「スルガ銀行チャンピオンシップ2008OSAKA」という大会名で、G大阪がアルゼンチンのプリメーラ・デビィシオンのアルセナルFCと戦うタイトルマッチの概要が決まった。G大阪は昨年のナビスコカップ王者、そして対するアルセナルFCはコパ・ニッサン・スダメリカーナ王者ということである。この話が出た時にスポンサーの関係上、会場は日産スタジアムかなと個人的には思ったが、大阪という発表の後、まさか万博は無いだろうとは思っていたが、やはり長居スタジアムに落ち着いた。
長居スタジアムを本拠地とするC大阪からは決して聞き心地の良くないトピックスだろうと思うが、主催はCONMEBOL(南米サッカー連盟)と日本サッカー協会、そしてJリーグ。主管は大阪府サッカー協会ということで、天皇杯の会場として長居を使う感覚と何ら個人的には変わりないかなと思っている。確かにC大阪側からすれば、自分たちの本拠地でライバルでもある同じ大阪のクラブが“タイトル”を懸けた一発勝負をする訳で、ここでタイトルを獲られたらと考えれば、決して気分は良くないだろう。しかし、残念ながらこのゲームがアルセナルFCの知名度の低さにも助けられて、大した観客動員を見込めないのは目に見えている。明らかに長居という器がオーバーキャパだという実情が何とも泣ける。
アルセナルFCは、2007年のコパ・ニッサン・スダメリカーナに優勝したが、アルゼンチンの中でも決して人気クラブとは言えない。コパ・ニッサン・スダメリカーナが初めて開催された2002年から辿っても、昨年クラブワールドカップでも来日していたボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)とCFパチューカ(メキシコ)がそれまで３年間の覇者。初年度はブエノスアイレスを代表するサン・ロレンソが、そしてその翌年は現在日本人プレイヤーの澤昌克が注目を浴びているペルーの強豪シエンシアーノだ。突出してアルセナルFCの知名度は低い。もちろんこれが彼らの初タイトルとなった。
おそらく、このアルセナルのトピックスとしては、かつてアルゼンチン代表でもプレーしたホルヘ・ブルチャガのキャリアスタートのクラブといったところか。そうあのアルゼンチン代表の７番といえば彼だ。86年と90年のワールドカップに出場。印象的なのは、86年大会の決勝西ドイツ戦での決勝ゴールだ。アルセナルでキャリアをスタートしたブルチャガは、同じアルゼンチンはアベジャネダを本拠地とする国内屈指の名門インデペンディエンテでもプレー。84年コパ・リベルタドーレス杯では大会得点王にも輝いている。ワールドカップでの活躍もあり、フランスのナントにそのプレーの場を移すが、70年代にフランスリーグで栄華を極めたかつての名門クラブではタイトルと縁が無かった。同じくフランスリーグのヴァランシエンヌ在籍時には八百長疑惑でまるまる２年間も出場停止を食らったこともあり、欧州より国内の方がその知名度は高い。現在は、自身の黄金時代のハイライトとなったインデペンディエンテで指揮を執るブルチャガだが、その彼が監督業をスタートさせたのもこのアルセナルFCであった。
ここでも書いたように同じアベジャネダという都市に、インデペンディエンテとラシン・クラブという２つの人気クラブがあるがゆえ、国内でもこのアルセナルの人気は影に隠れ、ピリッとしない。ホームスタジアムのエスタディオ・グロンドーナもわずか16,300人ほどの収容力しか持っていない。それだけにクラブとして今回初のアジアのクラブとの対外試合に意気込んでくれていることを願うばかりである。ユニフォームは水色に赤いタスキをかけたようなデザインなのだが、個人的には南米テイスト溢れるこの決してメジャーでないクラブとの対戦は楽しみにしている。
