土曜日に京都国立博物館へ行ってきました。
絵画の冒険者 暁斎 Kyosai-近代へ架ける橋-
なんかすんごいタイトルです。今回も京都に見に来てくださいってことですからね、これは行かなくちゃなりません。
巡回がないのをいいことに京都へ行く口実にしちゃってるなあ。
このあと、細見美術館へ行きさらに松本に15時に入るという無謀なスケジュール。
まあ、それはいつものこととして、今回ちょいと懸念してることがありました。
東京国立博物館のパスポートで見られる特別展6回の枠をすべて使ってしまってたのです。
これがあればチケットを買わずにすぐに列に並べるというメリットがあるのです。
昨年の狩野永徳展は活用しましたからね。
ということでチケットを駅で探してみました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/50/5ed6871cfbc562c2a07af330a47afecf.jpg)
ちゃんと観光案内所みたいなところで販売されてました。
チケットを手に入れてほっとしたのもつかのま。
すぐさま、京博へと急ぎます。
タクシーの乗り込んですぐにつきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/c7/aff9a06182a48dabf419a678d16ea939.jpg)
この間来たのは若冲小特集の時でした。あの時は金曜日の夜で真っ暗でした。
このれんがの建物も印象がぜんぜん違って見えますね。
開場前に既に列が出来てました。でも日曜美術館の放送前でよかったです。
後だと絶対に混みますもんね。
会場に入ると予想通り、最初の部屋がごった返してました。
まずはスルーして、次の部屋から見ることに。
暁斎ってやはり幅が広いなあと思いました。
ものすごく絵としてきちんとした技量をもちつつも、作品によっては面白さを優先させてしまってたりして見てて楽しいんですよね。
決して応挙の描くわんこのようなかわいさはないのだけど、カエルの絵はどれもユーモアがあって楽しめる。
今回も放屁合戦には笑わせてもらいました。このばかばかしさをげらげら笑えるところって昔のひとも今のひとも共感出来るところですよね。
昔をすごく身近に感じられるのが素直にうれしい。
かと思えば、鐘馗の絵なんて気合い入りまくりで張りつめた美しさがあるんですよね。
暁斎は2月に成田山でたくさんの作品を見てきました。
<関連記事:天才絵師 河鍋暁斎(成田山霊光館)、酔うて候~河鍋暁斎と幕末明治の書画会(成田山書道美術館)>
今回の展示でも2月に見たものがありましたが、やはり今回見たものについて書くことにします。
一番、長い時間とどまって鑑賞したのが幽霊図。
右左ともに同じ「幽霊図」なるタイトル。
暁斎って積層的に描くんですよね。
着物の布の折り重なる感じは至極合点がいくのですが、皮膚の描写まで同じ感じにすることで幽霊のひと成らざるものの恐ろしさが上手く表現出来てるなあと思いました。
右は男の幽霊が女の首をくわえて漂ってる。
かっと見開いた目が忘れられませんね。立ち上る白い煙のような描写がはかなさを感じさせてくれます。
そして左も同じく幽霊図。なんと初公開とのこと。
こちらも魅入ってしまいました。
なんていうんでしょうね。すごく気味の悪い絵なんだけれどもじっくりと見てしまう。気が立ち上ってるとでもいうんでしょうか。
怒りの表情が瞳を捉えてなかなか離してくれません。
あと見てて気づいたこと。下あごがあるのにさらにその上にもう一つ下の歯がある!
これ、なんなんでしょうね。。。すごく気になります。お酒飲んで酔っぱらって描くタイプの絵ではないと思うんですよね。
先日、NHKで放映されたETV特集「画家 松井冬子」。
実はオンタイムで見れなくて木曜に見たばかり。
自分の描く絵にインスピレーションを与えてくれるものというような話のくだりで出てきたのが、九相図と河鍋暁斎と聞いて納得でした。
松井さんの描く幽霊画のトーンって暁斎とつながってますよね。松井さんのほうがすごく計算をたてて作成してるかなって感じがしました。
ひとが死んでから骨でなってくまでの過程を描いた九相図。
今回、暁斎の描いた九相図もあってこちらもつながってるなあと。
にしてもこんな気持ちの悪いものなのに目をじっと向けて見てしまうのは何なんでしょうね?
