歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

コレオー『シャルパンティエ_真夜中のミサ』

2009年12月09日 | CD バロック
Marc-Antoine Charpentier
Messe De Minuit pour Noel H.9
In Nativitatem Domini Cantiqum H.314
Vallin, Le Pinie, Ragon, Lestringant, Bindi
Ensemble Vocal de Nantes
Ensemble Instrumental
Paul Colléaux
ARN 68015

1985年録音。42分39秒。ARION。収録時間が短いし、『真夜中のミサ』全曲で24分36秒が1トラックだったりする。で、そのあとはぜんぶクリスマスにちなむ器楽曲。なんだかやぼったい感じのする作りですが、それはそれとして、音楽そのものは悪くない。素朴な、手作り感のある演奏で、不思議なライブ感もただよって、なかなか好ましい1枚。『真夜中のミサ』はクリスティのエラートへの録音ももちろんあるわけですが、独特のクリスティ節というか、クリスティのオーラというか、そういうのがうっとうしくなったら、このコレオーです。

ナント声楽アンサンブルは15人編成、声楽のソリストが5人、器楽アンサンブルが10人。ほどよい人数だと思う。

合唱はじゅうぶん歌えていてテクニックに不足はありません。ソリストは、ジル・ラゴンとかエティアン・レストランガンとか、同時期にクリスティの指揮でも歌っていた人たちが参加している。いまの21世紀の演奏技術のレベルからすると多少のケチのつけようもあるけれど、致命的なキズではなく、まあまあ合格点を出せる。全体にさわやかでひたむきな演奏態度で、人によってはもっと洗練されたのがいいと思うでしょうが、そういう方はクリスティでもミンコウスキでもどうぞ。わたしはこれ気に入ってます。

埋め草の器楽曲は、なんかたどたどしさもあるんですが、シャルパンティエの音楽の人なつこさがよく出ている。縦笛のすがすがしい音色がここでも効いている。