あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

詩『そのあと』 を読みながら

2015-03-11 20:50:50 | 日記
   そのあと
          谷川俊太郎 詩集「こころ」より 朝日新聞出版
そのあとがある
大切なひとを失ったあと
もうあとはないと思ったあと
すべてが終わったと知ったあとにも
終わらないそのあとがある

  そのあとは一筋に
  霧の中へ消えている
  そのあとは限りなく
  青くひろがっている

    そのあとがある
    世界に そして
    ひとりひとりの心に

東日本大震災の そのあとから 今日で4年が経過しました。
終わらないそのあとを 被災者の方々はどんな形で歩んできたのでしょうか。
被災の様子を知った人々は そのあとを どう過ごしてきたのでしょうか。

霧の中に消えた道を 
手さぐりしながら さまざまな思いを抱えながら
自分の足で 歩き続けてこられたのだと思います。

青く広がっているのは 
故郷で見続けてきた海そのものなのでしょうか。
途方もなく広すぎる 空の青さなのでしょうか。
復興への希望の道を 開く未来なのでしょうか。

限りなく青く広がる世界の中で
時には 立ち止り
時には 振り返って そのまえに 立ち戻り
それでも 前へ前へと 歩み続けた そのあと だったのではないでしょうか。

4年が経過した これからも
そのあとが 先へと続いています。
大切な人を失うことがあっても
もうあとはないと思っても
すべてが終わったと知っても

誰にも そのあとがあり

フランクルが語るように
それでも 人生が 自分を待っていてくれるのだと思うのです。