脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

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西日本社会人大会<1>山口 VS V鹿児島

2011年02月13日 | 脚で語る地域リーグ
 関西地方には珍しい規模の積雪で、まさかの1日目中止を強いられた西日本社会人サッカー大会。雪も溶けたJ-GREEN堺では12日より、当初の2日目に1日目の予定をスライドする形で大会は行われることに。始動したばかりの8クラブが開幕を見据えた準備戦を繰り広げた。

 

 当初S1グラウンドで行われる予定だった試合はS3グラウンドに場所を移して行われ、第1試合ではレノファ山口(中国1位)とヴォルカ鹿児島(九州2位)が対戦。0-0から直後に行われたPK戦の末に7-6で山口が勝利を収めた。

 

 大阪湾から吹きすさぶ冷たい風と、時折横殴りで降ってくるみぞれのような雨の中で試合は行われた。試合のペースを握ったのはV鹿児島。前半から左ウイングの山田、かつて鳥栖や松本山雅に在籍した栗山を起点にどんどんシュートを放つ。フィニッシュこそ枠を捉えられないばかりでその精度に欠いたが、シュートの意識で勝るV鹿児島が山口を圧倒する形となった。

 
 V鹿児島の新戦力・栗山は突破にシュートに躍動。

 
 山田も栗山と並んでチーム最多の4本のシュートを放った。
 一昨年の地域決勝1次ラウンド(春野)で印象に残っていた選手。

 0-0で折り返した後半、山口はシャイネン福島から新加入の小川、ジェフリザーブズから新加入の高田、そして中村の3人を一気に投入。なんとか1点を狙うべくサイドから攻撃を仕掛ける。
 V鹿児島は63分に栗山がドリブルで持ち込みながら決定的なシュートを惜しくも右に外す。ことごとく枠に収まらなかったチャンスの山。ここは決めておきたかったところ。対する山口も後半アディショナルタイムにDF伊藤が攻め上がってゴールを肉薄するシュートを放つが、わずかに右に外れて試合はスコアレスでPK戦へと突入した。

 
 山口は後半から入った中村が左サイドからチャンスを作る。

 
 ジェフ・リザーブズから加入したばかりのDF高田も後半プレー。
 時折攻め上がるなど印象を残した。

 
 スーパーサブの兒玉が残り15分から登場。
 しかし、決定的な仕事はできなかった。

 
 徳島セカンドからV鹿児島に加入のMF須貝。
 早速スタメンフル出場。

 
 後半アディショナルタイムには伊藤がこのシュート。
 山口の最後のチャンスはわずかにゴール右に外れる。

 そのPK戦は7人目まで突入。V鹿児島の7人目である松下が外してしまうと、山口は田中が決め辛くも勝利した。

 

 

 V鹿児島はクラブが法人化し、正式にJ準加盟の申請を明言するなど今後の注目を集める。かつて選手兼監督としてプレーした前田浩二氏がGM兼ヘッドコーチとしてカムバック。新戦力もこの大会までに6名が発表され、JFLへの挑戦に並々ならぬ意欲で新シーズンをスタートした模様だ。
 対する山口も昨季は地域決勝で悔しい1次ラウンド敗退。中国リーグでは島根や松江の台頭、岡山ネクストの存在など、決して独壇場という訳でもなさそう。今年は地元で国体も控えることもあって、チーム共々勢いに乗りたいところだろう。この試合ではまだ連携面がチグハグだったが、もちろん中国リーグの優勝候補には変わりない。