さて、幽霊図ばかりが暁斎ではありません。
これはこれでおかしい作品。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/cc/82ce3cb5297eaf3e4697b97828c60f87.jpg)
「地獄太夫と一休」
メインビジュアルでやたらと使用されていた骸骨。
実は京博の前に看板でよく見てあぜんとしてしまったのです。
この、三味線を弾く骸骨に。
ロック系のTシャツに描かれるであろうビジュアルイメージが100年以上も前に描かれているんですからね。
三味線をエレキギターに取り替えても違和感ないでしょ?
酒飲みでしかもこういう突飛なことをさらりとやってのける暁斎。
実際の人物像が気になりますね~。ほんと、どんなひとだったんでしょう。
さて、この日は松本まで行くスケジュールですが迷うことなく図録を購入。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/6d/9ef667bdceb994f244943cbd6702b79f.jpg)
やっぱり、重かった~。
5/11まで。
絵画の冒険者 暁斎 Kyosai-近代へ架ける橋-
なんかすんごいタイトルです。今回も京都に見に来てくださいってことですからね、これは行かなくちゃなりません。
巡回がないのをいいことに京都へ行く口実にしちゃってるなあ。
このあと、細見美術館へ行きさらに松本に15時に入るという無謀なスケジュール。
まあ、それはいつものこととして、今回ちょいと懸念してることがありました。
東京国立博物館のパスポートで見られる特別展6回の枠をすべて使ってしまってたのです。
これがあればチケットを買わずにすぐに列に並べるというメリットがあるのです。
昨年の狩野永徳展は活用しましたからね。
ということでチケットを駅で探してみました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/50/5ed6871cfbc562c2a07af330a47afecf.jpg)
ちゃんと観光案内所みたいなところで販売されてました。
チケットを手に入れてほっとしたのもつかのま。
すぐさま、京博へと急ぎます。
タクシーの乗り込んですぐにつきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/c7/aff9a06182a48dabf419a678d16ea939.jpg)
この間来たのは若冲小特集の時でした。あの時は金曜日の夜で真っ暗でした。
このれんがの建物も印象がぜんぜん違って見えますね。
開場前に既に列が出来てました。でも日曜美術館の放送前でよかったです。
後だと絶対に混みますもんね。
会場に入ると予想通り、最初の部屋がごった返してました。
まずはスルーして、次の部屋から見ることに。
暁斎ってやはり幅が広いなあと思いました。
ものすごく絵としてきちんとした技量をもちつつも、作品によっては面白さを優先させてしまってたりして見てて楽しいんですよね。
決して応挙の描くわんこのようなかわいさはないのだけど、カエルの絵はどれもユーモアがあって楽しめる。
今回も放屁合戦には笑わせてもらいました。このばかばかしさをげらげら笑えるところって昔のひとも今のひとも共感出来るところですよね。
昔をすごく身近に感じられるのが素直にうれしい。
かと思えば、鐘馗の絵なんて気合い入りまくりで張りつめた美しさがあるんですよね。
暁斎は2月に成田山でたくさんの作品を見てきました。
<関連記事:天才絵師 河鍋暁斎(成田山霊光館)、酔うて候~河鍋暁斎と幕末明治の書画会(成田山書道美術館)>
今回の展示でも2月に見たものがありましたが、やはり今回見たものについて書くことにします。
一番、長い時間とどまって鑑賞したのが幽霊図。
![]() | ![]() |
暁斎って積層的に描くんですよね。
着物の布の折り重なる感じは至極合点がいくのですが、皮膚の描写まで同じ感じにすることで幽霊のひと成らざるものの恐ろしさが上手く表現出来てるなあと思いました。
右は男の幽霊が女の首をくわえて漂ってる。
かっと見開いた目が忘れられませんね。立ち上る白い煙のような描写がはかなさを感じさせてくれます。
そして左も同じく幽霊図。なんと初公開とのこと。
こちらも魅入ってしまいました。
なんていうんでしょうね。すごく気味の悪い絵なんだけれどもじっくりと見てしまう。気が立ち上ってるとでもいうんでしょうか。
怒りの表情が瞳を捉えてなかなか離してくれません。
あと見てて気づいたこと。下あごがあるのにさらにその上にもう一つ下の歯がある!
