「釣初心者日記」

宮崎の釣り情報・釣れた魚の事・魚料理・その他ゴルフ話など書いてます。

イソゴンベ(FileNO59)

2011年03月04日 | お魚紹介
久しぶりに、真のブログの目的なのである(^^ゞ・・・お魚の事だ。

最近は新しい魚を写す機会がめっきり減っていて、今年何匹と出会えるのか、もしかしてゼロ?なんて思っていたが、串間の磯釣りの際に同行のU君が釣り上げてくれたのが写真の「イソゴンベ」である。

この魚と出会うのは3度めで、1度は宮崎県北の「島之浦」にて、釣り大会の際にメンバーの1人が持ち帰ったもので、その時に変な魚だとざわめいていて、私が「ゴンベの仲間」ですね~と言うと、皆キョトンとしていた。そんな私も何ゴンベなのかをきちんと答えられなかったのだが、今ならはっきりとイソゴンベと答える自信はある。もう1回は昨年度の喜界島で誰かが釣り上げていた。いずれも撮影の機会がなく、今回やっとのシャッターチャンス。

この魚はちょっと大きい。長さで25Cm程度だ。
ゴンベの仲間としてはオキゴンベとヒメゴンベを納めてはいるのだが、その2種と比べると、サイズや模様などちょっと同種という感じではない。実際ゴンベ科ではあるが、属が分れるようだ。
この魚はその名の通り、磯場で見かけられる魚のようで、ダイヴァのサイトに登場する紹介文では潮通しのよい磯場で見かけるが、人の姿を見かけると素早く逃げるようで、なかなか撮影が難しいとの事。またこの魚を見かける場所は、大型魚が潜んでいるとの情報も。
実際、宮崎で見た2匹は磯場でも潮通しがよくて、釣り場としてA級磯である。

この魚を観て同定はとても簡単ではあるのだが、身体的特徴としては、まず他にはないような太いタラコ唇であることと、写真ではちょっと判りにくいのだが、荒磯場でしっかりと張り付いているために必要であろうと思われるしっかりした胸鰭を持っている事だ。そして他のゴンベ科の魚と比べるとかなり大きくもなる。
だた、パッ見た感じは変なカサゴという印象でもある。WEB検索していたら、変な魚が獲れたとしてニュースにもなっているほどだ。

この魚は南方系ではあるようだ。鹿児島以南の島では普通に見かけるようだが、宮崎だと稀である。実際は普通に居るのかもしれないけど、磯場でもあまり人が狙わないような潮裏のような場所が住処なんではなかろうかと勝手に想像する。

食味の評価だが、WEB魚図鑑に投稿がある書き込みを見たら、総じて高評価で、かなり美味しいらしい。写真の魚は住処にお帰り頂いたが、この評価を知っていたら多分持ち帰っていた。残念。次会出会うのは10年後だろうか・・・・

オキナメジナ(FileNO58)

2010年12月01日 | お魚紹介

学名で言うと「Girella mezina ※Jordan and Starks,1907」で、Girellaがメジナ科を意味するようで、その続きにmezinaという名がついているこの魚は、メジナの中のメジナなのかも。意味不明な書き出しだけど、とにかく個人的にはとっても珍しく、また出会いたかった魚だ。

漢字にすればオキナメジナ→「翁目仁奈」ということになるが、ちょい前の日記でも触れたけど、「翁」はご老人を意味していると思う。目仁奈が不明なのだが基本的には別意味がある訳ではない。分けて「仁奈」だけを探ってみても人名かメジナの事のみだ。さらにメジナの名の由来を探ると、本来メジカ(目が近い)だったものがメジナに変わったとされる説に当たる。容姿で決めるケースが多い魚名なので、これは割と納得できる。できるのだが、これまた築地の呼び名であり、関西は基本的にグレで、九州だとクロだし宮崎になるとクロダコなどとも言われていた。このクロダコという呼び名も割と広い地域であるようだ。

