企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

格差社会について書いている人の対談本

2006年04月30日 | 本の紹介(ビジネス)
ここ1年ほど、格差社会というキーワードを巷で見ることが多くなった。その有名な本を書いた二人の人の対談本であるから、大いに期待もして読んでみたのだけれど。うーん、なにが不公正社会なんかなあ、というのが第一の感想でした。それぞれの立場がどうであったか、ということはある程度分かったのですが。。著者自らが、東京の豊島や板橋で育ってきたことやイギリスの社会を見てきたことしか知らない、だから、日本の全体を見ていっているわけではない、なんて逃げているのでなんともなぁ、と思ってしまいました。
帯には、「ただの格差・不平等ではない。いまの日本は、はなから勝ち組・負け組が決められている「不公正社会」だ!と掲載されているのですが・・・。そんなの、わかっていた話じゃないのかな?なんて思えるほど、内容がなんというか核心を突いていないんです。
ある種の、暴露的な内容でもあり、その意味では楽しめる本ではありますが、じゃぁ、どうしたらいいの?ってところは書かれていない。それは読者が考えろってことなんでしょうが・・。ちょっと断片的な情報しか載せられていないとも思います。とはいえ、思考の訓練にはなかなか活用できる本だとも思いますし、立ち読みするならいいんじゃないでしょうか?

それにしても、格差是正と言って、あれこれ規制をするような話があるけれど、どうなんだろうか。新しいルールに基づいて、やる人はやるだけのことと思う。根本的には、森永氏の言う「Bで生きる」と決めて、日々精進することのない人に、どういう変化をしてもらうかということではないだろうか?

いつの世にも、差というのは存在している。差がない世の中の方がおかしいわけだ。差が広がっているというのは、どういうことか。努力する人が、いくら努力しても、BからB+やA-にすらなれない状態というのが、社会的格差の時代なんだと思う。そうではなくて、努力しない人をそのまま認めて、努力した人と差があることがいけない、ということは別。
そうそう、社会保障の対象となる人は、決して今回の話とは別だからね。
まぁ、皆が努力したくなるような社会をつくること、それは重要。なんだか、そうではなくて、今、たまたま格差の上にいる人をつかまえて、下にいる人にとにかく還元するような道筋をつけて、中抜をしようとしているようにしか感じられない。
これから、BからAを目指している筆者としては、やる気をそがれる報道だと感じている。

ニッポン不公正社会

平凡社

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コメント
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