歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

ゲーベル『リュリ_王は踊る』

2009年12月23日 | CD バロック
Le Roi Danse
Musica Antiqua Köln
Reinhard Goebel
463 446-2

1999年録音。75分34秒。DG。映画『王は踊る』のサントラ。映画のほうは結局見てないんですよ。(そういや『巡り逢う朝』も見てない…。)で、せめてサントラだけでも聴かねばと思いまして。リュリを中心に、ほかの作曲家の曲もちらほら入っています。ところどころにソプラノの歌うエールもあります。全35トラックでひとつひとつの曲が短いので、リュリの音楽をじっくり楽しもうってCDではないです。あくまでも、ルイ14世のベルサイユの華々しき雰囲気を音楽でのぞいてみよう、ってスタンスで。

クリスティではなくてゲーベル&ムジカ・アンティカ・ケルンなので、優雅さ一辺倒ではなくかなり鋭角的で力強さも感じさせる演奏。でも往時のベルサイユの音楽家たちのスタイルもあんがいこんなざくざくしたもんだったのかもしれない。いやまあ、「ざくざく」というのは言い過ぎですが、とにかくリズムのキレがいいんです。こういうリュリ、わたしは好きです。

『町人貴族』の「トルコ人の儀式の行進」はフランス・バロックでいちばん有名?な曲になってしまったけど、トラック18にちゃんと入ってます。最後でトゥッティでガーッて音が鳴り響いて、イケる演奏ですよ。この曲は『巡り逢う朝』でも出てくるんでしょ。それからわたしの好きな『アルミード』の「パッサカーユ」もトラック27で4分ほど聴けます。いやーオモロイ。じつに荒けづりな体育会系舞曲になってる。

ムキムキのルイ14世が、髪の毛から体から金色に塗って踊り手になったところを撮った表紙写真も派手で、ブルボン朝の剛毅さ典雅さ野蛮さバカバカしさをいろんな面から楽しめる。