脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

揺れる想い

2007年05月30日 | 角(鹿島サポ)のコラム


 Jリーグが中断期間中の今週、注目は勿論キリンカップであるはずだが、今回も案の定アントラーズからは1人も代表選出なし…。ということでいまいちテンション上がらずというのが正直なところだ。カシマスタジアムに足繁く通っていたオシムは単純に噛ませ犬としてアントラーズを観ていたのか。
 まぁしかし、サポ目線から見ても文句なしで「代表いけるやろ!」と思える選手が今のアントラーズにはいないのも事実。確かに中後、田代、岩政あたりは期待できるが、もう少し継続性が必要。野沢に関しては怪我明けで完全復調とまではいかず。本山の奮闘ぶりは鹿島サポなら誰もが認めるところではあるが、もう少し目に見える結果がないと難しいか。そんな中、曽ヶ端あたりはもしかしたらと思っていたのだが、楢崎かよ…。

 ちなみに、オシムが、自らの選考基準である「ある程度長い期間良いプレーをしている」と思っている選手が5人もいる千葉が2勝しかしていないのは何故か。甚だ疑問である。そしてもう1つ気になったのが、今期マグノ、バレーの強力2トップにスタメンを阻まれている播戸は「ある程度長い期間良いプレーをしている選手」に当てはまるのかという点。がしかしこれに関してはオシムが言う「チームが好調なおかげで呼ばれた選手」には当てはまるのかと理解した。

 いずれにせよ愛すべきクラブから代表選手が選出されないというのは気分のいいものではないことは確かだが、ここで重要だと思うのは、間違っても「代表戦で怪我なんてされると困るからべつに選ばれなくてもいい」とか「選ばれない方がリーグ戦に有利」とか「ナビスコ準々決勝がアジアカップと被って有利になるぜ」といった趣旨の発言を口にしないことだ。確かに代表におらがチームの選手がいないと、寂しさからついついそんなことも言いたくなるが、これは格好悪い。真の強豪はそんなに狭い器ではないはずだ。実際、アントラーズは多くのタイトルでそのことを証明してきた。過去3度のナビスコカップ優勝の陰に一体どれだけ多くのサブメンバーの活躍があったことか。例え代表に主力選手を引っ張られようと、残りの選手で勝利を掴める、そんな余裕があってこそJの盟主となれるのだ。よって上記のような発言は自らクラブの価値を下げているに過ぎない。

…と自身に言い聞かせるが、現実的にはアントラーズから未選出であることに0.001%でもメリットを感じていないかと問われると嘘になる(苦笑)。0.001%どころではない。そんな複雑な心境だ。
 しかし、結局のところ今の我々は、再びJの盟主に返り咲き、「代表の1人や2人…」と言える戦力を蓄えるしかないのだ。


そして2010南アフリカ大会に多くのアントラーズファミリーを送り出そう。



R.I.P 坂井泉水