あお!ひー

叫べ!いななけ!そして泣け!雑多なことを書いてみる。

ヒュー・スコット=ダグラス展(栃木県立美術館)

2016-05-02 22:17:21 | アート系

栃木県立美術館で開催中のヒュー・スコット=ダグラス展に行ってきました。

村上隆さんのカイカイキキギャラリーで個展を行っていた作家さんだったので気になっていたのです。

というわけで栃木に訪れたついでに行ってきました。


久々の栃木県立美術館。

ミラーに映る青空を見てのとおりの気持ちいいお天気でした。


チケットを購入するとリストの他にこのような冊子を頂けます。

なんと16ページ。

中にはヒュー・スコットによるステイトメントも。

ただし、この文章の最後に下記のとおり書かれてました。

[編者註:このステイトメントは2016年1月末時点のもの]

そして、紙ペラ1枚のリストの裏面にはステイトメント2が掲載されています。

ただし、こちらにも以下の注意が記載されている。

[編者註:このテキストは4月初めに届いたものであり、実際の展示状況とはズレがある。よって[ ]内は編者による補足である]。

どうしてこういうことを書いたかというとブルーの冊子のステイトメントをちゃんと読んで作品と向き合うと実際の展示作品とうまく合わない説明があるのです。

どちらかというとステイトメント2のほうが実際に近いと思いました。

さて、前書きが長くなりましたが本編です。

今回は、展覧会場内でのスナップ写真撮が許可されており、撮影した画像をSNSなどで公開することが出来るとのこと。
(※ストロボ、三脚の使用は禁止。また動画の撮影もNG)


会場に脚を踏み入れるとプリント作品と何やら袋が連なるオブジェ。

全12点からなるプリントは「ボケ」というタイトル。

アルミニウムにマウントしたクロモジェニック・プリント。


近くに寄るとこんなふう。

ドット状の連続を撮影したもののよう。

ステイトメント2にその答えは書かれてて写真撮影用の照明パネルとのこと。

ぼかすことでこのドットが溶けて別のフォルムに変容する。そのシンプルな形のバリエーションが面白い。

袋はというと梱包材で使われる紙製のエアバッグ[ダネージバッグ]。

さらにその中に空気を入れる際に粉末にした油性顔料を加えたとのこと。


近付いた時に見えるこの汚れがそうではないかと思うのですが。。

これは中を開封して実際に顔料がどう広がってるかということがものすごく気になりました。

キャンバスの上に絵具を塗る絵画の裏返しにしたかのようなイメージ。


そしてスライドの作品。

このスライドプロジェクターの存在感がいい。

ガシャッと音がして画像が切り替わる。

物理的な装置がリアルタイムで生成する音はやっぱり気持いい。


投影されるスライドは映画の予告編のフィルムをコラージュしたもの。

パーフォレーションはもちろん、音声の波形データも入ってて妙な強度があるんですよね。


追加されたであろうこの矩形や市松模様などのラインが力強く迫力がありました。

声や音楽、台詞のない画像を連続して見る事でこちらの内側にあるイメージを呼び覚まされるよう。

全体を通して感じたのはシンプルな力強さ。

こういった現代美術の先端の作家の個展を開催しちゃう栃木県立美術館の思い切り、素敵です。

6/19まで。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

生誕300年記念 若冲展(東京都美術館)

2016-04-27 22:57:23 | アート系

若冲とあらばどこまでも!

それくらいの気持ちになってしまいます。

ちょうど10年前、お正月の東京国立博物館で水墨で描かれたタマゴ型の鶴に出会ってからというものあっという間でした。

その後、三の丸尚蔵館での「動植綵絵」を皮切りに、プライスコレクションでの「鳥獣花木図屏風」、MIHOミュージアムでの「象と鯨図屏風」と追いかけてきました。

そして、今回の生誕300年記念 若冲展。

2007年に相国寺承天閣美術館で見てから9年。

「釈迦三尊像」3幅と「動植綵絵」30幅が一堂に会します。

こんなに嬉しいことはありません。

というわけで昨日、休暇を取得して参戦してきました。

会場に到着したのは12時20分頃。

すでに門のところまで行列が出来ていました。

入場までの時間が記載されたプレートには非情にも80分の待ち時間が。

というのも日曜の夜にNHKで今回の若冲展に絡んだ内容の番組を放映したばかり。

翌日4/25は休館となっていたのです。

まあ、あれを見ちゃうと多くの方が来場されるのも納得です。

なんとか日差しと暑さを乗り越えて会場になだれ込みました。

まあ、中もすごいひと。さーて、どうしよう。

と考えてるうちに同行していた奥さんを見失ってしまいました。人が多すぎてどこにいるかわかりません。一応、後で待ち合わせはしたので大丈夫かなあと割り切って鑑賞スタート。

今回は地下1階、1階、2階と3フロアを使った構成。

まずは見られるところをがんがん行ったほうがいいだろう。乗興舟はものすごく混んでてパス。

地下は鹿苑寺の襖絵をザっと見てあとは遠目にし1階へ上がります。

うーわー!!

「釈迦三尊像」を正面に据えてその左右を15幅ずつの「動植綵絵」が円形に並びます。

会場にはリストの図面にも描かれているように3本の柱が中央に聳えていて、中に入ると真ん中の柱が邪魔してお釈迦さまが見えません。

最初はこの構成がよろしくないなあと思って見てたのですが、奥に踏み入って初めてその姿を拝めるというのはこれはこれで有り難みがあるなあと思うようになりました。

それにしても圧巻でした、このフロア。

以前にも「動植綵絵」は3回見ていますがここまで近くで見たのは初めてかと。

ガラスからの距離が15〜20センチ程度でしょうか?「動植綵絵」に限らず他の作品もそうですがほんとに近くてどれほど細密に描かれているのかがよくわかります。

「動植綵絵」については柵みたいなガードがあるもののそれでもかなり近くてくらくらしちゃいました。

さて、お次は2階へ。

菜蟲譜がものすごいひとだかりでせっかく全編を一度に見られる機会だけどもまずはスルー。

「池蓮図」の寂しい画面が印象的、ラストはプライスさん所蔵のコーナー。

とまあ、最初一時間はこんな感じでした。

若冲についてはこれまでに何度もみてるので個別の作品の感想はかなり偏ってしまうかもしれませんが書いてみたいと思います。


5.糸瓜群虫図

植物と虫たちがなんともいい!

世界の調和をとてもシンプルに描いてる。やはり仏教のひとなのだなあと。虫たちへの目線のなんと優しいことか。


11.旭日鳳凰図

どれもすごいのだけどもこの豪華さはちょっと抜きん出てる。動植綵絵は一揃えだから別として。

単一の作品としての盛り込み具合はちょっと異様。

鳳凰だけでもくらくらしちゃうのにあの独特の波頭のフォルムがたまりませんね。


18.達磨図

今回見た中で数少ない初見。

パッと見だと口のフォルムが独特で面白いものだと思ってみたらさにあらず。

近付いて見てみるととても怖い荘厳な表情。距離でこうも印象が違うとは。


21.竹虎図

▲で描かれた竹が圧巻!