日本のスポンサー利権の絡みや、観客動員などの問題もあるが、是非こういったクラブとはそのクラブの本拠地までお邪魔してタイトルマッチをさせてもらっても面白いとは思うのだが。おそらく遙かに観衆は集まるし、同じアベジャネダのエル・シリンドロ(ラシン・クラブの本拠地で、ペロン大統領に由縁の名前は有名。64,000人収容)あたりでラシンファンも巻き込んで試合を見せる。完全アウェイで本場の南米の雰囲気を味わえるのも絶対に貴重な体験となろう。そういう意味では、今年から４年連続でこのタイトルマッチの日本での開催が決まってしまったようなのだが、日本も巧くCONMEBOLを巻き込んでの小遣い稼ぎが上手いなと感じてしまうのである。
なぜに「スルガ銀行」がプレゼンティングスポンサーなのかはっきり分からないが、そういう意味では、日本でやることに関してはどうもイモ臭さが否めないタイトルマッチになってしまった。日本主導の一方的なタイトルマッチ構想に、日本との経済格差が顕著なアルセナルのHinchasたちのことを考えるとかわいそうな気もする。
どうしたらなれますか？
コメントありがとう。
まぁその違和感を勝つ雰囲気に変えられたら勝てるよね。
＞yuuさん
コメントありがとうございます。
是非、ashitotuno@mail.goo.ne.jpまでメールをください。
折り返しご連絡いたします。
コメントありがとうございます。
今回の長居使用にはいろいろありまして・・・
簡単に言えば「万博」は世界のチームを招いてタイトルマッチをするには施設的に全然ダメということです。
確かにこの試合の魅力はかなり薄れていますし、仰るようにチケットも売れ残りが多く、大阪府サッカー協会が必死こいて営業しまくってますね。
これだけの特集を組んだエルゴラが昨日万博で配布されたぐらいですし。
よくスルガ銀行も飛び付いてくれたと思います。お金の力は素晴らしいですね。関西在住でスルガ銀行にお世話になっている一般市民の方を是非教えてほしいものですｗ
ただ、最も重要なのは観客動員で、ここで5,000人とか切るようじゃ何を偉そうにチャンピオンシップと名乗っているのか分からない。
ということで、もし良ければ相手のアルセナルでも観に来て南米サッカーをお楽しみください。
昨日の大分戦のダメダメな敗戦もあって、こちらとしても若干自棄気味ですｗ
んな訳でアルセナルには申し訳ない気持ちで一杯です・・・
ＭＦ遠藤保仁選手とＦＷ播戸竜二選手が退院したそうですがこの試合には出ないんでしょうね?彼らが出てくれるんなら行く気も湧きますが、バレーもやめるし正直今のガンバで他に目当ての選手がいません。そもそもこの二人の入院もはたして本当に病気だったのか?オーバーエイジ枠での五輪召集逃れではなんて思ってる人は私の他にもいると思います。ヴィッセルの大久保はまさにそうだし、野球でも阪神の新井が連続試合出場をあきらめてまで欠場したり、楽天の田中マークンもシーズン中の登録抹消は初という不可思議な事が続いています。本人の意思はともかくチームの側としては行かせたくないというのが本音でしょうね。これまでもバレーボールでは結構ありましたが、代表の権威が落ちて今後あらゆる競技で選出拒否が続出してしまうのは悲しいですね。
私を含めてアルセナルをプレミアリーグのアーセナルと勘違いしてる人も多いと思います。こちらの詳細なプログを見たら行く気無くす人多そうですね。多分松下やその関連会社、大阪府やその外郭団体等に動員かけてなんとか客席埋めそうですがはたしてどれくらい埋まるんでしょうね?例え試合には勝ってもおっしゃるように5,000人切ってはずかしい思いするんじゃないかとひやひやしています。今ではすっかり有名になってしまった世界陸上も客の入りは悪かったんでしょ。やっぱり真夏の屋外はきびしいもんがありますね。よっぽどの熱意がないとなかなか現場までは足が向きません。どうせなら大阪ドームでやってくれたらいいのに...