そしてこのオキナメジナについては、宮崎だとウシグレと言う呼び名は聞いた事がある。スカエースという名も地方名で有名だけど、これはメジナのエース(良い魚)に対してスカ。つまり外れという意味があるようだ。

個人的にはとっても釣りたい魚の1つだったので、嬉しいのだが、まあ変な感じのメジナだと思うに違いない。ずんぐりむっくりな体形で顔も翁顔。メジナには違いないがなんだか違う。そんな印象。
恐らく25Cmに満たない個体だと中央の黄色い横1つの帯模様が目立つので、この魚だと容易に判るのだが、もっと大きくなるとこの線が薄まって判りにくい。判断は顔つきということになるが、上唇部分が極端に広く、また口が下向きなので判断できると思われる。この口の向きから察するに、岩場の海苔などを口先で削ぐような食性だと思うが、その味についても、磯海苔の影響なのか、ちょっと臭いそうだ。

喜界島に行った際、メジナは多いと言われた。そしてこの魚が釣れたのだが、タイトプールを眺めてこの魚の幼魚がかなり多い事が判った。逆に普通のメジナが居ない。多分奄美の方々が言われるメジナはこの種なのだ。
つまりは南方系メジナなのである。そう思ってWEB魚図鑑の投稿を見たら、どうも磯釣り投稿者が少ないようで、香港の市場の魚を例外として、宮崎までしか南地区の投稿例がない。

嬉しい獲物ではあったのだが、日記を書いていてちょっと複雑な気分にもなった。これが目立つようになると言う事は、海が南化しているという事になるようだ。

タカノハダイ(FileNO57)

2010年03月02日 | お魚紹介


先週土曜日は大島釣行しており、これまた先々週に引き続き最悪の釣果。ストレスだらけの釣りだった。2月下旬というのはだいたいこんなもんだという事は過去の日記を見ると判るのだが、釣れればメジナは大型だけど、基本的に数が釣れない時期なんだと思う。

そしてご紹介したいのが写真の魚で、標準和名が「タカノハダイ」と言う。

土曜日、姿を見た魚はこの1匹のみで、普通のウキ釣りではなく、テトラの際に5号のオモリを付けて落とし込みイメージで釣れたもので、魚の顔を見る事ができほっとしたという1匹だ。

タカノハダイという名はほとんど宮崎では浸透していないのだが、「ヒダリマキ」だと釣り人は判る。「ミギマキ」と言われる魚もいるが、同じ仲間なんだけど、そちらはそれが標準和名となっている。言葉では言い表しにくいが形は似ているものの模様が違う。そしてミギマキとヒダリマキだと、圧倒的に個体数は(宮崎の場合)ヒダリ・・が多いと思っている。

宮崎の釣り本があるが、しっかりと対象魚として紹介されている。されてはいるのだが狙って釣っているという話しは聴いたこともなく、どちらかと言えばメジナ釣りの外道だ。

そしてこの魚が釣れると決まって聴く言葉がある。「潮が悪いね。」
大分の「ウミタマゴ」にて、近海の魚達のコーナーにて、この魚の生態を見た事があるのだが、地面にへばりついていてじっとしている。その形状からも口が底を向いていて、つまりは底に向って餌が行かないと釣れないはずなのだが、潮が悪いというのは磯場の足元で潜るイメージの潮の流れだと思われる。そんな時に足元の磯穴に潜むこの魚がピョコッと捕食するんだろう。

肉は匂いが臭く不味いという評価が一般的だが、宮崎の釣人は持ち帰る人も多い。
鍋などのネタには問題ない味。味に地域差と季節差があるようで、夏場だと臭いということのようだ。残念ながら私は持ち帰ったことがない。