もう抽象でしょ。勢いでもってってる。かなりの力技。

こういうあさってのところから不意打ちくらう感じ、たまりませんね〜。


続いて1階へ。


2-2.動植綵絵 老松白鳳図

このレースみたいな白には目が釘付けになりますね。

裏彩色、輪郭線なしで得られるこののトーン。


2-14.動植綵絵 牡丹小禽図

牡丹がなんとも艶かしい。

こちらに迫ってくるかのよう。色香ただよう。


2-14.動植綵絵 紫陽花双鶏図

鶏のつがいのそれぞれのポーズと表情がお見事。

描写は細密で一見、リアリズムっぽいのだけども実際の鶏は出さない表情がここにある。


2-20.動植綵絵 雪中錦鶏図

雪の白と、歯の虫食いのようなフォルム。

錦鶏の赤が艶やかで美しい。じっくりと見入りました。


2-27.動植綵絵 蓮池遊魚図

動植綵絵の中で個人的に一番好きな作品。

美しい絵なのだけどよおく見てくとその構成がとてもおかしいことに気付いてしまう。

このお魚たちはどういう状況なんだろう。

蓮のお花が回りを囲んでいる。これはどういう視点??

若冲って位相と空間がおかしくなるようなのをいくつか描いてて、見てやられた〜って気になる。


2-30.動植綵絵 桃花小禽図

以前に見た時にそこまで印象に残らなかったのだけどもすごく気に入ってしまいました。

桃色と白の花。白と青の鳥。

控えめそうに見えて画面全体が調和を保ったままこちらに向かってくる静かな迫力。シンプルだけども面に力を感じました。


動植綵絵には迷いなき強い信心を感じました。

自分の帰依する仏教のためにやろうと。

それでこの33幅なし得る持続力、構成力。それが今もそろいで残ってる。応挙も狩野派の絵師もこういうボリュームとクオリティで作品を生み出して現存しているというのは無いと思うんですよね。

さて、最後は2階へ。


7.雪梅雄鶏図

雪のところの稜線がグレーなんですよ。

これは若冲の他の作品には見られないように思います。


37.三十六歌仙図屏風

岡田美術館、いいの持ってるなあと。

人物の生き生きした感じとやってることの可笑しさにふいちゃいます。

売茶翁像みたくちゃんとした肖像も描くのにコミカルなものもちゃんと味わい深かったり。

ほんと引き出し多いです。


46.虎図

かわいい〜。

なのにものすごく細かく描かれた毛。

虎の上の木は水墨でこっちはまるで違ったトーン。


とけっこうざっくりですがこんな感じでしょうか。

GW前の平日でこの混雑です。

会場内はひとでごった返してて巻物の「乗興舟」と「菜蟲譜」は全部見られませんでした。

予め公式ホームページに掲載されたリストで気になるものを見ると決めて行くのもよいかもしれませんね。

5/24まで。

<おまけ>

今回の図録です。鶴がいいでしょ。

ショップもかなり混雑してるのでもし図録だけであれば中庭の臨時売店で購入可能なのでそちらがよいでしょう。こちらはすぐに購入出来ました。

あとクリアファイルなども若干、在庫していました。


<若冲関連記事>
若冲と蕪村(サントリー美術館)
京都細見美術館展Part2 琳派・若冲と雅の世界(そごう美術館)
若冲水墨画の世界(相国寺承天閣美術館)
伊藤若冲アナザーワールド−前期展示−(千葉市美術館)
伊藤若冲アナザーワールド(静岡県立美術館)
若冲ワンダーランド(MIHOミュージアム)
若冲、若冲、若冲!(特別展「皇室の名宝―日本美の華」での動植綵絵)
「日本の美と出会う」(日本橋高島屋)での若冲作品
山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年(府中市美術館)
小特集「若冲を愉しむ」(京都国立博物館)
「金刀比羅宮 書院の美 〜 応挙・若冲・岸岱から田窪まで」(金刀比羅宮)
若冲とその時代(千葉市美術館)
金刀比羅宮 書院の美― 応挙・若冲・岸岱 ―(東京藝大美術館)
若冲展(相国寺承天閣美術館)
花鳥−愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第1期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥−愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第2期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥−愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第3期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥−愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第4期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥−愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第5期(宮内庁三の丸尚蔵館)
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

ファンタスティック 江戸絵画の夢と空想−後期展示−(府中市美術館)

2016-04-17 12:14:39 | アート系

(府中市美術館)ファンタスティック 江戸絵画の夢と空想−後期展示−


毎年、春となると府中市美術館は素敵な展示をやってくれてました。今回から「春の訪れ江戸絵画まつり」と銘打つこととなりました。これからも毎年春にやってくれるとお墨付きを頂けたみたいで嬉しいですね。


さて、今回も気になった作品について書いてみたいと思います。冒頭のナンバーはリストの番号となります。



3.柴田是真「三日月図」

漆でなくって水墨なのだけども雲の部分がとてもよい。フォルムといい濃淡といい美しい。




14.円山応挙「雲峰図」

シンプルなフォルムだけで描く雲。

この時代によくもこういうアプローチをやってのける。

もくもくと立ちあがるフォルムが玉堂のファロスタワーにもつながってるかなあと。


33.岡本秋暉「日々歓喜図」

このタイトル、メモを見返してしまった。作品と繋がらない。

波の上を群舞する蝶たち。

波の線が黒で描かれていて手前はくっきり、奥にいくにつれてだんだん薄くなっていってる。

蝶は白で描かれていて波の描写とうまく合っている。


71.鳥居清長「金太郎」

クマがかわいいのはもちろんなんだけど、手前のカラス天狗がかわいい。


73.魚屋北渓「山姥金時図」

山姥の乳を飲む金太郎。

目を奪われたのはその背景。

山の断崖絶壁の線がエッジが立っててキレッキレの描写。


79.鳥文斎栄之「孟宗図」

竹の葉の凛とした佇まいに惹かれる。

光の差し込む部分の斜線が白で飛んでてそこに竹は描かれていない。


93.田公実「竜・虎・鷹・鯉図」

中でも虎と鷹の目ヂカラが半端ない。

絵としては虎図が一番よく描けてる。なによりもその細かい毛並み。一本一本細密に描いていて目が釘付けになる。のだけど、お手手はなんともかわいらしくてギャップがおかしい。


107.高井鴻山「妖怪図」

線が安定してしていない。ブレてるというかビリビリしている。

さかざきちはるさんのSuicaペンギンに見られるビビり線の周波を変えたというような感じ?
絵の見た目の印象からいったらまったく繋がらないのだけども。

異様なキャラのオンパレードがこの筆使いで描かれていることで妙な存在感を放つ不思議。


91.伊藤若冲「亀図」

亀自体は薄い墨で甲羅が筋目書きで描かれてる。なんともかわいらしい。のだけど、そこはやっぱり若冲。

後ろに伸びる毛の豪快な筆さばき!勢いがありまるで違うテイスト。こういう両極を一枚に収めてしまう。流石です!


