歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

クリストファーズ『クリスマス・キャロル・コレクション』

2009年12月08日 | CD 古典派以後
A Traditional Christmas Carol Collection
The Sixteen
Harry Christophers
COR16043

1991年録音。70分51秒。CORO。ほぼ直球ど真ん中、って感じのクリスマス・アルバム。クリスマス向けのCDも、考えてみりゃいくつか持ってはいるんですが、凝ったものばかりなので、もっと「ふつうの」クリスマス・アルバムがほしくて買ってしまいました。タイトルに"Traditional"とありますが、これは「みんな知ってる」というくらいの意味だと思う。「きよしこの夜」とか、あるいは「ひいらぎかざろう」とか、そういう、ほんとに誰でも知ってるようなクリスマス・ソングがいろいろ入ってます。編曲はしゃれていて、かつ素直で、もったいぶったところがなく好ましい。

ザ・シクスティーンはここでは各パート4人の、文字通り16人。シクスティーンはもともと古楽プロパーの合唱団ではなく、ブリテンとかアメリカの現代合唱曲とかも録音してきていて、ここでの響きも、どちらかというと現代的なものになっている。流線型で都会的。

好みでしょうが、トラック13"In The Bleak Midwinter"のような、しずかにあたたかく歌われる曲のほうがやっぱ耳に残るなあ。それにしてもこの"In The Bleak Midwinter"、たしかガーディナーの『クリスマス物語』にも入っていた。いい曲だ。トラック19の"The Coventry Carol"、この曲も面白いですよねえ。各節最後のところに来る不協和音がすてき。

トラック1"The First Nowell"。最初、オルガンが、6/8拍子で2小節ぶん前奏する。まあ「牧人ひつじを」だから3拍子系なのはとうぜんだけど、何の心の準備もなく聞き始めたんで、いきなり6/8ってのは変拍子みたいに聞えてしまって、ここの2小節のオルガン、聴き馴れるまで妙な感じだった。年をとって、耳から入ってくるリズムに対して、臨機応変に反応できなくなったのかもしれない。