グループA
<●スイス 0-1 チェコ○>
<○ポルトガル 2-0 トルコ●>
「次は、もう少し勇気を持ってプレーしなければならない」とチェコのブリュックナー監督はこう答えた。確かにそのコメント通り、チェコのペースで試合が進んだ訳ではなく、スイスが試合の主導権を握った。しかし、主将でチームを牽引するフレイが前半で負傷退場。後半は、ハカン・ヤキンを投入してリズムを作るも、わずかのワンチャンスをチェコのスビエルコシュにやられる結果となった。80分のフォルランテンのシュートがバーに嫌われ、終了間際にはウィファルシのハンドが取られないなどスイスは終始ペースを握りながら、とことんツキに見放されたと言えるだろう。
ポルトガルは盤石の勝利。移籍騒動にまみれるC・ロナウドにも一切動揺はなく、29分に“らしさ”を見せたドリブルからのシュート、36分にはFKがゴールを強襲するなどゴールの雰囲気も漂わした。トルコは屈指のチームワークを誇るそのポルトガルの前に何もできず。61分にポルトガルは、CBペペがFW顔負けの攻め上がりからヌーノ・ゴメスとのワンツーで先制点を叩き込むと、終了間際にはモウチーニョの鮮やかなターンからラウール・メイレレスが追加点を奪い、今大会での爆発を感じさせてくれる快勝劇を演じた。
チーム完成度を見る限り、このグループAはポルトガルが他の追随を許さないだろう。対抗馬となるチェコは、ロシツキの不在で、これまでと違った守備的なチームになっている。
グループB
<●オーストリア 0-1 クロアチア○>
<○ドイツ 2-0 ポーランド●>
51,000人が詰め駆けた“完全アウェイ”エルンスト・ハッペル・シュタディオンでは、前半4分のモドリッチのPKが全てを分けた。後半のオーストリアの猛反撃を考えると、クロアチアは、巧みに“勝つゲーム”を遂行できたと言える。オーストリアの3バックに対応してスルナを試合中に前線へとシフト。決定的な2点目を奪っていればもっと展開は違っただろうが、負けたオーストリアも十分彼らの色が出ていたのではないだろうか。
優勝候補の呼び声高いドイツは、ポドルスキが左MFにコンバートされ、期待に応える2得点。やはりドイツはミスが少なく、クローゼとゴメツ、そして前述のポドルスキが左MFながら、ほぼ前線で並んでプレーしていたのが快勝劇の要因となる。ポーランドは序盤のチャンスを生かしたかった。
ドイツとクロアチアかと思えるこのグループも何かが起こる可能性はある。特にクロアチアはオーストリアに圧勝した訳ではなく、追加点を奪えなかったあたりが気になるところか。豊富な運動量を見せたFWオリッチ、両サイドMFのクラニチャル、スルナがキーマンとなってくるだろう。
グループC
<△ルーマニア 0-0 フランス△>
<○オランダ 3-0 イタリア●>
ルーマニアはフランス相手に良く粘った。ただ、それ以上にフランスの前線が迫力に欠け、アンリ不在の今、アネルカとベンゼマの両FW頼みの布陣は機能していたとは言い難い。ルーマニアは守備面での結果は顕著だったが、こちらも攻撃陣が沈黙。やはり誰が点を取るべきなのかがはっきりしていなかった。しかし、EUROも含め、これまで多くの戴冠を経験してきたフランス国民にとっては、限りなく“負け”に近い引き分け劇だったのかもしれない。とにかくフランスの迫力不足は証明された。
オランダとイタリアの対戦は非常にエキサイティングな結果をもたらすこととなった。ファン・ニステルローイの1トップの後方で攻撃を彩ったカイト、ファン・デル・ファールト、スナイデルの3人。イタリアはほぼこの3人にやられたと言っても過言ではない。31分の鮮やかなカウンターからのスナイデルのボレーシュートは鮮やかで、マッチデイ1ベストゴールだろう。イタリアは後半反撃に出たが、ミスが多く、トニが決定的なシーンを外すなどブレーキ。ピルロのFkも惜しくも決まらない。そして、ことごとく突破された守備陣は確実にカンナバロの不在をダメージとしてピッチ上の結果にもたらしたのである。