121.東東洋「煙霞山水図」

三幅対なのだけど真ん中に描かれている馬上の人物に強く惹かれた。後ろ向きで笠と着物のみ。

顔どころか首さへもない。本当にこの人は存在してるのだろうか?そんな風に思ってじーっと見つめてました。
実は今回、一番好きな作品でした。


153.長沢蘆雪「蓬莱山図」

いびつ!なんだろう?この安定を放棄したかのような非日常感。

やはり蓬莱山という神秘の領域を表すにはこうするしかないと思ったのか?


109.「柳橋水車図屏風」

同じモチーフの屏風は以前にも見てるけどカラーリングがよいなあと。

基本、橋や水車、雲は金なのだけど、水が茶色というのがなんとも意外。

柳の枝のカーブが木をまあるく見せてて面白い。


111.土佐光貞「吉野・竜田図」

画面の下半分を描いていない。

真ん中に紅葉と桜を、上方に書をもってくるバランスがなんとも粋である。


124.伊藤若冲「乗興船」

大典による文章がところどころはいる。

拓版による黒みの多い画面が記憶の向こうの景色という印象。

小さく描かれた人がのフォルムがなんともよい。


125.長沢蘆雪「朧月図」

墨だけで描いた月。画面上方に雪がちらついてる。

なんともかわいらしい。


149.葛飾北斎「富士越竜図」

富士山の稜線がけっしてシャープではないのだけども角度とカーブが絶妙。すっごくかっこいい。



とまあ全部は書けませんがけっこう気に入った作品が多かったなあと。


会場にはリストの他に画家解説のプリント(なんと8ページ、ホッチキスどめ)と、「ファンタスティックたんけんたい」なるお子さん向けのカラーのも。


「ファンタスティックたんけんたい」はちゃんとやっておけばよかった。大人でも気づかないところがあるので要チェックですよ。


あとこんなのもありました。月が予め印刷されているハガキに用意されているハンコを自由に押すのです。

お一人様一枚限り。うさぎさんを押してみました。こういうのはやっぱり嬉しいですね。

さて、毎回のことなのですが、この江戸絵画まつりにくると思うのですよ。

見終えてなんと満足度の高い展示だったなあと。

また来年も行きたいですね。

5/8まで。

<江戸絵画まつり関連記事>
2013年「かわいい江戸絵画 後期展示(府中市美術館)
2012年「三都画家くらべ−京、大坂をみて江戸を知る
2009年「山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年
2007年「動物絵画の100年 1751−1850
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

ボストン美術館所蔵「俺たちの国芳 わたしの国貞」(Bunkamuraザ・ミュージアム)

2016-03-27 01:01:04 | アート系


Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中のボストン美術館所蔵「俺たちの国芳 わたしの国貞」に行ってきました。

ボストン美術館所蔵とくればもうこれは!いい印象しかありません。

2008年 ボストン美術館浮世絵名品展(福岡市美術館)

2011年 ボストン美術館 浮世絵名品展(山種美術館)

と過去2回、ボストン美術館の所蔵品の展覧会を見ています。

特に経年劣化しやすい紫がキレイに残っていた状態のよさはよく覚えています。

しかも国芳ときたらもう間違いなくキャッチーでよさげな感じ。

ということでわたしとしては珍しく会期スタートして早々に行ってこれました。

各ブロックの見出しがとてもよい展示となっていました。

この後、登場していきますがキャッチフレーズがとてもわかりやすく入って行きやすいのです。

では気になった作品を順番にとりあげてみたいと思います。No.はリストに記載されている番号になります。

なお、キャプションには国芳と国貞の作品それぞれが一目でわかるように、国芳は緑の○で芳、国貞はピンクの○で貞と表示されています。これも親切でわかりやすいです。


一幕目の一
スカル&タトゥー・クールガイ
髑髏彫物伊達男


もうこの見出しがイカすでしょ?

