あお!ひー

叫べ!いななけ!そして泣け!雑多なことを書いてみる。

あこがれのヴェネチアン・グラス(サントリー美術館)

2011-09-04 22:48:59 | アート系
サントリー美術館で開催中の「あこがれのヴェネチアン・グラス」に行ってきました。


Ⅰ.ヴェネチアン興隆:技術の応酬

一番最初に登場した船形水差はなんとも不思議な造形。

名前のとおりの形にも見えるがどこか別の生き物のようにも見える。

どれも精緻に造られたガラスは見もの。ため息が出ちゃいます。


Ⅱ.流出したヴェネチアン:「ヴェネチア様式」の誕生

レースグラスがやはり強烈に印象に残っています。

白い線が入るだけでこうも映える。

かと思えばアイスグラスの表面の処理もまた傾向は違えどこれも美しい。


Ⅲ.ヴェネチアンと和ガラス

やはり、藍色ちろりは何度見ても美しい。

透き通る濃い藍色。ねじれたもち手のシルエットやよろし。

練上手はマーブルでどれもよかったのですが、酒飲みとしては練上手可杯(べくはい)。

もち手を持たないと酒がこぼれてしまう仕掛けが心憎い。


Ⅳ.ヴェネチアン再興:19世紀イタリア

ドラゴンステム・ゴブレットはクネクネの一本ラインがどんどん複雑に。

ティーカップ&ソーサーがかなり涼しげ。もう一点のは黄色ベースでまるで異なるがこちらも趣きある造り。


Ⅴ.今に息づくヴェネチアン:現代アートへの影響

今回の収穫は三嶋りつ恵の作品。

初めてみました。素晴らしい!!

色彩の入っていない透明なガラスで造られた造形。

中でも「Spin」が秀逸。名前のとおり螺旋になってるのだけどもそのラインは太く力強い。

もうこうなると用途のある器ではなく意識を形にしたかのよう。

この美意識に邂逅出来てよかった。

あと、江波冨士子の「雨のち虹」が特に美しかった。グラスの連作。

グラデーション、そして構成の微妙に異なる虹模様が響いてました。

ラストは正直楽しめるかなあと思ってたのにかなりよい作品にめぐり合えてラッキーでした。

10/10まで。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする