あれから55年・・アンヌのひとりごと

ズバリ!団塊の世代。ひし美ゆり子のブログsince・06・1・14

7月になると思い出す・・P-2

2010年07月05日 13時00分27秒 | アンヌのひとりごと
昭和42年7月暑い午後でした。
東宝からの業務命令で円谷特技プロダクションに「面接」に向った。
時間前に着いた私は恐る恐る社屋の庭に立つ・・ビクッ!
目の前を凄い勢いで路地猫2匹が次々横切り、コンクリ塀の向うに消えて行った。
ここは古い何かの跡地なのか?平屋で長屋風の建物が逆L字型に建っていた。

程なくして後ろ隅の部屋からスタッフの一人がにこにこしながら近付いて来て
『菱見百合子さんですね、私は演技課の新野です。』
物腰が柔らかで彼の声の良さと歯切れの良さがとても爽やかだった。
『ところで「ウルトラマン」というテレビ番組観た事ありますか?』
「いえっありません・・すみません」
『視聴率が40%にもいった番組なんです。ではまず一本観てもらいましょう』

薄暗い廊下を通り抜け試写室まで通された。
ドアを開けると壁に何かでかでかと貼られたものに気を取られた。
それはウルトラマンの視聴率が一話一話棒グラフにして貼られていたのだ。
20歳の新人女優にはそれがどれほど大きな意味を占めてるかはまだ解らない。
テレビ製作に携わる全ての因果がこれに凝縮されているという意識はなかった。

新野さんが映写技師さんに何か頼むと部屋から出て行った。
入れ替わりにプロデューサーの末安昌美氏を紹介された。
温厚で言葉少ない重役さんってタイプだが二人だけの試写会となった。
部屋が暗くなり「ウルトラマン」が上映された。
綺麗なカラー映像だ。
しかし試写室での映写はこれがテレビで放送されるという意識を忘れ、
普通に映画の試写気分で観てしまったので然程驚きはなかったナ。
それより末安さんと二人だけで観るコトのほうが大いに気になったよ。
咳払い一つ息づかい一つにも気を使ったものだ。フ~~

つづく・・小出しですみませ~ン。

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29 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (キナガシ星人)
2010-07-11 18:52:32
円谷ッ!!

よく遊びに行ってましたッ!!

ああぁ~~~ッ!!!
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アンヌ隊員 (ひで)
2010-07-08 20:46:00
ひし美ゆり子さん!こんにちは(゜▽゜)/私は46歳になった今もウルトラセブンの、そしてアンヌ隊員の大ファンです!いまでも暇さえあればセブンのDVDばかり観ては妻子にあきれられてます。私は関西に住んでますが、友達とアンヌさんのお店に行ってアンヌさんに会いに行く計画をしています。その時はよろしくお願いいたしますm(._.)mまたこのブログにアンヌさんやセブンの思い出を書きますので
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ひし美さんからの (ひがたく)
2010-07-08 00:07:04
返信コメント、ほんとにほんとにうれしいんです。今もまだ、信じられませんよっ!
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Unknown (ウルトラファン)
2010-07-07 21:26:29
お久しぶりです。ひし美さんは色々な服がお似合いですよ。私も、「ウルトラセブン」は大好きです。
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佳境まだまだ (アギラ)
2010-07-07 16:10:38
んん、この小出し良いですねー。実に趣がある流れです。その場の情景が伝わるようで、一言一句が生きている。楽しみを長く持ちたいので、もっと引っ張って下さいね。
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7月14日 (kame)
2010-07-06 22:19:50
貴重なお話ありがとうございます。
オレンジのワンピースを着たひし美さんが目に浮かびます。
続きも楽しみです!
7月14日は私達夫婦の結婚記念日です。
アンヌ隊員誕生の記念日と同じ日なんてすごく嬉しいです!
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えへへ・・ (アンヌ)
2010-07-06 11:49:28
ありがとう~ひがたくさん。
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今も昔も (ひがたく)
2010-07-06 11:41:33
明るく生きるひし美さんの元気な行動力のおかげで僕はひし美さんを知り、40数年の時を経て、今年の5月30日、僕はやっとひし美さんに出会えた訳です。今思い出すと初めてひし美さんと目があったとき、ほんの一瞬不思議な空気が流れたことを、今もよく覚えています。やっぱりひし美さんって自分でもまだ気ずいていないような、不思議なパワーを持っている方なんじゃないかな!?
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ワクワク…♪ (れくしおん)
2010-07-06 08:27:10
ゆり子さん、おはようございます

