昨日から始まった天明屋尚キュレーションの展示。
作家さんが自らこういう企画を無料でやってしまうということに驚きました。
やっぱり、ミヅマの作家さんて本当に底力あるなあと。
今回の概要は以下のとおり。
現代美術家・天明屋尚がキュレーターとなり、あまり注目されてこなかった日本文化の側面にスポットを当て、従来の日本美術・アートシーンのイメージの刷新を試みるアートイベントを開催します。
侘び・寂び・禅の対極にあり、オタク文化とも相容れない華美(過美)で反骨精神溢れる覇格(破格)の美の系譜「BASARA」をテーマに、大胆かつダイナミックな和の世界が展開されます。どうぞご期待ください。
なるほど、こういうくくりでまとめて見る機会ってないですよね。
昨日はオープニングレセプションで刺青師・SHIGE氏によるパフォーマンスがあったのですが体調がいまいちで本日行ってきたところ。
ツイッターでTLを追ってみるとものすごい混雑。
刺青の男女にカメラを向けるひと、会場前に止まるデコトラ。
会場にはいなくともなにやらとんでもないことになってることは理解できました。
蒔絵の印籠&根付、刀の鍔。これはなんとも素敵。
横に並べられたデコケータイは見劣りしていました。やはり、金額のかけ方がもう全然違うなあと。
その蒔絵つながりで美しかったのは改造バイク。
カウルがてっぺんめざしちゃってる暴走族の乗るようなのです。
この形がすぐ横に並ぶ鎧兜の異様なデザインにも通じてる。
この並べが今回はすごくうまいなあと思いました。
現在の作家の作品と誰が作ったのかは分からないものの圧倒的な存在を放つ品と。
正面入口横の階段を上がった窓の横に気になる物体があった。
金属?と思うような鈍く光る物体は実は陶。
金理有という作家さんの作品。
目、耳があって妙に落ち着かない感じが残る。でも、また見てしまう。
あの目のいやな感じはどこか町田久美の作品に通じてるような気がした。
あと、河鍋暁斎の版画もよかったです。蛙の合戦のは妙な元気があって好きだ。
意外だったのは村山瑠里子のドレス。
これ、参りました。この文脈でもってくるとは思いもよらず。でも、たしかにカラフルでこれでもかとてんこもりにデコレーションされたドレスの威容はぴったりでした。
あと、圧巻だったのは池田学の興亡史。
以前に3回以上も見てるのにやっぱり近寄ってじっくりと鑑賞してしまう。
同じどつぼに嵌ったひとと並んで仲良く見る楽しさ。
天明屋さんの作品はミヅマの個展で見た大作。
刺青の男2人が刀を持って、くんずほぐれずで戦ってる。刺青のタコと蝙蝠が飛び出てるのが面白い。
飾りがこれは秀逸で、組紐的な赤い紐が作品の舌に垂れ下がってて、掛け軸の下の両端にぶらさがってる飾りのよう。
でも、組み方が独特でそもそも従来からのものでこういう組み方があるのかどうか。
これがあると作品自体の重みと風格が増しますね。
実物にはお目にかかれなかった刺青は写真からでもその美しさが伝わってきます。
本当に美しいものは善悪を超越してしまっています。
横尾忠則の作品がおとなしいものだったのとまわりにある作品がインパクトが強かったこともあって、ちょっとかわいそうだったなあと。
これで入場無料ってどうかしていますね。素晴らしい!!
8/7(土)まで。時間:11:00~20:00。急げ!!