コメントありがとうございます。
万博はが大してキレイでないのは、他府県のスタジアムに足を運べばすぐ分かってもらえると思います。
老朽化著しく、おまけにタイトルマッチには不可欠なメインスタンドの表彰スペース、貴賓席といった設備も無いので、ACLのホーム開催にあたって、準決勝以降はAFCからかなり文句が付いてるところです。
遠藤と播戸に関しては出場は無理ですね。
遠藤が16日の大宮戦に照準を合わせて調整中です。
まあ、チームの本音を言えば、そりゃ北京五輪で主力を取られれば、重複しているJリーグを戦うのに支障は出ますし、行かしたくないのは本音でしょう。
この入院が五輪代表招集逃れであるならば、大した芝居です。
事実関係を突き止めることができたら、大問題ですし、もし、そんなことが日本に暗黙の了解のうちに当然のこととして浸透しているならば、誰かがそれを曝いて問題提起しなければいけませんね。これは興味深いです。
サポーター心理からすれば、嘘だと信じたいですが。
アルセナルをアーセナルと勘違いされている方が多いならば、それはそれで残念なことですが、それだけプレミアのアーセナルを知っている方が多いということも興味深いです。
あと、仰られているように熱烈なサポーター以外でこの試合に足を運ばれる方の動機付けも興味深いですね。
水曜にクラブ間の国際タイトルマッチで場所が“大阪”というのは前代未聞ですから。
「代表に行ってる間にイエローカードも全て消化されるのでわざともらいました！！p(^^)」なんて書いてるアフォな選手もいますがこれが本音、これが作戦戦略ってもんでしょう。私は正直でいいと思います。まあ書いたところが少し悪すぎたかな?でももしこれがワールドカップの1次リーグで中村俊輔や中田英寿が同じことを言っていたらこんなに叩かれたのだろうか?1次リーグで初戦から立て続けに3勝してもう決勝進出が確定してる時に今回と同じように作戦として(もちろん相手に怪我をさせたりするような悪質ではない)イエローをもらったとしたらどうだろうか?私は今回とは違ってさすが賢い作戦だと賞賛されると思いますけどね。
コメントありがとうございます。
神戸の一件は日本協会も対応の拙さがありましたね。確かに頑なに拒否の姿勢を示した神戸の対応は当然だったかもしれません。
欧州を見てもバルサをはじめ、持って行かれるのが嫌なチームは嫌だとはっきり言ってますから。はっきり示す姿勢は大事だと思います。
G大阪の件に関しては、播戸は本人が入院している画像をブログでアップしてますし、遠藤の件はメディア上の情報だけで判断するしかないので、何とも言えませんが。
もし五輪出場を熱望していた遠藤に病気という理由で、クラブがしばらくの潜伏を命じたのなら大したもんですよｗ
その粘りでバレーと水本も口説いて欲しかったもんです。
新スタジアムの懸案もそのゴリ押し説得で順調に進むかもしれませんｗ
てかじゃあ試合で使ってくれよ・・・というような最近のG大阪の状況ですが・・・
ただ、今回の西川の件はバレーさんの問題提起は的を得ていると思います。
大分の方からすればチーム的にも“してやったり”ですが、Jリーグから大目玉。でも確かに日本代表であれば、作戦戦略として評価されるかもしれません。
ここはどう捉えていくべきか。“戦略”の一つでもありますし、片や絶好の批評対象にもなりますからね。この判断は微妙です。
個人的には今回の西川の件も怒られすぎかなとは思います。大分の社長が減給されてますから。
ただ、ピッチではもっとひどい罵りの言葉が横行していたりするわけで、時折サッカーの世界では論理的にねじ曲がったことも起きますよね。
まあ西川がブログで“ポロリ”したのはいただけませんがｗ
黙っておけば良かったものを・・・