>目の前を凄い勢いで路地猫2匹が次々横切り、
>コンクリ塀の向うに消えて行った。

うぉ~、サスペンス感あふれる素晴らしい描写ですね~

友里アンヌ誕生の貴重なエピソードがこれほどまで細やかに綴られていると、ボク自身もその場にタイムスリップしたかのような感覚になってしまいますよ~

早く次が読みたいですぅ~

あぁ、ゆり子さんから直接、その当時のエピソードを聞きたいなぁ…

それでは、また~
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お~ッ早くも〓 (市川 充彦)
2010-07-06 07:53:35
衝撃の第一回から一週間も待たずに続きが読めるなんて幸せだなぁ(笑)これがあれば、暑い夏を乗り切る事が出来そう・・・ ブログ連続私小説、続きを楽しみにしております
いつか、朗読会が出来たら良いですね
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Unknown (エレキング、)
2010-07-06 01:57:59
アンヌお姉様、こんばんは。

(ノ´▽`)ノオオオオッ♪
続きだぁ~・・・

そして。。。又、続きなのですねぇ。。。
くぅうう。。。本当に。。。
他の方もおっしゃっておられますが
週一小説の連載の様で。。。
やっぱりワクワクしますね。

子供の頃に
アンヌお姉様見たさに
テレビにかじりつき
男の子とは違った視点で見てた自分。
「アンヌ隊員、アンヌ隊員!!」
と、登場を待ち
画面に映ればキャーキャー言ってました。
その。。。アンヌお姉様を想像しつつ
読ませて頂き。。。
そして次回を待つ。。。子供の頃の自分も
ついでに想像してます(笑)

アンヌ、アンヌ、アンヌ!!!
ワクワク((o(゜▽゜○)(○゜▽゜)o))ドキドキ
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Unknown (Qちゃん)
2010-07-06 00:01:48
ほんとに、良く記憶されてますね~~~!>ネコまで(^^;

世田谷文学館で、1本観るまでは、まったく観てないのかと思っていましたが
その時のウルトラマンは、怪獣(の姿形でも)とか
活躍してた隊員や、ゲスト俳優さんなど覚えてますでしょうか?
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アンヌ∞たる所以 (M・エイスケ)
2010-07-05 23:55:43
「セブンセブンセブン」でも読むことが出来なかった「アンヌ隊員誕生秘話」を興味津々で読ませて
いただいております。

今でも、昔でも一つのTVドラマ製作時、俳優(女優)さんをお呼びして「面接」とかされるのでしょうか?。
当時において、あまり前例のないことだとしたら、それは製作サイドの「セブン」にかける意気込み・
熱意が感じられるお話ですね。

アンヌさん、7月になると思い出す・・P-100・200になってもイイです。
小出し小出しで、途中でお休みになっても、来年になったとしても連載はお続けくださいね。
ホントに最終回までいきましたら、一冊のアンヌ・ドキュメンタリー・ブックが出来上がるでしょうね。
「セブンセブンセブンⅡ」成就されることを期待しております。

アンヌさんの世界は、やっぱり∞なのです。
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貴重なお話 (E.T)
2010-07-05 23:42:11
伝説の人が誕生するプロセスが生々しく綴られており、大変貴重なお話だと思います。
この調子(小出し)で続きをお願いしまーす。
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いい話しですね・・・・・・笑。 (MATSUYAランド)
2010-07-05 21:47:20
当時を想わせる、いい話しですね。
円谷プロって夢の塊みたいなところだから
行ってもみたいですね~笑。

続きを楽しみにしてます・・・・・・笑。
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タイムマシンで円谷プロへ (サイケおやじ)
2010-07-05 20:13:03
とても緊張感のある文章、素晴らしいです!
タイムマシンで当時の円谷プロの片隅に、自分が存在しているかのような気分ですよ。
そっと、試写室に潜り込んだ自分を感じます。
そこに二十歳の菱見百合子様が、居るんですねぇ~♪

これは続篇が非常に楽しみです。
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試写室 (Toshi)
2010-07-05 20:11:34
社屋が八幡山に移転する直前に旧社屋の通称“怪獣倉庫”と試写室を見学することが出来ました。