WEB魚図鑑によると、漢字では鷹之羽鯛で体表の斜走帯が、鷹の羽の縞に似ているから、この名があるとの事だが、個人的にはなかなかスタイリッシュな魚だと思って見ている。
大きなものは50Cm近くにもなるので近場の大物と言えるのだが、釣れても持ち帰ろうか、食べようか迷う魚だ。

アイゴ(FileNO56)

2009年11月26日 | お魚紹介


3連休の最終日、23日も釣りに行った。
目が覚めて約10分程度の決断。前日は迷っていたけど、特に約束もしてなかったけど1人で行ってしまった。いつもの大島。
釣果はというと、とにかくまだ夏模様の海の中という感じで、午前中はとにかく変な餌取魚が多く、仕掛けを団子釣りに変えると、写真のアイゴが連続7匹。結構大きくて35Cm程度のものばかりで、釣れ過ぎて腕が痛くなって終了した。

前回の北浦でもこの魚が多く、最近こやつが増えすぎて海中の被害が生じているとも聞く。増えすぎると、主に餌となる藻を食いつくす。沿岸の藻場が消失する磯焼けの原因がこの魚だということだ。
とにかく馴染み深い魚なのだが、このBLOGではまだ魚の事を紹介できてなかったので、とりあえず紹介の意味を込めて、特徴など。

まず最大の特徴としては危険な魚だということ。この魚が持つ棘(キョク)の先が刺さると毒があり腫れる。私も1度経験があるが、この魚に刺されて初めて一人前の磯釣り師と言われた事がある。まあとにかく注意が必要で、持ち帰って食べるならハサミでこの棘を落としておく必要がある。

宮崎だと、釣魚としても水産資源としても軽んじられる魚だけど、磯釣りではメジナ狙いの上物釣りの外道としてよく釣れる。夏時期に釣れやすくて夏の魚だと思われがちだけど冬も釣れる。
ただ冬時期の魚はいささか痩せ気味な感じを受ける。

その呼び名だけど、標準和名の「アイゴ」は釣り人にはまったくと言っていいほど浸透していない。その名の由来は、アイヌ語で棘のあるイラクサを「あい」というそうで、これからきた言葉と「市場貝類図鑑」に紹介されているが、標準和名というのは東京・築地で呼ばれた名が基本という事を考えると、その名の由来がアイヌ語であることから、北方では呼ぶ場所もあるが南地区ほど馴染みが薄いのではないかと思われる。

ただ、一般的に使われる呼び名の「バリ」は想像しやすい。釣り上げると尾鰭・腹鰭を思いっきり立てて威嚇する。その威嚇した様子が威張っている(イバリ)という印象がある。

ちょっと興味深いのが「アイゴ」と「シモフリアイゴ」の行く末だ。
アイゴにはシモフリ型とそれが目立たない(体に白斑点があるかないか)種類があり、私が持つ山渓「日本の海水魚」には区別して乗せてある。
図鑑上の紹介では、胸鰭がやや大きく白斑点の差で区別されているが、遺伝子的には極めて近く同種内地方集団にあたる可能性があるとされている。
私が写した写真でも目立つもの、そうでもないものがある。もっと研究が進むと2種に分かれるのか微妙な魚だが、私は、白斑点は絶命すると消えてしまう印象を持っている。興奮状態などでも変わるのではないかと思われるので、たぶんだけど同種だと個人的には思っている。

この魚は九州でも熊本などではしっかりと釣りの対象魚で、トーナメントが行われるほどだ。

とても美味しいという意見と不味いに2分される。その理由だが、とても磯臭いのだ。ただしその臭さとは、貝類が持つ臭みと似ていて、臭み=旨味という関係だ。
私の場合は自分で釣り、自分でさばいたものが不味くて、人にさばいてもらったものが美味しい。内臓の処理をする際にかなり匂いがこびりつくので、1~2日間はその匂いに悩まされる。

