとして決勝トーナメントから出てくるとは言え、ナビスコ杯は予選からしっかり戦うことになる。
忘れてはならないのが今年は2010年に向けたW杯予選が大詰めを迎える年。代表組のこなさなければならない試合数を考えるとゾッとするものだ。本当にケガも心配だし、コンディションも年間通してキープは難しいだろう。選手層に恵まれているACL参戦組はメンバーのやり繰りが非常に困難なのは目に見えている。鹿島などこのストーブリーグの穏やかさを見ると、本当に大丈夫なのかと心配してしまうほど目立った動きをしていない。現状で回せるほど甘くはない。それは前述した昨季の浦和を見れば明らかである。
どう考えても足かせとなり得るベストメンバー規約。そもそも「最強メンバー」とは決められてしまえるものなのかと強く感じる。上記前述の①の曖昧さは否めないし、これは現場で指揮する監督がその時その時の選手のコンディションを見極めて判断するものではないだろうか。これを明文化してしまうのは甚だおかしい。おまけにファンがその判断に対して不満があるのならば、Jリーグから物言いが付く前にファンがその声を上げるだろう。運営するJリーグが少しでも興行的に潤うようにしか考えられていないこの規約の矛盾は限界に達しているのだ。
無理やり各クラブ首脳陣の首を縦に振らせた感の強いJリーグ実行委員会。ベストメンバー規約の是非は今季の日程が消化されるごとに、その矛盾を露呈していくだろう。各クラブの現場レベルの判断で、上手く選手がケガをしない回し方で今季を戦ってくれることを願うばかりだ。
コメントありがとうございます。
悲劇が起きてから本当に目が覚めるんでしょうね。
毎年こればかりをクラブに強く押しつけるJリーグにはうんざりです。
また今年も各クラブギリギリのところで回していくでしょうが。