あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

カカ・ムラド(中村のおじさん)

2020-05-02 17:47:56 | 日記
『カカ・ムラド』は、昨年の12月4日にアフガニスタンで銃撃を受けて亡くなった中村哲さんの絵本のタイトルです。
今日の新聞に、その絵本がアフガニスタンで発刊されることを紹介する記事が掲載されていました。
作成に当たったのは、現地のNGO「ガフワラ」。
中村医師が、現地の診療所に赴任してから、地元住民の病気の原因を汚染された水にあると突き止め、住民を説得してかんがい水路を建設する
苦難の過程をまとめたもの。
絵本には、中村医師が「100年前は日本も貧しかった」と語りながら住民を励ます場面や
登場人物が、娘に「中村医師は父のように、人々の貧しさや苦しみを理解してくれた」と伝える様子も描かれているとのこと。
物語は、アフガンの公用語の一つ、ダリ語で書かれ、インターネットで先行公開し、まず1250部を出版し、学校や幼稚園に無償配布するそうです。
今後、ガフワラは別の作者による中村さんの絵本も出版する予定だそうです。
日本の複数の出版社から翻訳・出版の問い合わせもあり、日本でもその絵本を手にすることができるかもしれません。
是非読んでみたいと思いました。

中村さんが亡くなった時に、アフガニスタンでも多くの人がその死を悼んで集まり、遺影の周りにたくさんのろうそくの火が灯されました。
その時の写真に、現地の人が手にした 日本語で書かれたメッセージも写っていました。
「中村さん、あなたはいつも私たちの心の中にいます」
絵本がつくられたことを知り、この言葉を思い出しました。
絵本の作成に関わったアフガニスタンの人々の心に、中村さんは今でも生きているんですね。
『百の診療所より一本の用水路』
そう考えて、きれいな水が飲め、農業にも従事できるよう、2千本を目標に井戸を掘り、用水路を作り続けた中村医師。
『信頼』を大切に、武器を持たず危険と言われる村々にも進んで足を運んだ中村さん。
重機に頼らず、アフガンの人々が自力で用水路をつくり管理できるよう、用水路の工法も考えて取り組んだ 35年間だったのですね。
その志は、消えることなく アフガンの人々の中に 生きているのだと思います。

改めて 中村さんがアフガンの人々と歩んだ足跡を想い、その揺るぎない信念に圧倒される思いがします。



コメント
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