文中にも「背徳」って書いてパンクとふってあったりよい感じ。

7.歌川国芳「国芳もやう正札附現金男 野晒悟助」

冒頭のチケット画像のメインビジュアル。

単にスカルだけでかっこいいと思ってたら、着物の柄の髑髏がにゃんこが集まってて実はかわいいという仕掛け。

シャレてますよね。ほんと粋だと思います。

下駄の髑髏もかっこいいです。


一幕目の二
モンスターハンター&ヒーロー
物怪退治英雄譚


14.歌川国芳「清盛入道布引滝遊覧悪源太義平霊討難波次郎

オレンジのグギグギした直線が印象的。

黒とインディゴとのコントラストもよい。

画面構成でもう引きつけられっぱなし。

マーク・グロッチャンを横に並べてみたいなあと思ってしまいましたよ。


20.歌川国貞「天竺徳兵衛実ハ義仲一子大日丸」

縦2枚続き。下にはでっかい蝦蟇。

上はカエルの上に立つ大日丸。

このカエルの表情がなんか好きなんですよ。かわいいわけでもかっこいいわけでもないのですけど。何を考えてるんだろうって。


一幕目の三
ホラー・オブ・ウォーター
畏怖大海原


22.歌川国芳「大物之浦海底之図」

画面左のカニが奥へどんどん続いてく様が異様。

そして、何故か海底でちょんまげのサムライが挑んでいるという姿がシュール。


一幕目の四
ゴースト&ファントム
異世界魑魅魍魎


30.歌川国芳「木曾街道六十九次之内 細久手 堀越大領」

背後に浮かぶ磔モチーフの人形が本気で怖い。大根のようでヤバイ表情を見せている。

袖口から細い手がにょろーと伸びてるのも怖い。

全体の風景がきちんと描かれた中でこの部分だけ出来の悪いイラストをコピペしたかのような居心地の悪さ。


一幕目の五
サムライウォーリアー
天下無双武者絵


一瞬、トルーパーとか空目したのは気のせいってことでw

37.歌川国芳「和田合戦 義秀惣門押破」

怪力で門の閂(かんぬき)をぶっ壊している光景。ダイナミックな壊れっぷりが気持ちいい。

構図における画面上のパーツの配置がハマっています。



二幕目の一
トライアングル・オブ・ラブ
三角関係世話物


45.歌川国貞
筆魁曽我福贔屓
「近江の小ふじ 坂東しうか」、
「八幡屋お三 尾上菊次郎」、
「曽我十郎祐成 市むら羽左衛門」

縦3枚続き。

上2枚、石階段の上で刃を合わせる女性2人。解説によると仇討ちのよう。

見てハッと息を飲む。拮抗する様が上下で緊張感が走る。


二幕目の二
カブキスター・コレクション
千両役者揃続絵


48.歌川国貞「大当狂言ノ内 八百屋お七」
五代目岩井半四郎

目千両と言われたほどの目力っていったいどんなものだったのでしょう。

妙味のある表情でチカラ強さよりもむしろいたずらでかわいらしい雰囲気も少し感じられる。


二幕目の三
オフステージ
楽屋裏素顔夢想


歌舞伎役者が準備してたりくつろいでたり。

建物の中のいろんな場所でいろんなおとやってるのを見るとどことなく山口晃さんの絵を思い浮かべてしまったり。


二幕目の四
ザッツ・エンターテイメント
痛快機知娯楽絵


85.歌川国芳「開運出世合躰七福神」

七福神のいいとこ全部どり。

っていうか、なんか超合金の合体ロボな感じ。

日本的ですよね〜、こういうの。


二幕目の五
ファニー・ピープル
滑稽面白相


91.歌川国芳「子供遊土蔵之上棟」

梁や柱がどうなってるのかついつい目をこらしてしまう。

実はエッシャー的に見えてしまって意外や意外。


二幕目の六
エドガールズ・コレクション
今様江戸女子姿


129.歌川国貞「春夕美女の湯かゑり」

画面左の女性の持つ提灯からの明かりがプロジェクター投影みたい。

注目すべきは背景の人物がシルエットで描写されていること。

これが今回、絵画的(まあ、版画ではあるけども)には一番ぐっときましたね。


二幕目の七
フォーシーズン・レジャーガイド
四季行楽案内図

151.歌川国芳「四季遊観 納涼のほたる」

なんでもない草が風にそよいでいるラインがとても自然で見ほれましたね。


二幕目の八
アデモード・スタイル
当世艶姿考


なんとこのコーナーは4/18まで期間限定で写真撮影が可能なのです。

※三脚、フラッシュ、セルカ棒は使用不可等々の注意事項あり。専用のペーパーがリストの隣に置かれていますのでご一読を。

少しでも写真が手元に残ると嬉しいですね〜。


158.歌川国貞「花鳥風月 風」

というわけで会場で撮影した画像です。

この障子の部分のシルエットも素敵なのですが、実はこの障子の枠の線がエンボスになってて手間がかかっています。

平面であるけどもこういう奥行きを出す表現が使えるというのがやはりよいなあと。


というわけでかなり満足のいく内容でしたよ。おすすめです。

6/5まで。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

久々に新しいデジカメ

2016-01-02 22:13:18 | 日々のこと

というわけで久々に新しいデジカメを入手しました。

実は昨年のクリスマス前に発注してたのです。

で到着したのは昨日。

なんでこんなに時間がかかったのか?

それはアメリカに発注してたから。

このDSC-TX30は昨年で製造中止となっていていまはもう新品を入手するのが難しいのです。

たまにオークションで見かけても新品はおろか、中古ですらえらく高値になっている始末。

いろいろと調べてみたところ、国内では販売が終了したものの、アメリカだとまだ販売されているよう。

というわけで早速、向こうのAmazonをチェック。

ところが海外発送が出来ない商品とのこと。

むむむ。

さてこーなったら、eBayをチェック!

あった!

さて、業者さんが海外発送OKになってるか確認して発注。

そしたら昨日、1/1に届いたというわけなのです。

国内で販売してたモデルはシルバーかオレンジだったのですが、海外モデルだとブラックがあったので迷わずこれに。

これまで常用してたDSC-T900が1200万画素だったのに対し、DSC-TX30は1890万画素。

さすがにスペックは上がってますね。

1番期待してるのは拡大鏡プラス。

これまでもDSC-T900で1cmマクロは使えたのだけど今度のは画素数が上がってるので画質に期待したいところ。

更にすごいのはレンズの左右に拡大鏡プラス専用のLEDライトを内蔵していること。

外付けのユニットは結構するし、そもそも付けてしまうと厚みがあって1cmまで寄れなくなってしまう。

とまあいろいろと可能性が広がるのでまた新たな作品を生み出すことが出来ると思います。

乞うご期待!
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

あけましておめでとうございます

2016-01-01 01:26:48 | 日々のこと
あけましておめでとうございます。

旧年中はお世話になりました。

昨年を振り返るとそれなりに充実した活動が出来ていたかと思います。

年頭のNEW YEAR SELECTIONの来場者投票にて一位を獲得することが出来ました。

3月には韓国のスウォンでのアートフェアへの出品。

9月から4年ぶり4回目の個展を開催。3点の作品を某会社さんへレンタルがスタート。

そして、今年はアートポイント.bisでの常設への出品を予定しています。

というわけで作家としての活動はもちろん頑張りますが、鑑賞する側としても気になる展示は出来る限り見て感想を残したいと思います。

皆様、本年もよろしくお願いいたします。





コメント
この記事をはてなブックマークに追加

2015展覧会ベスト5

2015-12-31 21:47:12 | アート系
ということで今年も今日でおしまい。

昨年は見た点数が少なくベストを特に決めてませんでした。

今年はそこそこ見られたのでベスト10は難しいまでもベスト5ならなんとかなるかなあと。

独断と偏見と個人的な趣味でのランキングです。


1.鴻池朋子「根源的暴力」(神奈川県民ホールギャラリー)

いま、この日本で、現存する作家がこの表現をやっている。

これがどれほど値打ちのあることか!

生理的にいやだなあと思う表現も含めてこれをしっかりと見ねばと思いました。

ちょっとこういう感覚になる展示は他にありません。


2.モネ展(東京都美術館)

睡蓮はかなり数をみていると思ってたのですが、やられました。

なんでこうも同じモチーフで表現を変容させることが出来るのか?

