脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

西日本社会人大会<4> 讃岐 VS アイン

2011年02月16日 | 脚で語る地域リーグ
 西日本社会人大会の2日目、S3グラウンドの最終試合は、カマタマーレ讃岐(四国1位、JFL昇格)とアイン食品(関西2位)の対戦カード。地域決勝で見事に優勝を果たし、今季からJFLへと参戦する讃岐が昨年に続きこの大会に参戦していたのだ。試合はアインが先行する展開ながら何とか讃岐が2-1と逆転勝利。J1(今季からJ2)の京都でプレーしていた西野がスタメンフル出場を果たすなど、1ヶ月後のJFL開幕へ策を練る2日間になったようだ。

 

 讃岐は前日の島根戦とメンバーを変えて試合に臨んだ。DFには松本山雅から新加入の大島が入り、中盤にはMIOびわこ草津から加入の坂井、神戸国際大から加入の荒維、徳島セカンドから加入の野口が名を連ねる。そして何よりもギャラリーの注目を一際集めたのはかつて磐田や清水などでプレーし、京都から加入したFW西野泰正だった。
 しかし、この豪華絢爛な讃岐に対してアインは先制する。18分、スピードを活かして突破した梅村がそのまま讃岐の最終ラインを突破してシュートを決める。昨年優勝した全社の5日間で無失点だった讃岐がこんなに簡単に失点してしまうのは何とも珍しい光景に見えてしまったが、これだけ新戦力がいれば当然。むしろ、きっちり連携を構築するためのチャレンジが随所に讃岐からは見えた。

 
 18分、アインがこの梅村の突破で先制点をゲット。
 序盤から良いパスワークを見せたアインが試合をリードする。

 
 相原、神崎の2人で新加入の大島をサポート。
 相原は地域決勝でも全試合出場で讃岐においては不動の存在。

 讃岐は立て直して攻勢に転じるが、アインもよく守る。讃岐に比べると経歴も派手な選手はあまりいないが、FC刈谷から新加入して間もない原賀が左サイドバックに入り、サイドライン際で当たりの強さを発揮していた。攻撃面では昨季限りで中心選手だった鈴木が退団したのは痛いが、FWの坂本を中心にそれを感じさせなかった。

 
 大体大から新加入のルーキー藤岡。
 今後アインの中心選手になりそう。

 
 讃岐・MF荒維とアイン・DF原賀が競り合う。

 
 前半で退いたが、神崎の守備は今季も健在。
 讃岐の堅守の中心。自身も初のJFLにチャレンジ。

 讃岐は再三サイドから西野をターゲットにクロスを放り込みにかかるが、なかなか実らない。しかし、42分にはその展開から野口の折り返しを坂井がシュート。相手GKが処理にもたついたところを中島が押し込んで讃岐が同点に追いついた。相手のミスを逃さないあたりはさすがというべきか。 
 後半に波夛野が神崎に代わって入り、更にロックがかかった讃岐。66分には野口が逆転となるシュートを決め試合をひっくり返した。

 
 なかなか讃岐のクロスは西野に合わない。
 まだ最初の試合、これが噛み合えば讃岐は強いはず。

 
 アインの新戦力であるGK畑。
 中央大から加入の実力派。これは更に守りに磨きがかかりそう。

 
 後半から波夛野が出場。
 間違いなくJFLの長丁場では重要な選手。

 
 讃岐の逆転弾を決めた野口とアインの新加入・河俣が競り合う。
 河俣は大阪学院大の副将を務めた選手。

 讃岐はまだまだ調整不足な感が否めず、連携面などで苦戦を強いられたが、個人の力で勝っていた。西野も得点こそ無かったが、時折声を荒げながらJでの経験を還元すべくフル出場。予定通り3日間大会が行われれば、タイトルも狙えたと思うが、新加入選手の多いチームとしてはもちろん調整試合。ほぼターンオーバーで2試合をこなした讃岐がどういう形で初年度のJFLを戦うか少し楽しみになってきた。
 一方のアインも関東からGK畑、関西から河俣、藤岡、そして刈谷から原賀と、大卒ルーキーや実力派の選手たちを堅実に補強している模様。JFLに戦いの場を移す讃岐に十分善戦していた。これはチームが完成してくれば、今季の関西リーグでも危険な存在になってきそうだ。

 
 
 西野、吉澤などJ経験者を擁したカマタマーレ讃岐。
 15日には見事にJ準会員に承認。
 J入りをかけた新シーズンを迎える。