一時期、この魚をしっかり持ち帰ってよく食べた。
磯場で釣れた際に、頭と内臓を落として身の部分だけを残し、自宅で3枚におろした後は氷水に1分ほど漬けておく。
すると、油分が浮いてきて、そのまま刺身にして旨味だけがほどよく残って美味しい。
似ても焼いてもよい。だけど匂いが気になってしょうがなかった。最近はその匂いのせいでリリースする。

コボラ(FileNO55)

2009年05月28日 | お魚紹介


この魚は先週土曜日に、小アジ釣りに行って釣れた魚だ。コボラという。とりあえず普通のボラと比較したいので写真を並べてみると・・・


色合いは撮影具合で違うので比較にはならないのだが、まったく別魚である雰囲気はある。細かいことを言えば、なんとなく胴詰りな感じでぼたっとしているのがコボラで普通のボラはスリムな気がする。
きちんと同定するなら、胸鰭基底(付け根)の様子を見る。コボラは金色でボラは青いのだ。他にも脂瞼があるかないか、などという部分で区別できるのだが、これは普通には判りずらい。

写真で比べたら随分と違う(気がする)この魚も、一般的には区別されてない。
釣り人で、おっ!この魚はコボラだ。なんて言う人はいないだろう。
私は・・・・判ってしまったので区別しているけど。

WEBさかな図鑑を見ると、標準和名を持つボラ科の魚で15種もいる。
とても馴染みがあるボラという魚は防波堤などで釣れる機会も多いが嫌われもので、釣れても種を見分けるどころか、とても乱雑な扱いをされるわけで、まさかそんなに種類があるなんて思いもしなかったけど(私自身も)、比較部分が判ってくると、これまた面白いもんだ。

トウゴロウイワシ(FileNO54)

2009年02月09日 | お魚紹介


久しぶりのお魚の紹介だが、トウゴロウイワシの事。

名の由来が気になるところだが、漢字では「藤五郎鰯」と宛てるようだ。
トウゴロウは人名ではなく玄海地方にて「とんごろ」「とうごろ」という着物を脱がずに寝る人の事をそう呼んでいて、この魚は鱗が固くて、死んでもなかなか鱗が剥がれない事から「とんごろいわし」→「とうごろういわし」と命名されたようだ。

トウゴロウイワシ目トウゴロウイワシ科ギンイソイワシ属

姿や群れた様子から「イワシ」の名がついているけど、近い仲間としてはボラやダツなんだそうで二基の背鰭があるのも特徴の1つ。

冬場に群れているのは珍しいと思ったけど、最近は結構多いんだそうで、目に見えて温暖化が進んでいる感じもする。

以前釣ったトウゴロウイワシの群れのサイズは10Cm前後だったけど、今群れているのは15Cm程度で大きく、フカセ釣りの餌をしっかりと咥えてくれるので邪魔な存在だ。
臆病な魚で、サビキで狙うと周囲を取り囲んで近寄ろうとしない。

食べたら刺身が結構美味しいそうだ。しかし鱗が固いので基本食用にされてない。
そんなわけでたくさん捕らえて、食材にしようと思ったんだけど、これまた群れている割に大量に捕らえる手段がない。

この魚が群れているのは海の様子も活性がある感じで嫌いではないのだが、もっと食べやすい魚だと大歓迎なんだけどね。

イズカサゴ(FileNO53)

2008年07月15日 | お魚紹介


昨日の書き込みで、ぽんたさん及び8818君に教えてもらったマルケイ水産の名だが、ちゃんとWEBサイトも作られていて、それまた店の雰囲気同様勢いもある。見て楽しいサイトだ。しばし楽しんでいた。美しいサイトもいいけど、こんな感じはたまらない。

マルケイ水産

昨日買った「イズカサゴ」なんだけど、この魚屋に行った真の目的とは珍しい魚の発見ということで、願わくば購入して写真に残したいという欲なんだけど、やっと実現できたのがこの魚だ。正直大きな魚は高そうで手がでないし、「ギンカガミ」などは1匹買っても処分に困る。その点この魚なら食べるのも良かろうということ。