これ、なんなんでしょうね。。。すごく気になります。お酒飲んで酔っぱらって描くタイプの絵ではないと思うんですよね。
先日、NHKで放映されたETV特集「画家 松井冬子」。
実はオンタイムで見れなくて木曜に見たばかり。
自分の描く絵にインスピレーションを与えてくれるものというような話のくだりで出てきたのが、九相図と河鍋暁斎と聞いて納得でした。
松井さんの描く幽霊画のトーンって暁斎とつながってますよね。松井さんのほうがすごく計算をたてて作成してるかなって感じがしました。
ひとが死んでから骨でなってくまでの過程を描いた九相図。
今回、暁斎の描いた九相図もあってこちらもつながってるなあと。
にしてもこんな気持ちの悪いものなのに目をじっと向けて見てしまうのは何なんでしょうね?
さて、幽霊図ばかりが暁斎ではありません。
これはこれでおかしい作品。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/cc/82ce3cb5297eaf3e4697b97828c60f87.jpg)
「地獄太夫と一休」
メインビジュアルでやたらと使用されていた骸骨。
実は京博の前に看板でよく見てあぜんとしてしまったのです。
この、三味線を弾く骸骨に。
ロック系のTシャツに描かれるであろうビジュアルイメージが100年以上も前に描かれているんですからね。
三味線をエレキギターに取り替えても違和感ないでしょ?
酒飲みでしかもこういう突飛なことをさらりとやってのける暁斎。
実際の人物像が気になりますね~。ほんと、どんなひとだったんでしょう。
さて、この日は松本まで行くスケジュールですが迷うことなく図録を購入。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/6d/9ef667bdceb994f244943cbd6702b79f.jpg)
やっぱり、重かった~。
5/11まで。
TBありがとうございました♪
よかったですよねえ!
ほんと、いけてよかったって思いました。
あおひーさんは幽霊図がお気に召したのですね。
松井冬子さんのテレビも見ました。
もちろん松井さんが暁斎好きなことになんの異存もないのですが、あの番組のつくりにはちょっと物申したいというか…あれでは暁斎の一面しかとらえてないというか…ぶつぶつ。
なんて、あれは暁斎の番組ではないですもんね^^;
こんな理不尽な肩入れをしたいくらい暁斎好きです!
ほんと、行った甲斐がありました。
松井さんのテレビ、なかなかに楽しめました。
>なんて、あれは暁斎の番組ではないですもんね^^;
そうなんですよね。
あの出し方だと暁斎イコール怖いだけになってしまいますものね。
テレビは時間が限られてるのでそこが難しいですね。
初コメントです。よろしくお願いいたします。
先日おっしゃっていた強行スケジュール無事に
達成されたようですね。すご~い!
暁斎は、私も来週末行く予定です。
図録は私はぐっと我慢の予定(笑)
最新の記事のお花の写真、村上隆の笑うお花、
現実のお花と結びつけてみた事ありませんでしたが、
確かに、きれいなかわいい花々の一面を
表現してますね~(実はシールを持っていたりします)
グルメと美術の旅、うらやましいです~
はじめまして。
いつも見てくださってありがとうございます!
あれだけの質とボリュームでかつバラエティに富んだ内容でしたからほんと、疲れましたね。でも、満足感いっぱい。
「地獄大夫と一休」は一休のポーズもいいですね。
あと構図もすごく無茶してるのだけども、ぎりぎりで収まってるのがさすがです。
これからもよろしくお願いいたします
>ウルトラマリンブルーさん
ええ、また無茶をしちゃいました。
知人からは生き急いでると言われる始末(笑)
暁斎、楽しんできてくださいませ。
あのお花、見ててはっと閃いてしまいました。
村上さんは作品よりもグッズが好きですね。
これからもよろしくお願いいたします
今回は、細身美術館+京都国際マンガミュージアムの暁斎展にて。
多才な暁斎、肉筆画ばかりでとても堪能できました。彼の幽霊は怨念がこもる表情で見事な程。私は蛙や妖怪の味わいある表情が好きです。図録は内容と価格の見合いで買い!
京都のみでというのは意地を感じますね。
でも、おかげで京都に行く口実になるのがうれしかったりして。
わたしも細見をはしごしてきました。今回は駆け足dしたので、今度はもう少しゆっくり行きたいなあと思っています。
>私は蛙や妖怪の味わいある表情が好きです。
暁斎のカエルがユーモラスに見えるのって、やはりポーズがしっかりしてるからでしょうかね。
決してかわいい顔で描かれていないのにそう思えるのがやはり筆のチカラなんでしょうね。