カラフルながらもワイルドな筆致で書き殴られた睡蓮はタイトルと作者がなければ抽象として成り立ってしまう。

知っているつもりの作家のこういう想定外にぶち当たることが事故みたいで嬉しい。



3.春画展(永青文庫)

もうこれは開催されたことだけですごいこと。

そもそも春画はこれまでにほとんど見たことがない。

それがこれでもかとすごいのが出てくること。

機知を活かし表現に肉薄する様が尋常でないなあと。

こういうものをみんなで楽しんでた。

ひとのありようなんてそうかわらない。素晴らしいこと。



4.パウル・クレー「だれにもないしょ」(宇都宮美術館)

クレーは特別であの画面のもつ寓意が保ててるのがすごいなあと。

極めてくとどうしても作為が勝りそうになるのだけどちゃんとキープ出来てる。

かと思うと違うテイストのものも放り込んでくる。



5.蔡國強:帰去来(横浜美術館)

スケール感のあるものに最近は惹かれるように思います。

火薬で爆破して描かれた線の存在は匂いもふくめて強烈な印象を残しました。

あとあのオオカミ99体も圧巻でした。



というわけで今年のベスト5、ギリギリすべりこみでなんとか書けました。

来年もまたよい展示をたくさん見られますように。

皆様、よいお年を!
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

鴻池朋子「根源的暴力」(神奈川県民ホールギャラリー)

2015-11-26 00:23:54 | アート系

鴻池朋子「根源的暴力」に行ってきました。

実は神奈川県民ギャラリーに入るのはこれが初めて。だから会場がどのくらいの規模なのかがまるでつかめない。

今回、そのことが幸いだったようです。

階段を降りて会場へ。

ステイトメントの文章と巨大ななめくじ、そしてこの古びた建物の空調の音がシャッターを響かせて起こる軋み。

これで泣きそうになりました。

震災後の状況。自分たちの築き上げてきたものが壊れて、その虚が無限に足下に広がってて、自由を奪われる感覚。

4年忘れてた感情がふと浮かび上がってきたのです。

人間と人間の作り上げた文明は蹂躙されてわけのわからない自然にやられてしまう。そう咄嗟に感じたのです。

現代美術の展示でここまで気持ちを揺さぶられたことはありません。

これまでに鴻池さんの作品はたくさん見てきました。でも、今回の震災後の作品は随分と変化してしまっています。

まずひとつは革を使った作品。

白くて直角のあるキャンバスの対極。

その形はマントや着物のようなフォルムになっていて、継いであるのはちゃんと革紐で結ばれてます。

その上に描かれる動物たちは自在で色彩が実に生き生きとしていました。

そしてもうひとつは陶。

手捻りで作られた小さいのがたくさん並んでたのは気持悪かったです。色彩もついててなんだかウミウシやヒトデやヒルみたい。

原初の生命のよう。あと何よりも感じたのは言葉以前の感覚なんだなあと。

瞬発力と感情とがスパークして直感でくみ上げてる感じ。

生に近い皮膚感覚を覚えます。

ドローイングもありました。額装されたのは以前からのに近いタッチでしたが、展示ケースに収まったドローイングはいつもよりも線がワイルドで濃くエネルギーに満ち満ちているような感じがしました。

進んで行くと部屋には展示ケースが24個。横3列×縦8列。

中には顔や手になり損ねた陶。

整然と暗がりに並んだケースは美しいのだけども、中を覗くと行き場のない澱みたいのがでも朽ちるのでもないような陶の白のテカテカで待ち受けてる。

こちらの気持ちが宙吊りにされるかのよう。


ラスト第5室はこの巨大作品。圧巻です。

この第5室に限り、フラッシュを使わなければ写真撮影がOKです。

写真の中央下の黒い部分がちょうどひとが通れる大きさ。前の展示室の出口から続いています。


裏はこんな風。

光のドットが成す線が銀河鉄道みたいと妄想しちゃいました。


これはおとぎ話のことが書かれてた部屋に貼られてた木版画。

実は映像のコーナーの壁にもさりげに貼ってあったり。

たぶんこういう木版もこれまでにはなかった表現方法では?


会場にはこの革のマントが何体も。

ちょうと子供くらいの大きさ。所属不明な民といった感じがしました。


階段を上がっていった上にはまた陶がありました。

このフォルム、白と質感。なんだか骸骨のようで不安な気持になりますね。


こちらはネタバレになっちゃいますが小屋の屋根。

なんとこんなテキストが!

シンプルでわかりやすいのですが作品に載せるテキストは手描きにして欲しかったなあと。キャプションはフォント使ったので構わないので。

明後日11/28土曜日まで。

根源的暴力
鴻池 朋子
羽鳥書店
インタートラベラー 死者と遊ぶ人
鴻池 朋子
羽鳥書店
焚書 World of Wonder
鴻池 朋子
羽鳥書店
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

さかざきちはる展(東京藝術大学 美術学部 総合工房棟3階)

2015-11-22 20:59:10 | Suicaなペンギンくん

東京藝術大学 美術学部 総合工房棟3階で開催中の さかざきちはる展「ペンギンのいるところ」に行ってきました。


エレベーターに乗るとペンギンくんの足跡が!ちなみに手前は奥さんとわたしの靴ですよー。

床にももちろんペンギンくんの足跡が続いています。


ツイッターで会場の画像は見ていたものの実際に目にしてみるとなんともよい空間でした。

「会場全体の写真は構いませんが、作品の単体の撮影はご遠慮ください」となっていました。

作品はペンギンダイアリー2007からペンギンダイアリー2016までの中からより抜いたイラストをシルクスクリーンで刷ったもの。上の画像では手前真ん中のグリーンのになります。
Penguin Diary 2016
クリエーター情報なし
オレンジページ
Penguin Diary 2015
クリエーター情報なし
オレンジページ
実際に書籍となって販売されたペンギンダイアリーの冊子は手に取って中を見る事も出来てよい構成です。

未手のとおり、木で作ったテーブル状の展示台が作品1点のために自立しています。

さらにこの展示台が10個程度で一塊となっていて、これが11個会場にあるわけです。

作品の乗った面に5、6個の木のブロックが乗り、その上にアクリルがカバーとなっているという造りになっています。

木々が群れを成して森へと至るイメージ。

さかざきさんがペンギンダイアリーで10年かけて描いたペンギンたちの重みが感じられます。あとさかざき作品に見られる柔らかさや暖かみのあるイメージにも通じているなと思いました。

さて、下記に年ごとに作品点数と感想をまとめてみましたよ。


<2007年ペンギンダイアリー> 7点
ヨガペンギンていうモチーフの新鮮なことったら!


<2008年ペンギンダイアリー> 9点
ワイド版の海の中のが楽しい。

ペンギン+オリンピック=ペギリンピック の可笑しさ。


<2009年ペンギンダイアリー> 10点
ペンギンと豆の木。まさかこういうお話を持ってくることにびっくり!

ペンギンの旅。メキシカンペンギンがかわいい。あとターバン巻いて象に乗ってるペンギンくんも!


<2010年ペンギンダイアリー> 7点
ペンギンと美の巨匠たち。うわー、ピカソの絵画ちっくなペンギンくん!

アストロペンギン。金魚鉢ちっくなレトロSFテイストなヘルメット。コレをペンギンが被ってるのになんか存在の強さでモチーフに勝ててしまっている強さに脱帽。


<2011年ペンギンダイアリー> 7点
やまのぼり。猿と温泉入ってるのもおかしいのだけどもやはりこれもぜんぜんおかしくないと感じてしまう。

ペンギンのお仕事。


<2012年ペンギンダイアリー> 9点
不思議の国のペンギン。これはアイデアとしてすんなりと受け入れられる感じ。

おおきくなったりちいさくなったりのペンギンくんが面白かったなあ。

和の心。これは意表を突かれました!