ところで写真を見ながら、なんとか「イズカサゴ」と紹介できるかなというぐらいであり、実は同定にあまり自身がない。この種の同定はとても難しい。

写真を見て、一発で判断できるとすれば、尾鰭・背鰭・胸鰭部分に中心が黒い赤色円班があること。細かく見たら背鰭12棘(きょく)8~9の軟条、臀鰭(しりびれ)3棘5~6軟条、胸鰭17~20軟条、頭と体に多くの皮弁があること。胸鰭の上腋部に1枚の皮弁があること。などで判る。写真を見て数を数えてみるけど、まあだいたいそんなもん。現物があると良かったのだけどすでに食べちゃった。

世間でオニカサゴと言われるのが一般的にこの魚だけど、標準和名の「オニカサゴ」は極めて判断が難しく、さほど大きくならない。(20~25Cm程度)

このイズカサゴはよくフサカサゴとも混同されがちのようだが、慣れてくれば、最初の判断基準の赤色円班で区別できるようだ。フサカサゴの尾鰭にはこの斑点がほとんど無い。

マルケイ水産で見たカサゴ類だが、標準和名「カサゴ」や「アヤメカサゴ」と共に陳列棚に並んでいた。並べてあると容易に別魚だと判るのだが、このイズカサゴは特に大物が多い。4~5匹はいたんだけど購入した30Cm程度の魚が一番小さくて、あとは35~40Cm程度。かなり高いだろうと、最も小さいのを手にした。
ちなみにこの魚は深場(水深100~150m)に生息し、成長も遅くこのぐらいのサイズになるには数十年かかるようだ。調査された35Cm程度の魚が推定年齢42歳という記事も見つけた。購入した30Cm程度のものでも10年ぐらいのものだと思われる。そう思うと大事に食べなきゃと思う。

購入した魚は重量にして500gちょっと。そして価格も500円ほどだったんだけど、この価格が高いかというと、とんでもなく安いよう。WEBで相場を調べてみたら、ストアー価格だと500gで1500円程度という記事を見つけた。
そしてとても美味な魚だと至るところで見かける。実際美味しかったけど、これはお得な買い物だったと思う。

ちなみに世間で高級魚(この魚もそうだけど)と言われる魚が、宮崎だととても評価が低い場合がある。たとえば「イトヨリダイ」「アマダイ」などがその例だ。
マグロ・ブリ・マダイなどが流通で一般的で、それ以外の魚は受け付けないという需要。おかげ様で珍しい美味しい魚を安く購入できるのだ。

そんな魚を求めてマルケイ水産に行くのである。

ナガメイチ(FileNO52)

2007年03月18日 | お魚紹介

シロダイは知ってても、「ナガメイチ」という魚の名は調べるまで知らなかった。石垣島で写した写真を整理していて、なんとなく雰囲気が違うなぁと思ったのが調べだしたキッカケだった。

前回投稿の「シロダイ」と比べると、そのシルエットではかなりの違いがあるんだけど、現場では色合いが一緒だし、全く別魚だとは思ってなかった。写真で見たら特に違いを感じるのは尾鰭であり形状が全く違うのに。

石垣島ではまずこの魚が釣れたので、船長が「シロダイ」だっ!って興奮気味に言われ、もちろん全員(私を含む)がそれを信じたわけだ。もしかして石垣の中では区別はされてないのかなぁと思う。
同じように見える最大の原因が、メイチダイ属の特徴の眼の下の帯模様だが、この魚にも薄っすらとあるし興奮班も出るし、なにより海底から引き出された際の白さが、思わずシロダイという名に直結する。