試写室では、『当時と様子は変ってますがココで、かの円谷英二氏も皆さんが座っている辺りに座って試写を見ていました』と説明され感激
したことを想い出しました。

ゆり子さんもあそこで御覧になって
いらっしゃったんですね!!
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早くも続きが! (南野ユウコ)
2010-07-05 19:19:19
円谷プロの旧社屋には一度しかお邪魔したことがないのですが、試写室に入れて戴いた時、「ここで出演者の方々も試写をご覧になられたんですよ」と聞き、感動で身が震えたものでした。
今回のお話を読んで、あの時の感動が何倍にも増幅いたしました。
感謝感謝です!
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Unknown (辻川 貢正)
2010-07-05 17:21:49
ピット星人の姿で
トランポリン飛んでた
訳ではないんですね…
スイマセン
「私の愛したウルトラセブン」の見過ぎです

視聴率の棒グラフ
会社の営業成績をグラフにするのと
同じようなモノですね…
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おもしろ~い (くっち)
2010-07-05 16:38:34
小出しシリーズ、続編楽しみですね。

私は43年4月生まれですが、42年夏を感じられるような気がしてます。

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はじめまして (kranzkoh)
2010-07-05 16:25:56
1969年生まれ、セブンは再放送で見て大ハマリしたクチです。なので、この日記に書かれていることは自分が生まれる前の話であるはずなのに、なぜか「かつて見た風景」のように思え、郷愁すら覚えてしまいました。

先回の

>華やかなオレンジのワンピに薄オレンジの帽子を被って颯爽と出掛けました~。

という一文などは、あまりに鮮やかに脳内再生されるため「これは夢か現実か」とよくよく目をこすってしまったほどでした(本ブログの背景色とは関係ございません)。

第三弾もゆるりとお待ち申しあげております。
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ウルトラQも・・全て (アンヌ)
2010-07-05 16:15:59
じゃあ、「ウルトラQ」は?
はい「ウルトラQ」も「帰って来たもウル・・」も自分に関わっていないものウルトラは見た事なかった
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いつもながら・・・ (JIN@ためきん)
2010-07-05 16:13:34
ひし美さんの記憶力と表現力は凄いですね。
ショートストーリーですがすっかり引き込まれてしまいました。
”アンヌ隊員”誕生の奇跡でしょうか。

昭和42年7月14日・・・アンヌファンにとっても大切な記念日ですね。
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番外編 (しもやん)
2010-07-05 16:04:05
そうそう、長屋みたいなところへ行って、猫が飛び出して、ドアを開けたら・・・
「アンヌも呼んだらどうだい?」
ちゃぶ台なかったですか~?(笑)
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ウルトラQは? (しもやん)
2010-07-05 15:56:28
ウルトラマンは知っているが、見ていない・・・ということナンですね。
じゃあ、「ウルトラQ」は?
これも見てられなかったのかなぁ・・・・
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早速ですが (ちゅん)
2010-07-05 15:22:53
猫の登場(恐怖劇場アンバランスではないw)、建物の感じ…とてもいいですね。風景が目に浮かぶといいましょうか。

ひし美さんはウルトラマンを見たことなかったんですね。若い(+美しい!)女性故、あたりまえなのですが、なんか不思議で意外!この試写室がウルトラマンと初対面であり、始まりだったんですね~。感動!

新聞小説のようで毎回楽しみです!
息抜きしながら(別の話題もあるでしょうからw)長~く連載を!
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Unknown (taki)
2010-07-05 14:46:54
やっぱりええですなあ、アンヌさんの文章
>目の前を凄い勢いで路地猫2匹が横切り、コンクリ塀の向うに消えて行った。
こういう描写、ご本人にしか書けません。試写室の心境も。貴重な記録ですネ。
そのとき上映されたウルトラマン、どんなエピソードだったのでしょう。
覚えておられますか?
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以下次号 (緑一色)
2010-07-05 14:44:41
分割してアップされるのも次が楽しみで良いですね。何しろ歴史の証言者の貴重な思い出話ですから(^_^)
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ワクワク… (ジム・フェルプス)
2010-07-05 14:30:06
しながら、「第二話」を読みました。
なんだか、週一連載の小説…いやラジオ&TVドラマ…う~ん「マンガ」!?を待ってる気分です(笑)
いやいや、「セブン」で例えるなら、「史上最大の侵略(ダッケ?)」の前編を見終わった段階と言うべきか…(笑)

以前、本にも書いてありましたが、当時の「ウルトラ」シリーズは「ジャリ番」…20歳の(女優の卵とはいえ)うら若き女性が見る番組ではなかったでしょうね。
昨今の特撮「イケメン」ブームとは、時代が違いましたね(笑)

「第三話」…のんびり「泡盛」でも呑みながら待っています(ウィー ヒック!)

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