そう言えば交通量調査のバイトで行ったことがあるなあ。
それくらいしか府中のイメージってなかったのです。
チラシを見て行こうと決めた「動物絵画の100年 1751-1850」を見に府中市美術館に行ってきました。
駅から道順を確認して歩くといい運動になりました。
府中の森公園の奥にその建物はそびえていました。
今回の展示はチラシからして内容の充実が想像出来てたので、期待を込めて館内へ。
受付で600円払い展示会場へ。
期待どおりの内容で閉館ぎりぎりまでねばってじっくりと鑑賞することが出来ました。おかがで常設展示は一切見れませんでしたけど、満足出来たので問題なし。
今回ツボだったのは蘆雪と応挙、そして若冲でした。
「鷲・熊図」長澤蘆雪
通常こういうモチーフって龍虎だと思うのです。それを鷲と熊に置き換えたような作品。とにかく惹かれたのは鷲のかっこよさ。文句あっかっていう表情。デフォルメ入ってて骨太な感じでバランスがいい。よく見ると険しいかと思ってたその表情も口元がちょっとだけ微笑んでるようにも見えるのです。
これに対して熊のほうは表情はどことなくかわいいものの、爪はやはり獰猛な生き物であることを感じさせてくれます。
両者とも目線の先はお互いを見ていますね。
「蛙の相撲図」長澤蘆雪
参りました!
なんとシンプルで楽しいんでしょう。青みがかった墨でデフォルメされたかえるくんが2匹。がっぷり四つに組んで相撲をとってる。右下には行司と思しきかえるくん。軍配の代わりに持ってるのは笹の葉のよう。
筆の感じを見たところではかなりささっと勢いで描いたように思えるのですが実際はどうだったんでしょうね。
「時雨狗子図」円山応挙
(画像は部分)
なんてかわいいんでしょう!!子犬2匹が会話してるように見えます。左の白犬が「ねえねえ、どうしたの?」とかって話かけてませんか?
この表情がすごくかわしいし目の感じが人間ぽくて表情があります。
応挙の犬への愛が感じられますね。
「狗子図屏風」円山応挙
(画像は部分)
またまたわんこです。図録を見たら2曲1双だったのですが、展示されてたのは確か左半分だったと思います。
デフォルメされてはいるのですが、ちゃんと犬を見てないと描けないなあというポーズばかり。
後ろ足で鼻先をかく仕草などほんと犬っぽい。
でも、相変わらず表情があって楽しそうな感じが画面から伝わってきますね。
こんな屏風のある和室で眠ることが出来たらかなり楽しいでしょうね。
あさ、朦朧した意識で目を開けるとわんこがいっぱい!
「一笑図」長澤蘆雪
これ、やられちゃいました。すごく疑問なのは登場する人物達。ひとり坊主頭を除いて他はみんなボンバヘッド!
謎ですね、しかも筆でささっと描かれてて髪ぼうぼうの感じは出てる。
肝心の犬のほうで気になったのは右手前の黒と白の犬の描写。
うごき回ってる様がうまい筆のかすれでブレとして表現されている。しかも数匹いる犬の中でこの犬だけポイント的に使用してる。
「鉄砲洲富士遠望図」司馬江漢
司馬江漢の絵は初めて見たのですがびっくりしました。
江戸時代にこんな西洋画を描いてたひとがいたなんて。どうしても江戸時代の絵というとスーパーフラットな富士山が浮世絵がイメージ出来てしまうので、この絵の遠近法の奥に浮かぶ富士山というのはなんだか逆に違和感ありますね。
すごく新鮮でした。
伊藤若冲のこの3作。じっくりと見てきました。
「鶴図」
筆の動きに迷いがないんですよね。首の曲線潔し。くちばしの根元と目の先の間の黒いところ。この筆のシュッシュッとかすれた感じがたまりません。
「鯉図」
一目見てほれぼれしまちゃいますね。もうこのポーズといいきょろっとした目といい胸ぐらをぐいいとつかまれてしまいます。
筋目描が生きています。これを見てると邪道も何もあったものかという気になりますね。作品として結実させたら勝ちだと思います。
「親子鶏図」
以前にも見たような覚えがなくもないのですが記憶が不確かです。
にしてもこの親子のバランス、最高です。
尾っぽを天に掲げる雄鶏の勇壮なさま。後ろに控える母鶏と小さなひよこたち。
ひよこ二羽かとおもったら、後ろにもう一羽いましたね。このシンプルなかっわいさ大好きです。
「竹雀図屏風」円山応挙
(画像は部分)
これは最初、近くで見てた時にはあまり傑作だとは思わなかったのです。ですが、ひととおり舐めるようにして見た後に、離れて視界全体に入る状態で見て印象ががらっと変わりました。
願わくば、プライスコレクションの時の展示みたく光を変化させた状態で見たかったなあ。
竹林の描写で奥へ行くほうがだんだんと背景の白へ消えていくようになってるのが白い靄みたい。雀のお宿の場所は知らない。どこか人知れぬ里へと続いてるんではないか?そんな現像的な雰囲気を感じさせてくれるです。
とまあ、今回は大収穫でした。
ほんと書き切れないくらいです。
これで600円はかなり安いです。何なら常設展を見るのも理由のひとつにして後期の展示替えを見に行くのもアリだと思っています。
ひとつだけ残念だったのはこれだけのラインアップがありながらもポストカードの種類が少なかったこと。正直、欲しいと思ってたのが少なくてこれはがっかりでした。
まあ、入場料が600円なので仕方ないのかな。今回はそんなわけで久々に図録を買いました。
4/22まで。
それくらいしか府中のイメージってなかったのです。
チラシを見て行こうと決めた「動物絵画の100年 1751-1850」を見に府中市美術館に行ってきました。
駅から道順を確認して歩くといい運動になりました。
府中の森公園の奥にその建物はそびえていました。
今回の展示はチラシからして内容の充実が想像出来てたので、期待を込めて館内へ。
受付で600円払い展示会場へ。
期待どおりの内容で閉館ぎりぎりまでねばってじっくりと鑑賞することが出来ました。おかがで常設展示は一切見れませんでしたけど、満足出来たので問題なし。
今回ツボだったのは蘆雪と応挙、そして若冲でした。
「鷲・熊図」長澤蘆雪
通常こういうモチーフって龍虎だと思うのです。それを鷲と熊に置き換えたような作品。とにかく惹かれたのは鷲のかっこよさ。文句あっかっていう表情。デフォルメ入ってて骨太な感じでバランスがいい。よく見ると険しいかと思ってたその表情も口元がちょっとだけ微笑んでるようにも見えるのです。
これに対して熊のほうは表情はどことなくかわいいものの、爪はやはり獰猛な生き物であることを感じさせてくれます。
両者とも目線の先はお互いを見ていますね。
「蛙の相撲図」長澤蘆雪
参りました!