私の写真撮影は、釣りに集中したいこともあり同じ種類が2匹・3匹と釣れても、そのうちの1匹のみを写すので、石垣島ではこの魚をまず写したから次に釣れた本当のシロダイは撮影パスのはずだった。
ところが、船長が妙にこだわって魚を写せと言ってきたのだ。いや明確に言われたわけではなく、「この魚の写真は写さないの?大きいよ!大きいから顔つきも違うよ!」
今思えば別魚なんだから顔つきも違うわけなんだけど、船長の「写して欲しい光線」を浴び、釣りに集中したかったけどとりあえずって感じで写したわけで、お陰さまで収録魚種を増やす事ができたのは、今更ながら感謝である。

それにしても途中から船長の態度ががらっと変わってくれたのが思い出になった。
それなりに魚扱いに私が慣れていたこともあっただろうし、他の人が、ハリを外せなくて私が抜いて上げたりしている様子から、ちょっとぐらいは「只者ではない」という匂いを出せてたかも知れない。しかも専門家のように白いボードを持ち込み、揺れる船の中で左の向きにこだわって鰭を立てながら必死に写す姿に共鳴してくれたのかも知れない。
鰭を立てるには、魚を興奮するように体の一部をつっつくように触る。それを見ていた船長が時々は一生懸命に鰭立て作業をやってくれた。

魚の話からずれたが、写真の魚のサイズは30Cm程度。40~50Cm程度になると思われる。(WEB上に明確に書いてある記事がない)
シロダイを狙っていて、ちょっとスマートなシロダイが釣れたと思ったら、多分この魚なんだと思うので注意。めったにシロダイを狙う釣りなんてしないと思うけどね。

シロダイ(FileNO51)

2007年03月15日 | お魚紹介

シロダイという魚は内地(沖縄方面の人から見た島ではない地域)ではほとんど見かける事はない。とはいえ私は実家がある「えびの市」の生簀がある寿司・うどん屋で2~3Kgサイズのシロダイが10匹ぐらい養われているのを見たので、まったく獲れないという事ではないのだろうが釣りではお目にかかった事がない。

シロダイは沖縄地方では美味とされもっとも珍重される魚のようだ。「タイ」という名はついているけど、いわゆる「マダイ」の仲間ではなく「フエフキダイ」の仲間で「メイチダイ属」というグループに属する。メイチダイは宮崎の船釣りでも釣った事があるが、時期は夏でフエフキダイの仲間達って、やはり南方系という事だろう。

シロダイは大きなもので50Cm程度になるようだ。姿から想像して50Cmだとだいたい3Kg程度だろう。名前の通り海中で見る(というか釣り上がってくるときの様子)と真っ白なイメージの魚だが写真でお分かりのとおり体表にはあちこちとアザのように汚れた感じの模様がある。ただこれは陸に上がって興奮するとだんだん増える、いわゆる興奮班だと思われる。写真を写しているわずかの間にだんだん増えていった。
ちなみに魚で興奮したら興奮班を出すものって結構多い。特にメジナなど顕著に出る。だから海水の中の模様と陸に上がっての姿は結構違うもんなのだ。だからこんな模様があるから図鑑の魚と違って判らないっていうことも時々あるが、基本的に魚を区別するにはシルエットが良いような気がする。もっと詳しく見るのであれば鰭の条の数とか鱗の数などの決め手があるんだけど、私には無理。

このシロダイは料理店にて一緒に釣れた「マルクチヒメジ」「ホウセキキントキ」とともに刺身で頂いた。ごっちゃになっていたのでどれがシロダイの刺身なのか正直区別がつかなかったんだけど、食べたものはすべて美味かった。
釣船の船長は内地の魚であれば「マダイ」に相当すると言っていたが、旨味はそれ以上ではないのかな?