まさかの忍者ペンギンとか。


<2013年ペンギンダイアリー> 8点
ペンギンの演奏会。ギター演奏と三味線演奏、このペンギンくんがどっちも凄すぎる。

のむっちりとした脚の処理がまるで違和感ない。伸ばしてよし、まげてよし。ペンギンがそういうことやってておかしいと感じさせずにすんなり入ってくる画力。

どうなっているの?こういうテーマでというのも面白いなと思いました。


<2014年ペンギンダイアリー> 9点
浦島ペンギン。なんとペンギンくんが亀を助けて竜宮城へ!

職人シリーズ。ピザ職人、そば打ち名人、寿司職人 ラーメン職人、パン職人、パティシエ バリスタ、ソムリエ。みーんなペンギンくん!


<2015年ペンギンダイアリー> 11点
モデルハウスへ。家の中でくつろぐペンギンくん。タンスにふと魚の模様があってみたり。

ペンギンくんがペンギンと。キングペンギン、イワトビペンギン、フィヨルドペンギンなどと一緒の画面にいるさかざきぺんぎん。

ペンギンニューヘアースタイルというのの中にもじゃもじゃ頭のペンギンがいて親近感。


<2016年ペンギンダイアリー> 9点
サファリシリーズ。なんとペンギンくんが車に乗ってジャングルへ。そこで動物たちと出会う。うー、すごい!これが出来ちゃう!

世界のいろんなお祭り。スペインのトマト祭りがなんか好きでした。絶対にこれは想像出来ないですもん!



会場の奥にはプロジェクターがあって今回のイラストレーションが次々に投影されています。

あれ?奥に写ってるのはペンギンくんじゃない?

モコミちゃんというキャラで、雑誌「からだの本」のマスコットキャラクター。
元気ときれいの教科書 からだの本vol.21 (オレンジページムック)
クリエーター情報なし
オレンジページ

以前に中吊りでこの雑誌のがあって気になってたのです。

まさかこうした形で展示に登場していて嬉しくなりました。

モコミちゃんのイラストは9点も展示されていました。

まつげのつんとした目ヂカラある感じが好きなんですよね。


点数が多くじっくりと鑑賞してきました。とても満ち満ちた時間でした。


入口はこんな風に。

このお花の中にペンギンくんがあってびっくり!


じゃーん!本日の戦利品です。


ひとセットに5枚入っています。

なんとこれシルクスクリーンで今回実際に展示されているのと同じ製法で作られています。


ちゃんと裏に書かれていますね。

サイズがちょっと小さいもののサインとエディションが無いだけで同じ質感なのです。

というわけで思わず全種類ゲットしちゃいました。1セット5枚で980円でした。

あとサファリ絵柄のレターセットとポチ袋もありましたよ。

明日11/23まで。時間は10時〜18時となります。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

高橋大輔 ア (HARMAS GALLERY)

2015-10-26 21:38:13 | アート系


久しぶりに訪れたHARMAS GALLERY。

高橋大輔さんは最初見た時のインパクトがものすごく残ってる。
高橋大輔「絵画の田舎」(アルマスギャラリー)

気持ちいいくらいの絵の具の特盛!

見ると気前がいいなっていう気持ちになるんですよね。

あれからもう何年も経っている。

さてどんな風に変化してるだろう。

そんな期待をして作品と対峙してきました。

おおおお。

まず気づいたのは支持体が多様化したところ。

以前は絵の具がもりもりと全面に出ていたのが、今回は支持体をあえて出すような作りのものも。


パネルをだしてたり、はたまた麻布だったり。

あと額縁を模したように周囲を囲むのもまた絵の具だったり。

そして、1番やられたなと思ったのはリミックス。

なんと過去の作品の部分を削ぎ落として貼り付けてる。

切り取られたエッヂの直線の生々しさがたまりません。

絵画であるのに厚みのある絵の具は物質としての重厚感と存在感を放つからこそ効果のある手法。

構造がとても楽しい展示でした。

12/5まで。

金土日のみオープン。12:00〜19:00


<関連記事>
高橋大輔「絵画の田舎」(アルマスギャラリー)
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

冨岡奈津江展 「陶のいきもの 〜Time files〜」(ガルリアッシュ)

2015-10-26 00:01:07 | アート系


久しぶりにガルリアッシュへ。

冨岡奈津江展 「陶のいきもの 〜Time files〜」が本日からスタートしていました。

会場に足を踏み入れると、なんと白い砂利が。

そこにいきなりカブトガニがいるこの光景。まずお目にかかることはないであろうお題です。

しかも、奥にひっくりかえった脚だけが。

ぱっと見、リアルだなあと思ってたのですが、よくみると違う。

面の張り出し方が違うのだけど、牡蠣の殻のようなディテールがなんとなくそれっぽい感じに見せている。

逆にひっくりかえった脚はテカテカとしてリアル。昆虫の脚のようでこれはちと怖い。

さて奥にはボリュームのあるのがもう一体、鎮座しておりました。


キリンなのだけども首を後ろに向けている。このポーズがじんわりと非凡だなあと響いてくるんですよね。

あと、目の表情の柔らかい感じもよいです。

こういう大きさのものを焼き物でやれるというのがすごいなあと思って在廊されていた冨岡さんに聞いてみたところ、分割されているとのこと。

これはぱっと見ではわかりませんでした。

表面の◎の凸凹した処理が気になって尋ねてみたところ、釉薬の出方を考えてこうしているのだそう。

壁に掛かっていた陶板が半立体で動物の顔になっているのが3点あったのですが、この凸凹がどことなくデジタルなドット的にも見えて若冲の升目書きがふと頭をよぎりました。

13点見応えのある内容でした。

冨岡さんの作品を初めて見たのはこの7月に開催されたペコちゃん展でのこと。


陶のペコちゃんなのだけどちゃんとキャラクターにのまれることなく冨岡さん自身の作品として成立してるなあと深く記憶してたのです。

髪のギザギザしたように造形した解釈が面白いなあと。

そして今回、ようやく冨岡さん本来の作品を鑑賞出来てよかったです。

11/14まで。

<会期>
2015.10.25(Sun)〜11.14(Sat)

<開廊時間>
12:00〜19:00
最終日は17:00まで
<休廊日>
月曜日(休日の場合は翌日)10.26(Mon) 11.2(Mon) 11.9(Mon)

http://galerie-h.jp/blog/3798.html
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

あおひー個展「道草模様」本日、終了しました!

2015-10-10 22:49:34 | あおひー写真

あおひー個展「道草模様」本日、終了しました!

