脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

2009年のガンバ大阪どうでしょう

2009年01月14日 | 脚で語るガンバ大阪
 昨季は、パンパシの優勝に始まり、ACL優勝、CWC3位、天皇杯優勝という成績を収めたG大阪。わずかのオフを挟んで来シーズンが始まろうとしている。選手の入れ替えが進むのオフの動向も、もうまもなく落ち着くようだが、さてさて、来季のG大阪は、クラブ史上最大の成果を得た2008年シーズンを上回る活躍を期待できるだろうか。

 やはり、ここ数年団子状態のJリーグを突っ走って制覇することが最大の目標か。アジア連覇という目標との両立ができれば、その強さは本物だろう。天皇杯で見せた粘り強さと勝利への執念を忘れて欲しくないものだ。失速しない安定した戦いぶりが要求されるだろう。

 戦力的には、ベースアップは確実。あとは西野監督の采配次第だろう。FWは、韓国・全北現代からチョ・ジェジン、神戸からレアンドロを補強。ユースから主将を務めた大塚が昇格する。播戸や山崎の定位置すら保障されない。バックアッパーの平井が異例の5年契約で期待の高さをうかがわせるが、肝心な結果が求められる1年になるだろう。
 あと、中盤の若返りが依然、懸念事項の一つだが、寺田や倉田の更なる飛躍に期待したい。来季はカンテラの至宝である宇佐美も念願のトップ昇格を果たす。彼の話題性に負けじと、ユースの先輩たちが一層奮起して欲しい。そして、引き続き日本代表との兼ね合いで、疲弊が予想される遠藤のコンディションは心配だ。特に今季は、アジアカップ予選も始まるため、遠藤不在時に強さを発揮できるチーム作りが重要になる。
 守備陣は、08年度は、安田理の不在時にうまく下平に経験を積んでもらうことができた。個人的にMVPと思っている中澤の成長も収穫の一つ。パク・ドンヒョクと高木という代表クラスの2人の加入は、CBの先発争いを激化させること必至だが、屈強な壁を築いてくれることを期待したい。引き続き、安息できない中澤の踏ん張りには個人的にも注目している。

 新戦力で特筆すべきは、軸となるFWチョ・ジェジンの加入。安定したポストプレイヤーで周囲を活かすこともでき、187cmの長身は左右のクロスからのヘディングが大きな武器になる。そして、足元のテクニックもあるので、そこそこの結果は期待できるだろう。おまけにレアンドロも同時に加入してくるため、この2人がどこまで共存して得点を量産できるか気になる。その前に監督の采配自体が気になるところだが。
 宇佐美は、周囲の雑音を気にせず、マイペースでやってもらいたい。指摘されているように、確かに運動量やフィジカルは、改善の余地があるし、まだ若いので、じっくりプロで戦える体作りの1年にしてもらいたいものだ。

 既にチームの完成度が高く、新戦力の融合がうまくいくのか心配だが、むしろ、質の高い選手の層が厚くなったという点では大いに期待ができるだろう。ただ、09年度も恐ろしくハードな日程であるのには変わりなく、その中で二兎を追うことの難しさを昨季以上に感じそうだ。特にアジア連覇とリーグ制覇の両立はかなりの難易度を伴うミッションだ。