脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

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びわこ大、関西大に完封勝利 -関西大 VS びわこ大-

2011年04月29日 | 脚で語る大学サッカー
 GWに入り、関西学生リーグはこのGW最初の週に3日間で2試合が予定されている。第4節(4/29)と中1日で行われる第5節(5/1)。ここは前期序盤の勝負どころとなりそうだ。高槻市立スポーツセンター陸上競技場では、開幕3連勝の関西大が2勝1敗のびわこ大を迎えて対戦。試合は関西大ペースを堅守でかわし、持ち前の攻撃力を活かしたカウンターを成功させたびわこ大が2-0で快勝した。

 

 先週末の関学大との関関戦を撃ち合いの末に3-2で乗り切った関西大。ここに来て先発メンバーからは寺岡、櫻内の2人が外れる。櫻内は先週の試合での負傷が原因のようだが、寺岡を外したのは1、2年生選手起用のためか。実際、この日の先発メンバーには右サイドバックに内田(1年)、センターバックには藤原(2年)の2人が起用され、前線を1トップで担ったのはこれまた1年の原口であった。

 
 内田、和田、原口と1年生が3人先発に名を連ねた関西大。

 対するびわこ大は、高校選手権で立正大淞南高ベスト4進出の原動力になったMF加藤、DF中村の1年生2人が先発。2節の近畿大戦で敗戦を喫したものの、ここまで3試合9得点と攻撃陣は絶好調だ。特に主将の湯田(4年)をはじめ浅津(4年)、松田(2年)という3人の攻撃ユニットが強力であることは、この3人全員がスコアラーに名を連ねた前節・大産大戦(4-1で勝利)からも明らか。一気に関西大に黒星をつけたいところだ。

 
 立正大淞南高出身の選手を多く揃えるびわこ大。

 試合は、関西大のペースで序盤から進んだ。岡崎(3年)、田中(3年)の中盤のコンダクター2人を中心にボールを回し続ける。原口こそ石橋(4年)を中心としたびわこ大守備陣の強力なマークの前になかなか前を向けないが、和田(1年)の巧みな散らしも効いていた前半、サイド攻撃はチャンスを生み出した。20分、この日初先発の内田が右サイドを駆け上がると、正確なクロスを中央へ送る。これに前節劇的な逆転弾を叩き込んだ海田(2年)が直接合わせてシュートするがわずかにゴールに及ばない。

 
 初先発の1年生サイドバック・内田。
 堂々としたプレーで決定機を演出。

 
 前節、気合いのシュートを決めた田中が攻守に汗をかく。

 
 寺岡に代わり、最終ラインに入った藤原(2年)。

 びわこ大は集中した守備でまずは関西大の攻撃をしのぎ続ける。特に競り合いの強さを見せていた但馬(4年)、石橋のセンターコンビを軸に押し込まれるのは計算済みか、焦らずに自分たちにリズムが傾くチャンスを待っていた。すると、前半途中から関西大のミスを突いて攻撃にスイッチする場面が多く見られるようになってきた。38分には浅津が抜け出してシュートまで持ち込む。これは関西大DF小椋(2年)のブロックに遭い、得点こそならなかったが、徐々にカウンター攻撃からびわこ大もボールを持つ時間を増やしていった。

 
 G大阪ユース出身で多数の後輩を前に負けられない。
 びわこ大・DF二戸(4年)が気迫のプレー。

 
 竹内(3年)がボールを奪う。
 びわこ大が少しずつボールを持つ時間を増やしてくる。

 0-0で折り返した後半、先に仕掛けたのはびわこ大だった。FW松田が抜け出してGKと1対1の場面を作ったが、シュートはわずかに枠を捉えられない。ほぼ1点という状況だったが、今思えばここで試合はびわこ大に流れが傾いていたのだろう。57分には今度は関西大・海田の強烈なシュートをびわこ大・GK柴田(3年)がファインセーブ。決定機の応酬に得点の予感が両者から漂い出した。

 
 
 海田のシュートはびわこ大・GK柴田がセーブ。

 60分、先制したのはびわこ大だった。右サイドのエリア手前から河村(3年)がアーリークロスを送ると、これに浅津が頭で合わせてゴールに沈める。4年生エースの得点でびわこ大は活気づいた。

 
 先制点を決めて喜ぶびわこ大の選手たち。

 この先制点を献上した直後に関西大は、マークに苦しみほとんど前を向かせてもらえない原口をあきらめてドリブルで局面を打開できる片山(2年)を投入。74分には和田に代えて奥田(2年)を投入するなど攻撃のカードを増やして得点を目指す。
 ところが、75分に自陣で関西大ボールを奪ったびわこ大・湯田が浅津にボールを繋ぐと一気にカウンター一閃。エリア内で浅津からパスを受けた松田が追加点となる得点を奪った。

 
 関西大は片山を入れてねじを巻く。

 
 追加点のきっかけはこの湯田のプレーから。

 
 
 浅津からのパスを松田が決めて、試合を決定づける。

 この後も関西大の攻撃をGK柴田を中心に守り切ったびわこ大が2-0でこのまま試合を決めた。

 

 関西大は開幕3連勝でストップ。これで両者は3勝1敗となり、3勝1分でトップ2を走る立命大、桃山大を追走する形に。中2日ですぐに第5節を戦わねばならない。攻撃の軸が定まらない関西大は大産大と対戦。どれだけ上位争いに有利となる得失点差を稼げるか。また、びわこ大は不調に喘ぐ前年王者・阪南大との対戦が待っている。昨年はリーグ22試合でわずか8勝で8位に沈んでいたが、今年はここまで4試合で3勝。絶好調の攻撃陣にリードされて、昨年以上の順位は狙えそうだ。