ご来場頂きました皆様、ありがとうございました!現在、やれる限りのことを入れ込めたのではないかと自負しております。

今回は3週間の長丁場。無事に終えてほっとしているところです。

冒頭の画像には全15点が一枚に収まっています。

今回はアートポイントの事務室だったスペースの2面を改装した新スペース「アートポイント.bis」でのミニ個展。

ということで作品サイズも少し小さめに。でも前回の個展と同じ15点を展示しました。

個展は次、いつになるかはわかりません。

出来るだけ多くの方に見てもらえたらという気持もあって長い会期を設定しました。

とはいうもののやはり日曜日は休廊ですしご都合もあるかと思います。誰しも必ず来られるというものでもありません。

ということで今回は動画を撮ってみました。

なんとなく雰囲気は↓伝わるんではないかと思います。
https://instagram.com/p/8pzAg5Ra9V/

会場の他の画像については先日、アップしたあおひー展「道草模様」作品解説に追加しましたのでこちらをご覧頂けると幸いです。

展示をやることでまた課題が見えてきたように思います。

また次の展示を目指して、全力で作品を制作していこうと思います。

というわけで皆様、今後ともよろしくお願いいたします。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

あおひー展「道草模様」開催!9/21〜

2015-10-06 00:08:14 | あおひー写真
<10/6追記>
あおひー展「道草模様」作品解説をアップしました。※ネタバレあり。

最終日10/10(土)に在廊の予定です

弐代目・青い日記帳にご紹介頂きました→あおひー展 「道草模様」

あおひー、4年ぶりに個展を開催!
会場はギャラリーアートポイント.bis。アートポイントの事務所側の小さなスペースになります。というわけでミニ個展といった感じになるかと思います。

あおひー 展 「道草模様」
9/21(月・祝)〜10/10(土)
会場:ギャラリーアートポイント.bis
(アートポイントの事務所側の小さなスペース)

9/21(月)〜23(水)祝日18時迄
9/24(木)、25(金)、28(月)〜10/2(金)19時半迄
9/26、10/3、10/10土曜17時迄
10/5(月)〜10/9(金)18時半迄
いずれも12時半開廊、日曜休廊。

9/21(祝)22(祝)23(祝)24252627
〜18:00〜18:00〜18:00〜19:30〜19:30〜17:00休廊
28293010/1234
〜19:30〜19:30〜19:30〜19:30〜19:30〜17:00休廊
5678910
〜18:30〜18:30〜18:30〜18:30〜18:30〜17:00 
開場はいずれも12:30〜

しばらくの間、この記事をトップにします。最新の記事はこの下となります。
コメント (2)   トラックバック (1)
この記事をはてなブックマークに追加

あおひー展「道草模様」作品解説

2015-10-06 00:07:50 | あおひー写真
あおひー展「道草模様」も残すところ、あと5日となりました。ネタバレとなりますが本人による作品解説をあげていきますね。
(先ほどツイッターにアップしたものに追記しました)

<10/10追記>
写真をアップしました


左から 1.閃花 2.豪樹 3.街道 4.躑躅 5.腰掛小熊

1.閃花

花が光の中でパンと弾けたように見えたのでこういうタイトルにしてみました。 冒頭の5点は今回、初となるラムダプリント。

ペーパーがメタリックでテカテカ度がとても高いです。


2.豪樹

どーんとしているのに爽やかな感じの色味が好み。適当なタイトルがなかなかに思い浮かばず。英語だとダイナミックかなあ。じゃあ豪快な木って感じで豪樹ってことで。


3.街道

先の2点のタイトルは冒険したので逆にベーシックなものに。まっすぐと森の向こうへと伸びてく道。実は赤いのは工事の案内看板だったです。


4.躑躅

色味はここがギリギリ。ここを越えると青みが強くおかしくなる。キワのところで止めてみました。難解さはなく至極、ストレート。花のひとつひとつのディティールが消されてしまっても群れとしてフォルムでそう見える。この群れというか塊みたいなものは以前から気になって撮っています。前回の個展のNAMIYOUとかもそう。


5.腰掛小熊

どこがどうなっているのか説明するのが難しい1点。森の中の木と岩なんですが光の加減で別のフォルムに見える。わたしのはこれが腰掛けた熊に見えたのです。さあ、だんだんと見たままのものではなくなってきました。



左から 6.並木 7.紫陽花 上>8.睨眼 下>9.道化 10.blast 11.forest

6.並木

NEW YEAR SELECTION 2014に出品した作品。極端なボケで丸が連なるフォルム。写真でここまで出せているのはあまりないと思うのですがいかがでしょうか?コンパクトデジカメの小さいセンサーで極端にぼかすからこそ得られる画面。センサーのでかい一眼やミラーレスだとぼけがキレイに出てしまう。画質が悪くても小さいセンサーの強いストロークのボケのほうのオリジナリティを大事にしたいのです。


7.紫陽花

かなり寄ってストロボを焚いてるので元の色味とはかなり違っています。これは色調整もゼロ。撮って出しの作品は久々かも。しかもいつも使ってるのよりも更にスペックの低いコンパクトデジカメで撮っています。



上から 8.睨眼 9.道化

8.睨眼

にらみめ。漢字二文字の「睨眼」はあんまり見かけない並びでかっこいい。パッと見てフォルムが眼に見えてしまった。日中、屋外のバラを正面から。これは一番最初に今回の個展に出そうと決めてた作品。


9.道化

金魚に見えたひと続出。このタイトルにしたのはおどけたピエロに見えたから。当初は「あざけり」というタイトルを考えていた。どこをどう撮ったか聞かれることも多いけど、本人ですらわからないことも多い。「道化」は特にそう。まるで覚えていない。フォーカスを合わせた写真は撮らずに実景を捨て去る。ぼやけた写真についてはそういうポリシーで制作してるからなのです。



左から 10.blast 11.forest

10.blast

閃花と同じ画像。サイズは一回り小さく紙も違います。その上にシリコンの玉を乗せています。サイズを小さくしたのはこの玉が綺麗に作れる大きさに合わせるため。


11.forest

こちらは腰掛小熊と同じ画像から。この2点については透明感のある感じのタイトルってことで英語にしました。発表している一枚を選出するまで何枚破り捨てたことか。このシリコンの玉を作るのはけっこう難しいのです。


左から 12.彩葉色玉(乙) 13.木霊 14.2つの顔 15.モノノケ

12.彩葉色玉(乙)

NEW YEAR SELECTION 2015で登場した「彩葉色玉(甲)の」別バージョン。プリントは同じ。でも玉の乗せ方が異なります。 シリコンの玉を乗せたシリーズは「共鳴する雫」=「レゾナンスドロップ」と名付けました。


