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あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

再び谷川俊太郎の詩集から

2010-09-10 07:12:49 | インポート

        ありがとう

                           谷川  俊太郎

空 ありがとう / 今日も私の上にいてくれて /

曇っていても分かるよ / 宇宙へと青くひろがっているのが /

花 ありがとう / 今日も咲いていてくれて /

明日は散ってしまうかもしれない / でも匂いも色ももう私の一部 / 

お母さん ありがとう / 私を生んでくれて /

口に出すのはてれくさいから / 一度っきりしか言わないけれど /

でも誰だろう 何だろう / 私に私をくれたのは?

限りない世界に向かって私は呟(つぶや)く / 私 ありがとう

         <みんなの谷川俊太郎詩集 ハルキ文庫より>

 いつも頭の上に広がっているのに、そこに在ることを忘れてしまう空。空気のように在ってあたりまえといった感じの存在。でも、確かにいつも上にいてくれて、その明るさと広さと深さで自分が包んでもらっているような感じがする時がありますね。転校していった子に、遠く離れていても空はつながっているからと話したことがあります。同じ空の下で生きているという感じを大切にしたいものだと思います。青い空は、たどりつけない憧れのような思いでもあります。曇っていても、宇宙へと青く広がる空のことを想い描くことのできる自分でありたいものです。

 花への感謝は、バラの花を愛した星の王子様の気持ちと重なります。「だれかが、なん百万もの星のどれかに咲いている、たった一輪の花がすきだったら その人は、そのたくさんの星をながめるだけで、しあわせになれるんだ。そして<ぼくのすきな花が、どこかにある>と思っているんだ。」「ぼくは、あの花のおかげで、いいにおいにつつまれていた。明るい光の中にいた。」※「星の王子様」 サン・テグジュペリ作 ・ 内藤 濯訳、岩波書店刊より

 三連目の母親への感謝は、全く同感です。心の中では、何度も生んでくれてありがとうを語っているつもりなのですが・・・・・・口に出すのは、本当に てれくさいものです。自分が父親になった時にも、母親となった妻に対して、同じような感謝の気持ちを抱いたことを思い出します。自分たちの子を生んでくれてありがとう!・・・この言葉もてれずに伝えることができたかどうか・・・?

 四連目は、私から私への感謝の言葉。最近も、子どもの自殺のニュースを聞き、とても悲しくなりました。辛く悲しいことがあっても、私というものを私自身が認め、好きになれば、死を選ぶことはなかったのではと思います。自分で自分に「ありがとう」と言える私でありたいものです。そうして自分を大切にできるからこそ、他人も心から大切にできるのではないかなと思います。

 自分とかかわるすべての人や 目の前あるすべてのものに、

 心から「ありがとう」と 言える 一日一日を過ごしていきたいものですね。