オランダが面白く、フランスが面白くない。そんな構図がはっきりと浮き出てしまった初戦となった。イタリアもこの初戦のダメージをどう挽回できるか、もはや“カテナチオ”は今大会ではアテにならなくなった。守備面を著しく重視し、デ・ロッシを出さないドナドーニ監督の消極的な采配が非常に気になった。
グループD
<○スペイン 4-1 ロシア●>
<●ギリシャ 0-2 スウェーデン○>
遂に“無敵艦隊”が航海に出たか。圧倒的な中盤の構成力と、前線の決定力がコネクトし、スペインが改めて今大会の有力な優勝候補ということを再認識できた圧勝劇。激しい雨の中ビジャがハットトリック。これまでのF・トーレス1トップという布陣を覆し、この2人の良さが 見事に融合した。後半にセスクを途中投入するなどイニエスタ、シャビ・アロンソを軸とする中盤の充実度は本物。ロシアはポゼッションではスペインを上回ったものの、攻撃に鋭さが見られず、エースFWアルシャビンの欠場が如実に現れる大敗となった。
ギリシャとスウェーデンのマッチアップも、ギリシャが試合の主導権を握っていたが、67分に、久々に国際試合の舞台でエースFWイブラヒモビッチがゴールを豪快に叩き込む。これで一気に流れがスウェーデンに傾いた試合は、わずか5分後にハンソンがゴール前で相手3人に囲まれながらも強引に押し込み、追加点。やはり眠け眼が一気に目覚めたイブラヒモビッチの1発が大きかった。ギリシャも決して悪い展開ではなかったが、攻撃陣の活性化を考えると、左MFとしてアマナティディスの投入はもう少し早くても良かったかもしれない。
勢いで完全にスペイン、スウェーデンが堅い。しかし、ギリシャも決して連覇を諦めた訳ではない。少しロシアは苦しさを露呈したが、そこを名将ヒディンクがどう建て直してくるかにも注目が集まる。
さぁ、もうまもなくマッチデイ2の幕が開く。
<●スイス 0-1 チェコ○>
<○ポルトガル 2-0 トルコ●>
「次は、もう少し勇気を持ってプレーしなければならない」とチェコのブリュックナー監督はこう答えた。確かにそのコメント通り、チェコのペースで試合が進んだ訳ではなく、スイスが試合の主導権を握った。しかし、主将でチームを牽引するフレイが前半で負傷退場。後半は、ハカン・ヤキンを投入してリズムを作るも、わずかのワンチャンスをチェコのスビエルコシュにやられる結果となった。80分のフォルランテンのシュートがバーに嫌われ、終了間際にはウィファルシのハンドが取られないなどスイスは終始ペースを握りながら、とことんツキに見放されたと言えるだろう。
ポルトガルは盤石の勝利。移籍騒動にまみれるC・ロナウドにも一切動揺はなく、29分に“らしさ”を見せたドリブルからのシュート、36分にはFKがゴールを強襲するなどゴールの雰囲気も漂わした。トルコは屈指のチームワークを誇るそのポルトガルの前に何もできず。61分にポルトガルは、CBペペがFW顔負けの攻め上がりからヌーノ・ゴメスとのワンツーで先制点を叩き込むと、終了間際にはモウチーニョの鮮やかなターンからラウール・メイレレスが追加点を奪い、今大会での爆発を感じさせてくれる快勝劇を演じた。
チーム完成度を見る限り、このグループAはポルトガルが他の追随を許さないだろう。対抗馬となるチェコは、ロシツキの不在で、これまでと違った守備的なチームになっている。
グループB
<●オーストリア 0-1 クロアチア○>
<○ドイツ 2-0 ポーランド●>
51,000人が詰め駆けた“完全アウェイ”エルンスト・ハッペル・シュタディオンでは、前半4分のモドリッチのPKが全てを分けた。後半のオーストリアの猛反撃を考えると、クロアチアは、巧みに“勝つゲーム”を遂行できたと言える。オーストリアの3バックに対応してスルナを試合中に前線へとシフト。決定的な2点目を奪っていればもっと展開は違っただろうが、負けたオーストリアも十分彼らの色が出ていたのではないだろうか。
