脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

天皇杯3回戦プレビュー ~一番熱いカードはこれだ~

2007年09月26日 | 脚で語る天皇杯


 23日の土曜日はG大阪VS磐田の観戦のため、残念ながら天皇杯の2回戦に足を運ぶことができなかった。残念ながら奈良代表の天理大はバンディオンセ神戸に2-6と完敗。確かに相手は関西リーグの王者であって、1回戦で対峙した図南SC群馬とは遙かにレベルが違ったようだ。

 しかしながら、他のゲームも含めて大学生の健闘ぶりが光っている。それぞれガイナーレ鳥取、ソニー仙台とJFL勢を倒して3回戦へと駒を進めた鹿屋体育大と明治大は特に光っている。鹿屋体育大は初戦で流通経済大を下す快進撃をそのまま継続中だ。また徳島アマチュアを下した筑波大、東邦チタニウムに勝利した順天堂大が3回戦への切符を掴んだ。特に明治大は東京都代表決定戦でもFC町田ゼルビアを下しており、この2回戦からの出場となっているが、次戦はJ2京都。強敵ではあるが、相手の油断をつければもしかしたらという展開もあり得る。現地観戦候補に挙がる興味深い対戦カードとなった。また、同じく2回戦からの出場となった前述の筑波大はJ2鳥栖とマッチアップ。ここもひょっとしたらジャイアントキリングを拝めることになるかもしれない。

 社会人リーグ勢で3回戦へと生き残ったのは石川県代表のツエーゲン金沢と兵庫県代表のバンディオンセ神戸、現在Kyuリーグでは首位に立つ宮崎県代表のホンダロック、それを追う長崎県代表のV・ファーレン長崎、そして沖縄県代表の沖縄かりゆしFCだ。金沢は水戸と3回戦で当たるが、J2でも下位に低迷する相手は決して難敵ではないはず。力試しとして遠慮なしに勝利を狙ってもらいたいものだ。ホンダロックはJ2でも現在乗りに乗るC大阪。強敵ではあるが、C大阪も足下をすくわれないゲームにしたいところ。長崎も湘南と国内でも屈指の充実した面白いサッカーを展開する相手となった。Jを狙うならば、ここで大きな波乱を巻き起こして最終節の迫ったKyuリーグの追い風にしたいところである。沖縄かりゆしは愛媛と対戦。南国のオレンジ軍団はどこまで雑草魂をみせてくれるか楽しみだ。

 しかしながら本当に楽しみなカードはJFLを首位で走る佐川急便に立ち向かうバンディオンセ神戸というこのマッチアップ。現在、全日程を終えて11月の決勝大会に向け、ここでJFLの雄と戦えるのは非常に大きな経験になるはずだ。その関西リーグ王者を相手に迎える佐川もJFL優勝を目前に控え、絶対的な強さを見せつけておきたい。このゲームに勝てば4回戦でJ1チームと対戦する権利を獲得できる。お互い目の前の目標が明確なだけに糧となる経験値をこの天皇杯で積み上げたいところだ。

 次の3回戦、このアマチュア同士の熱い戦いを筆者は佐川守山で見届けることに決めた。何か新鮮なものを自分でも得て帰れそうな期待感が溢れて止まない。