13.木霊

昨年の夏、3331にいきなり登場。シンメトリーによりイメージを落とし込んだ謎なやつ。エヴァンゲリオン、デビルマン、魔王等々の感想が面白いです。

ただでさえ16対9のサイズは横長に見えるのですが、これは32対9なので相当に横長に感じられます。妙な安定感、悪魔的なのに森の優しいイメージも感じる不思議な風合い。



左から 14.2つの顔 15.モノノケ

14.2つの顔

この川面は結構撮ってました。回数は少なかったものの1年以上に渡って取材していました。抽象をやるつもりで撮ってたらこういった別のイメージに行き着いた不思議。川面が波打つタイミングと映り込みがイメージに転化しやすいポジションを狙います。水面の動きは予測不可能で自由にならないところが面白い。


15.モノノケ

こちらも川面。ここまでたくさんの化け物的なのが出てくるのはびっくりしますね。因みに緑色の鉄骨の橋が川に映り込んでこういうフォルムに化けました。先の「2つの顔」とこれとはミラーレスでセンサーの大きいカメラで撮っています。何もない汚い川をずっと撮っているので相当に変なひとに見えることでしょう。



冒頭は何が映っているのか分かりやすいものから。進むにつれてだんだんと抽象の度合いを高めてく。

一度見たのと同じイメージが煌めきをまとい、カラフルのキラキラへ。シンメトリーの魔人は木々と魔物をつなぐ。

道草そぞろ、行き着く先は逢魔が時か。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

生誕150年記念 竹内栖鳳展(小杉放庵記念日光美術館)

2015-08-11 23:17:32 | アート系

小杉放庵記念日光美術館で開催中の「生誕150年記念 竹内栖鳳展」に行ってきました。

目録を見て気づいたのです。

あれ?

山種美術館の所蔵作品がまるでない!

というか、殆どが海の見える杜美術館所蔵。

ということは自分がこれまでに見たことのない栖鳳の作品にお目にかかれるということ。

前期後期入れ替えの後期展示がちょうど今日から始まったところ。

今回の展示は「作品保存と会場規模の制約により」60点余が日光会場では出品されないとのこと。

これは少し残念。

とはいうものの、小さな会場に溢れる珠玉の数々。

堪能いたしました。

気になった作品について書いてみたいと思います。
(番号はリストのものです)


⭐️09. 薫風遊鹿図

この鹿の表情の気高さ。

奥の景色は水墨のモノトーン。

手前の草はカラーでしっかりと描かれています。

彼岸と此岸に見立てた間に佇む、神の使いってとこなんでしようかね。


⭐️11. 猛虎図

こんな虎見たことない!

墨で描かれたヒョロヒョロとした細い毛の描写。

ちょっと他にない感じで見入ってしまいました。

若冲のこれでもかと細密に描いてたのとはまるで違うアプローチです。


⭐️12. 獅子図

これ、かなりおかしな絵でした。

目はかなり横を向いているというのに、口はほぼ正面を向いている。

しかも口のあたりの描写はかなりざっくり。

ふと山口晃さんの「ヘンな日本美術史」に登場した慧可断臂図に描かれた達磨を思い出しました。

「目は正面から、耳は後ろから見た形で組み合わされており」という構成は近しいものを感じました。


⭐️15. 小春

これぞ栖鳳の猫。

白い毛並みの立体感が素晴らしい。

ほんとにふわふわしてる感じがしますね。


⭐️17. 白猿

金地に墨。なのだけど、猿は白く描かれている。

どことなく人間みたいな表情。


⭐️20. 猿乗駒

馬に乗る猿!

もうシチュエーションだけでいい絵になるところを稜線の墨の使い方の上手さったら。

猿はほぼ墨線をメインで描いている。

馬はほぼ稜線を用いているがお腹の部分だけ稜線はない。

でも、見ててしっくり来るんですよね。


⭐️21. 家兎

ぼかした墨が毛並みのフカフカした感じを上手く出せています。

あと、意思のある眼差しがたまりません。

野に生きるものの野生を覗かせています。


⭐️22. 春宵

蕪とネズミ。

蕪の稜線がよく見るとグレー。

これ、結構難しいと思うのです。

あと、ネズミがかわいくない。

手の感じだとかはちょっと怖いなあと。


⭐️27. 二龍争珠

二匹の龍。

ぱっと見、位置関係がわからなくなる。

銀泊に描いてるのは大正解。

龍の墨と合ってばっちりきまっています。


⭐️32. 鵜飼図

金地に墨で描かれた六曲一双。

墨で描かれているが鵜はベタ塗りではなくパーツをちゃんと描いています。

大きく翼を両に広げた鵜はどーだーって感じが面白い。

右隻の使い方が大胆。

一番左は金地のみ。

その隣には鵜の取ってきたお魚。

よく見ると一匹だけ箱から落ちている。

見開いた目がぬぼうとしてておかしい。

水の流れ、篝火から立ち上る煙。

この2つの線の淡い描写もよろし。


⭐️38. 蹴合

栖鳳お得意の軍鶏。

向かい合う二羽の軍鶏。

どちらも飛んだ瞬間で互いの脚を蹴り上げている。

気になったのはその表情。

なんて言うんだろう。

全てを超越した落ち着きのようなものを感じました。


⭐️42. 家鴨

以前に山種美術館で見た家鴨と別バージョン。

後ろに無造作に放り出された脚の感じがかわいらしくもあり、生々しいもあり。


⭐️43. 観花

これ、たぶん他の展示でキャプションがなかったらとても竹内栖鳳の作とは気付かないですね。

傾いでしなを作る骸骨!

その手には緑の扇。

タイトルにある花はすでに散り、はらはらと舞う花びらよ。

世は常ならず。そう、言われているかのよう。


⭐️45. 高士観瀑図

ハケのエッジのたった筆致が活きています。

崖の切り立ったシャープネスがお見事!


⭐️50. 瀑布

シンプル!

最小の手数で仕上げています。

画面における白い部分が多く、画力の高さを伺えます。


⭐️56. 風濤

べっとりとした白い波頭。

正面から捉えたアングルと相まって迫力があります。

波頭の下のブルーを抉ったかのような線が印象的。


⭐️73. スエズ運河

なんと栖鳳が描いた唯一の油彩。

当時、海外に行ってこういう絵を描かれてたとは。

いつもの日本画のトーンとはまるで異なります。


⭐️79. 百合花

稜線とその中の塗りがずれていて逆にその按配がよいバランス。ぷっくりとしたフォルムが可愛らしい。


⭐️S-2. 年表屏風

なんと昭和18年に高島屋で開催された竹内栖鳳回顧展の際に制作されたもの。

まさか年表もこんなに値打ちのある年代物を見られるとは!

筆で書かれた印刷ではない文字が新鮮でした。


かなり充実の展示でした。

現在は後期展示、8/30(日)まで。



コメント
この記事をはてなブックマークに追加