あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

レオ・レオニの絵本展

2013-06-07 21:15:40 | インポート

かっての教え子から 手紙と一緒に すてきなプレゼントが届きました。6/22~8/4 まで開催される 『 レオ・レオニ 絵本のしごと 』 展の 招待券が 2枚同封されていたのです。私の大好きな絵本作家だということを覚えていてくれて、送ってくれたようです。担任していた頃に、「フレデリック」や「スイミー」の絵本を紹介したように記憶しています。そのことを思い出してくれたことに、とてもうれしくなりました。

以前のブログでも、レオ・レオニの絵本を紹介したことがありますが、改めて私の好きな理由も含めてその魅力について書いてみたいと思います。絵本ではありますが、大人が読んでも共感でき、人間にとって大切なことを気づかせてくれる内容であり主題となっている作品です。

教科書教材としても掲載されたことのある「スイミー」は、レオ・レオニの作品の中でも、一番知られていて、愛読されている作品かもしれません。小さな魚たちが大きな魚から身を守るために、スイミーを中心にみんなで集まって、さらに大きな魚の形をつくって追い払う場面の 爽快感は、格別です。一人ひとりが小さくても、みんなで力を合わせれば 誰にも負けない 大きな力になることの すばらしさに 気づかせてくれます。

「あいうえおの木」 では、一枚一枚のお気に入りの葉に住みついた文字たちが、嵐に飛ばされないように 手をつないで単語をつくり、文をつくります。そして一番大事なことを文にして、大統領に伝えるという ストーリーです。一人ひとりが 手をつなぎ みんなの思いを込めて文をつくりあげることの すばらしさと その思いを伝えることの意味について 深く考えさせられる作品です。

一人の人間として、自らの内面を豊かにすることの大切さについて、気づかせてくれる作品もあります。「フレデリック」は、野ネズミですが、ちょっと変わったネズミです。みんなが長い冬を乗り切るためにせっせとえさ集めをしているのに、光や色や言葉を集めることをしていたからです。やがて冬になり、食べ物も話題も尽きかけていたころに、野ネズミたちはフレデリックが集めていたものを思い出します。そこで、フレデリックは 集めた お日様の光や 黄色い麦・赤いけし・野イチゴの緑など 集めた色、そして 詩人のように集めた言葉を 語ります。その話を聞きながら野ネズミたちは、幸せなときを過ごします。生きていく上で必要なのは、食べ物はもちろんですが光や色や言葉も・またそれを受け止め感じる感性も 大切なのだということを考えさせてくれる作品です。

「ペツェッティーノ」は、自分が何であるかを見出す作品です。自分は何かの部分品ではないかと考えたペツェッティーノは、自分の正体を知るための旅に出ます。いろんな出会いがあるものの、その答えを見いだせません。しかし、山で転んで自分のかけらを見つけた時に、悟ります。自分は、部分品ではなく自分であるということを。世界に一つしかない、自分であるということを。大きさや見かけに関係なく、確かに自分は自分であるということ。一人ひとり、一つ一つが、この世界にとって限りなく大切な一人であり、一つであることを気づかせてくれる作品です。

一人ひとりがこの地球にとって、かけがえのない 大切な存在であるということ。そんな一人ひとりが、力を合わせて生きていくことの大切さや尊さを教えてくれたのが、レオ・レオニの絵本だったように思います。そして、その中から学んだことが私自身の内に今でも生きています。

「あいうえおの木」で、文字たちが 大事なこととして つくりあげたメッセージは、何だったでしょうか。

『 ちきゅうに へいわを すべての ひとびとに やさしさを せんそうは もう まっぴら 』

このメッセージは、今でも私の中で 作者: レオ・レオニからの 大切なメッセージとして 生き続けています。

※ 『 レオ・レオニ 絵本のしごと 』 展

   期日:  平成15年6月22日〈土〉 ~ 8月4日〈日〉  

   場所: 渋谷・東京本店横  Bunkamura  ザ・ミュージアム