なんとシンプルで楽しいんでしょう。青みがかった墨でデフォルメされたかえるくんが2匹。がっぷり四つに組んで相撲をとってる。右下には行司と思しきかえるくん。軍配の代わりに持ってるのは笹の葉のよう。
筆の感じを見たところではかなりささっと勢いで描いたように思えるのですが実際はどうだったんでしょうね。
「時雨狗子図」円山応挙
(画像は部分)
なんてかわいいんでしょう!!子犬2匹が会話してるように見えます。左の白犬が「ねえねえ、どうしたの?」とかって話かけてませんか?
この表情がすごくかわしいし目の感じが人間ぽくて表情があります。
応挙の犬への愛が感じられますね。
「狗子図屏風」円山応挙
(画像は部分)
またまたわんこです。図録を見たら2曲1双だったのですが、展示されてたのは確か左半分だったと思います。
デフォルメされてはいるのですが、ちゃんと犬を見てないと描けないなあというポーズばかり。
後ろ足で鼻先をかく仕草などほんと犬っぽい。
でも、相変わらず表情があって楽しそうな感じが画面から伝わってきますね。
こんな屏風のある和室で眠ることが出来たらかなり楽しいでしょうね。
あさ、朦朧した意識で目を開けるとわんこがいっぱい!
「一笑図」長澤蘆雪
これ、やられちゃいました。すごく疑問なのは登場する人物達。ひとり坊主頭を除いて他はみんなボンバヘッド!
謎ですね、しかも筆でささっと描かれてて髪ぼうぼうの感じは出てる。
肝心の犬のほうで気になったのは右手前の黒と白の犬の描写。
うごき回ってる様がうまい筆のかすれでブレとして表現されている。しかも数匹いる犬の中でこの犬だけポイント的に使用してる。
「鉄砲洲富士遠望図」司馬江漢
司馬江漢の絵は初めて見たのですがびっくりしました。
江戸時代にこんな西洋画を描いてたひとがいたなんて。どうしても江戸時代の絵というとスーパーフラットな富士山が浮世絵がイメージ出来てしまうので、この絵の遠近法の奥に浮かぶ富士山というのはなんだか逆に違和感ありますね。
すごく新鮮でした。
伊藤若冲のこの3作。じっくりと見てきました。
「鶴図」
筆の動きに迷いがないんですよね。首の曲線潔し。くちばしの根元と目の先の間の黒いところ。この筆のシュッシュッとかすれた感じがたまりません。
「鯉図」
一目見てほれぼれしまちゃいますね。もうこのポーズといいきょろっとした目といい胸ぐらをぐいいとつかまれてしまいます。
筋目描が生きています。これを見てると邪道も何もあったものかという気になりますね。作品として結実させたら勝ちだと思います。
「親子鶏図」
以前にも見たような覚えがなくもないのですが記憶が不確かです。
にしてもこの親子のバランス、最高です。
尾っぽを天に掲げる雄鶏の勇壮なさま。後ろに控える母鶏と小さなひよこたち。
ひよこ二羽かとおもったら、後ろにもう一羽いましたね。このシンプルなかっわいさ大好きです。
「竹雀図屏風」円山応挙
(画像は部分)
これは最初、近くで見てた時にはあまり傑作だとは思わなかったのです。ですが、ひととおり舐めるようにして見た後に、離れて視界全体に入る状態で見て印象ががらっと変わりました。
願わくば、プライスコレクションの時の展示みたく光を変化させた状態で見たかったなあ。
竹林の描写で奥へ行くほうがだんだんと背景の白へ消えていくようになってるのが白い靄みたい。雀のお宿の場所は知らない。どこか人知れぬ里へと続いてるんではないか?そんな現像的な雰囲気を感じさせてくれるです。
とまあ、今回は大収穫でした。
ほんと書き切れないくらいです。
これで600円はかなり安いです。何なら常設展を見るのも理由のひとつにして後期の展示替えを見に行くのもアリだと思っています。
ひとつだけ残念だったのはこれだけのラインアップがありながらもポストカードの種類が少なかったこと。正直、欲しいと思ってたのが少なくてこれはがっかりでした。
まあ、入場料が600円なので仕方ないのかな。今回はそんなわけで久々に図録を買いました。
4/22まで。