宮崎の南山間部の小林市は私の生まれ故郷えびの市の隣町で、高校も小林市だったので馴染み深い地域。
そして子供の頃から親父に何度も連れられて「出の山」に遊びに行った。出の山と書いて「いでのやま」と呼ぶ。
ここは観光地で知れた「えびの高原」のメイン道の入り口にあり、湧水を利用した大きな池脇に数ヶ所の鯉・マス料理の店があり、水産試験場もある。
池の脇に陣取る「
いこいの家」は、祭り事がある度に家族で出かけた場所で、特に夏時期には池を眺めながら食事を楽しむ場所だった。当時はとても賑わっていたような思い出もある。
子供の頃にはこの池に大きな「草魚」が住んでいて、自宅にも池があったので鯉はよく知っていたけど、更に二回りぐらい大きな魚体に子供ながら魅了されていた。ゆうに1mは超えていたと思う。
その当時にはすでに草魚が中国の魚で、その卵が浮遊性であるため、大河で無ければ海までたどり着いてしまい孵化できないという知識もあった。そういう意味では、私は子供の頃から魚好きだったのかも知れない。
出の山はホタルの生息地としても有名になった。
池からあふれる、山脇を通る小川に生息していて、山が揺れ動くように見える幻想的な大量のホタルの景色はなんとも感動的なのだが、子供の頃の自宅の周囲にはホタルはいつもいて、自宅でも見る事ができたので珍しいものでもなく、その当時は話題でもなかったのだが、いつしか少なくなった。
ホタルは幼虫時代に綺麗な小川が必要なので、そんな小川の減少にて数を減らしているんだろう。
そして宮崎県の淡水魚専門の水産試験場も隣接しているのだが、ここではチョウザメの研究がされていて、当然ながら「キャビア」の量産というのが目的だが、このチョウザメも小学校の頃はいなくて、確か高校の頃には居た。つまりこの研究も30年近く継続されているんだろうが、チョウザメは成長が遅く産業としては微妙。従って民間だとなかなか着手できない。そんなチョウザメも養殖池に黒い大きな魚体でワラワラと居て見応えもある。
タイトルの「出の山淡水魚水族館」も、設備の横に大水槽があり、外から無料で眺める事もできるのだが、現在は3つの水槽ともにチョウザメが泳いていた。
以前は大きな鯉が泳いでいたり、大量の鮎であったり、ペヘレイというイワシ科の淡水魚であったりと、数年に1度という訪問だと中身が変わっているのが面白い。
ただ直近では、鹿児島からの帰りに寄った先週の日曜日で、それで日記に書いているわけだけど、水槽の表面が随分と劣化していて、以前ほど綺麗に見えないので残念な感じ。恐らくアクリル製水槽なんだろうけど、ガラスと比べて長期維持が難しいのではないだろうか?
水族館建屋内は入場料は200円と割安で結構見応えがあるし、魚もきちんと生かされてる雰囲気が伝わってくる。
この手の水族館は宮崎だと、「寿美江」「高千穂」にもあるし、宮崎市内の「大淀川学習館」も近いのだが、さすがに水産試験場運営という感じで魚種も豊富だし、何と言っても中央にある大きな丸水槽の中の大型淡水魚は圧巻で、ピラルクが目の前を泳ぐ姿も楽しい。
またワシントン条約 (CITES) の絶滅危惧種に指定されているアジアアジアナなども普通に見る事がでるのだが、これまた美しい魚体なのである。
オオサンショウウオも7匹だったかな?まとめて水槽にいて、これまた珍しいんだけど簡単に見る事が出来て嬉しい。
私は事あるごとに行っていて(近くを通る際というべきか)、もう数えて10回に近いかも知れないが飽きない。
今度、ここに居る魚を参照してフィッシュカービングをしたいと思っている。