あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

サンタクロースの絵本の紹介 その2

2023-12-02 10:45:43 | 日記
前回に続いて、2冊目の絵本の紹介をします。

〇「サンタクロースっているんでしょうか」中村妙子:訳 東逸子:絵 偕成社

今から126年前のことです。
アメリカに住む8才の女の子(バージニア・オハンロン)が、新聞社に宛てて手紙を書きます。

    きしゃさま
  あたしは、八つです。
  あたしの友だちに「サンタクロースなんていないんだ。」っていっている子がいます。
  パパにきいてみたら
  「サンしんぶんに、といあわせてごらん。しんぶんしゃで、サンタクロースがいると
   いうなら、そりゃもうたしかにいるんだろうよ。」
  と いいました。
  ですから、おねがいです。おしえてください。
  サンタクロースって、ほんとうに、いるんでしょうか。

この女の子の質問に、1897年9月21日付けのアメリカ・ニューヨーク・サン新聞が社説の
中で、次のように答えてくれます。

  バージニア、おこたえします。サンタクロースなんていないんだというあなたのお友  
  だちは、まちがっています。
  ……
  そうです、バージニア。サンタクロースがいるというのは、けっしてうそではありま
  せん。この世の中に、愛や、人へのおもいやりや、まごころがあるのとおなじように
  サンタクロースもたしかにいるのです。
  ……

 バージニアの問いかけに、社説で真摯に答えるサン新聞社の姿勢に拍手をおくりたいと
思います。この絵本は、この社説で書かれた記事で構成されています。子どもにも理解で
きる言葉で、サンタの存在をやさしくあたたかく語りかけています。きっと、この記事を
書いた記者(フランシス・P・チャーチ)も、幼い時からサンタクロースの存在を信じ、大
人になっても忘れることなくサンタとともに生きてきた方だったのでしょう。
社説の中に、次のような一節があります。
「…サンタクロースをみた人はいません。けれども、それはサンタクロースがいないとい
 うしょうめいにはならないのです。この世界でいちばんたしかなこと、それは子どもの
 目にも、おとなの目にも、みえないものですから。…」

「星の王子様」でキツネが語った言葉「かんじんなものは目には見えない。心でさがさな
いと…」のように、見えるものだけが真実なのではなく、見えないものの中にこそ真実が
隠されてる。そんな思いで、フランシスさんはこの記事を書かれたのかもしれません。

 手紙を書いたバージニアは、やがて小学校の先生になります。どんな一生をおくったの
かについては、次の絵本で知ることができます。

〇「サンタの友だち バージニア」  村上ゆみ子:著  泉逸子:絵  偕成社
 その後のバージニアの人生を、孫や教え子に取材して書かれた小伝。
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