歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

キャスリーン・キング『ミラン/エル・マエストロ』

2008年08月24日 | CD 中世・ルネサンス
Luis Milàn
El Maestro(1536)
Catherine King, Jacob Heringman
CDGAU183

1997年録音。74分17秒。ASV/Gaudeamus。ミランの、ビウエラの伴奏による歌曲をたっぷり聴けるCDです。こういう静かな音楽はいいなあ。地味ですが、ときどき出して聴いてみたくなる魅力を備えた1枚です。

キャスリーン・キングは以前のマーガレット・フィルポットのような立ち位置にある古楽のメゾ。ただしフィルポットのほうはソロ盤は聴いたことないですがこの人はソロにも意欲的。イギリスの人ですが、くすんだ雅び、というか、高貴さのなかにほんの少しけだるさをにじませて、スペイン音楽らしい雰囲気をよく出しています。

ビウエラの、ぼろんぼろんというかぽろんぽろんというか、その中間くらいの、独自の音色もいいですね。ジェイコブ・ヘリングマンはキングとの共演もいくつかあるほかに、バーバラ・ボニーのソロ盤でもリュートでつきあっていました。