優勝候補の呼び声高いドイツは、ポドルスキが左MFにコンバートされ、期待に応える2得点。やはりドイツはミスが少なく、クローゼとゴメツ、そして前述のポドルスキが左MFながら、ほぼ前線で並んでプレーしていたのが快勝劇の要因となる。ポーランドは序盤のチャンスを生かしたかった。
ドイツとクロアチアかと思えるこのグループも何かが起こる可能性はある。特にクロアチアはオーストリアに圧勝した訳ではなく、追加点を奪えなかったあたりが気になるところか。豊富な運動量を見せたFWオリッチ、両サイドMFのクラニチャル、スルナがキーマンとなってくるだろう。
グループC
<△ルーマニア 0-0 フランス△>
<○オランダ 3-0 イタリア●>
ルーマニアはフランス相手に良く粘った。ただ、それ以上にフランスの前線が迫力に欠け、アンリ不在の今、アネルカとベンゼマの両FW頼みの布陣は機能していたとは言い難い。ルーマニアは守備面での結果は顕著だったが、こちらも攻撃陣が沈黙。やはり誰が点を取るべきなのかがはっきりしていなかった。しかし、EUROも含め、これまで多くの戴冠を経験してきたフランス国民にとっては、限りなく“負け”に近い引き分け劇だったのかもしれない。とにかくフランスの迫力不足は証明された。
オランダとイタリアの対戦は非常にエキサイティングな結果をもたらすこととなった。ファン・ニステルローイの1トップの後方で攻撃を彩ったカイト、ファン・デル・ファールト、スナイデルの3人。イタリアはほぼこの3人にやられたと言っても過言ではない。31分の鮮やかなカウンターからのスナイデルのボレーシュートは鮮やかで、マッチデイ1ベストゴールだろう。イタリアは後半反撃に出たが、ミスが多く、トニが決定的なシーンを外すなどブレーキ。ピルロのFkも惜しくも決まらない。そして、ことごとく突破された守備陣は確実にカンナバロの不在をダメージとしてピッチ上の結果にもたらしたのである。
オランダが面白く、フランスが面白くない。そんな構図がはっきりと浮き出てしまった初戦となった。イタリアもこの初戦のダメージをどう挽回できるか、もはや“カテナチオ”は今大会ではアテにならなくなった。守備面を著しく重視し、デ・ロッシを出さないドナドーニ監督の消極的な采配が非常に気になった。
グループD
<○スペイン 4-1 ロシア●>
<●ギリシャ 0-2 スウェーデン○>
遂に“無敵艦隊”が航海に出たか。圧倒的な中盤の構成力と、前線の決定力がコネクトし、スペインが改めて今大会の有力な優勝候補ということを再認識できた圧勝劇。激しい雨の中ビジャがハットトリック。これまでのF・トーレス1トップという布陣を覆し、この2人の良さが 見事に融合した。後半にセスクを途中投入するなどイニエスタ、シャビ・アロンソを軸とする中盤の充実度は本物。ロシアはポゼッションではスペインを上回ったものの、攻撃に鋭さが見られず、エースFWアルシャビンの欠場が如実に現れる大敗となった。
ギリシャとスウェーデンのマッチアップも、ギリシャが試合の主導権を握っていたが、67分に、久々に国際試合の舞台でエースFWイブラヒモビッチがゴールを豪快に叩き込む。これで一気に流れがスウェーデンに傾いた試合は、わずか5分後にハンソンがゴール前で相手3人に囲まれながらも強引に押し込み、追加点。やはり眠け眼が一気に目覚めたイブラヒモビッチの1発が大きかった。ギリシャも決して悪い展開ではなかったが、攻撃陣の活性化を考えると、左MFとしてアマナティディスの投入はもう少し早くても良かったかもしれない。
勢いで完全にスペイン、スウェーデンが堅い。しかし、ギリシャも決して連覇を諦めた訳ではない。少しロシアは苦しさを露呈したが、そこを名将ヒディンクがどう建て直してくるかにも注目が集まる。
さぁ、もうまもなくマッチデイ2の幕が開く。