脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

その男、ルーカスにつき -G大阪VS広島-

2010年11月15日 | 脚で語るガンバ大阪
 J1も残すところ5試合。初優勝へ向かって独走する首位・名古屋とそれを追走する2位・鹿島、3位・G大阪までわずかに優勝の望みは残っている。30節の今節は下位陣では、最下位・湘南と17位・京都が共に敗れて来季のJ2降格が確定。まだ優勝にわずかな望みを残すG大阪はホーム万博で広島を迎えた。

 

 夏以降あまり負けの込んでいない好調な両チーム。直近10試合ではG大阪が6勝1分3敗、広島は5勝4分1敗。特に広島は11月3日のナビスコ杯決勝では磐田にこそ敗れたものの、得点を量産する李を中心にかなり好調。残り5試合負けられないG大阪にとっては厳しい試合となった。

 開始序盤こそ広島に押し込まれるが、10分に相手のミスパスを受けたイグノがそのままゴールへシュート。これが決まって幸先良くG大阪が先制する。しかし、その後は攻めきれず、むしろ広島の好機をことごとくGK藤ヶ谷の好守で切り抜ける危うい展開が続いた。

 
 
 10分にイグノが先制点を挙げる。
 相手のミスをきっちり逃さなかった。

 
 久々の万博凱旋となった広島FW山崎。
 レンタル移籍ながら広島では主軸になっている様子。

 
 その山崎と幾度となくマッチアップした中澤。
 守備の要としてしっかり最終ラインを統率。

 凡戦の感が否めない試合は、G大阪にとっては先制点以降なかなかチャンスを掴めない。後半に入ってすぐにイグノがヘッドで広島ゴールを強襲するものの、広島の守護神・西川がそこには立ちはだかる。そして、後半の開始時からG大阪には動きの芳しくなかった宇佐美に代えて、負傷から復帰後、久々に万博へのカムバックとなったルーカスの姿があった。彼が停滞気味の凡戦に物足さを感じていた観客に大きな歓声を与えることになる。

 
 前線では思うようにボールを受けられない宇佐美。
 相手の執拗なマークにも苦しんだ印象。

 
 相手ボールになった際に最初のチェックが速かった武井。
 明神らを十分カバーする存在に。

 
 広島はパフォーマンスでお馴染みの槙野がキーマン。
 後半には何度も強烈なシュートを見せた。

 61分、左サイドからのFKを得たG大阪は、このチャンスに遠藤のキックからルーカスが見事に頭に合わせて追加点を生み出す。最近、彼に関しては来季の去就を巡る噂が飛び交ったばかり。“退団濃厚”とも伝えられる彼のゴールに万博は沸く。思わず、彼が中心となってアジアを制した08年シーズンの情景を思い出してしまった。凡戦の中で光る彼の存在感は、この得点で改めて万博の観衆に刻みつけられただろう。

 
 
 
 追加点の遠い展開にあってルーカスの一撃は光った。
 苦しい試合で決めてくれるといえば、彼だ。

 
 無失点で90分を切り抜けたのは彼の活躍によるもの。
 再三のビッグセーブでチームの勝利に貢献。

 2-0とリードした後も再三広島にチャンスを作られるが、前半から続くGK藤ヶ谷のファインセーブもあってこれを切り抜ける。その結果、2-0で広島を下したG大阪が優勝前線に何とか留まる勝利。首位・名古屋と2位・鹿島を追走し続ける残り4試合となった。

 
 前半限りで交代となった宇佐美。
 正直、もう少し見たかったところ…

 
 在籍3年目のルーカス。
 今季、彼が得点を決めた試合は無敗。
 果たして来季の去就は…!?