メイチダイ属の魚達は眼の下に帯模様があるが、下というより頭部から頬に向かっての模様で眼の中にもその模様があるのが面白い。特に代表種のメイチダイはその模様がはっきりしている。小型ほどはっきりのようだ。

フエフキダイの仲間は総じて「肉食」のようなので、釣り方としては今回石垣島で釣ったイワシの切り身などでもよいし、宮崎で「フエダイ」通称シブを釣る際に使うボイルアミ・キビナゴなどで良いと思う。このシロダイを含むフエフキダイの仲間って釣り魚としては引く力も強く、面白い対象魚だ。狙いは5~9月だろう。

カサゴ(FileNO50)

2007年02月18日 | お魚紹介

カサゴという魚はいつでも何処でも相手してくれる。沖でも岩場でも防波堤でも。釣りに行って1匹2匹と相手してくれることがしばしばだけど、数を釣る事は期待できない。
ただ、沖の釣りだと小型が同じ場所でまとまる時がある。
宮崎の釣具店には18Cmだったかな?それ以下のサイズは放流しましょうと案内されている。カサゴはとても成長が遅く、釣魚として馴染みは深い魚だけど、だんだん数も減っているようなので、できれば幼魚は逃がしてあげたい

カサゴと行ってもその仲間は多く、とても似ているのがウッカリカサゴとかアヤメカサゴという種などあるが、宮崎で、多分釣れても区別されない。ストアーでもカサゴで売っているものが実は違う種である事も多い。

だけど釣れるほとんどはカサゴである。
宮崎では「ホゴ」と呼ばれる。鹿児島や熊本では「アラカブ・ガラカブ」と呼ばれる。
鹿児島の長島周辺だと、海峡が多く、岩場が多いので専門に狙って釣られているし、専門の料理店もある。また鹿児島の錦江湾でも特に桜島の周辺は海底が溶岩礁で凸凹しており、カサゴがとても住み着きやすい環境のようだ。簡単に釣れる。

カサゴは数が少ないので、大前提で生息しているかいないかで成果が変わるけど、居れば釣れる確率はとても高い。底を狙って餌は何でも良いので誘いをかけてあげれば釣れる。
また最近はロックフィッシュなどと命名されて、もともとルアーを楽しんでいた釣人が、ブラックバス釣りがだんだん肩身の狭い環境になる中で、海に向かい、手軽に楽しめる対象魚としてワーム(擬似餌)などで狙う。

カサゴの仲間で有名なのが「メバル」。メバルの仲間にカサゴがあるとも言えるほど釣魚としてはメジャー魚だけど、残念ながら宮崎には居ない。南限が大分ぐらいまでなんだろう。九州の西部の熊本・浅草などだと生息するのかも知れないが定かではない。

とにかくこの魚の仲間は食べても美味しい。
だからカサゴの場合は市場値で1Kgが2000円以上というような高値で取引されるようだ。ただカサゴだと大きくても30Cm程度。沖で釣れやすい近似種の「ウッカリカサゴ」の場合はなんと60Cmほどまで成長するようだ。

宮崎では味噌汁に入れて、とても良い出汁になるとのことで重宝される。刺身でも美味しいがちょっと淡白な感じもする。から揚げも美味しくて、しっかり揚げれば鰭の部分もコリコリとして美味しい。

WEB検索していて見つけた面白ネタとしては、このお魚は卵ではなく稚魚を産み落とすとのこと。これはメバル・クロソイなども一緒で卵胎生というらしい。

いつも写真までは残さないのだが、最近撮影したこの魚は27Cmと大きく、珍しいと思ったのが、顔と背鰭後方に黒いアザがあること。ちょっと面白いなと思って。
(もちろん全体像も写しているが、特にこの顔アップ写真が綺麗だったので、これを上げときます。)
沖で釣った魚だから赤色が強い。これが岸からだとどす黒い赤みなんだけど、生息場所で随分色が違う。カサゴに限らず深場だと赤が強くて、浅いと岩のようなどす黒になるのは、多分保護色という事だろうけど、なぜ深いと赤いのだろうか?多分、深い=暗いという事だけど赤は暗い場所では目立たない色なんだろうなと思う。沖の夜釣りでも、ヒメジ・チカメキントキ・マツカサといった魚達は真っ赤である。