「ここだよ~。」
母や姉の顔がフリーズした。
「どこが1000坪なの?」
「いや~裏に回ってみてご覧っ。広いぞ~」
父の云った「1000坪」とは何と住いの裏の邸宅が千坪だとっ。
「窓からウチの庭だと思って眺めてりゃ同じ事さ。ハハハ」
一家6人三鷹での新生活が始まった。
一軒家ではあるが6帖2間に3帖の板の間に台所だ。
6人住むには窮屈な家だった。おまけに中野と違って水道がない。
外に出て井戸水を汲みに行く、母は溜息ばかりをついていた。
「三鷹って田舎ネ~」
母の嘆きの極め付けは内風呂の無いことである。
人前で裸を晒すのはイヤだと近所の銭湯には一切行かなかった。
夜な夜な薄暗い台所でタライで行水をすませた。
近所のおばちゃんに
「ちや子ちゃんのお母さんいつお風呂に行くの?」
応えに困った。
「ウン?夜遅く。」
それでも冬場はたまに吉祥寺の駅むこうの銭湯まで
買い物籠に風呂道具をそっと忍ばせて
人目を忍んで入りに行っていたらしい。
子供心の私の夢は、内風呂のある家に両親を住わすこと。。
アンヌ隊員のギャラじゃとてもとても無理だったなぁ。
それが叶ったのはズーっと後のコトだ。
銭湯にはよく父に連れて行かれた。
父はカラスの行水なのでさっさと上がってしまう。
男湯にひとりポツンと残された少女、子供と云えども恥ずかしいものだ。
イヤな思いや恥ずかしい思いはいつになっても忘れられないモノですね。
あっそうそう銭湯と云えば姉と一緒に行った時のこと。。姉が
「あの人、ゾルゲのお妾さんよ。」
度々見かける50がらみの断髪でほっそりとしたモダンな感じの女性だった。
当時「お妾さん」の意味も分からない私だったが「ゾルゲ事件」の超本人。
ゾルゲとはロシア人のスパイ「リヒャルト・ゾルゲ」
何とか法違反?で尾崎秀実と共に日本で1944年処刑されたらしいが、
後に愛人の石井花子さんによって多摩墓地に埋葬されたらしい。
いつも銭湯でお見掛けした方がその「石井花子」さんだった。
愛人と云えば・・話が拡散しそうなので端折って書くが、
女流作家の山田順子の寂しい晩年もご近所に身を寄せていたので知っている。
作家の名声よりも人妻でありながら竹久夢二や徳田秋声と浮き名を流し
いわば魔性の女かも知れない。
恋多き大正ロマン画家「竹久夢二」の愛人お葉から横恋慕し
夢路と秋田に逃避行したが、わずか半年足らずで別れている。
翌年30才年上の小説家「徳田秋声」の愛人になったんだとサ。
「大正ロマン」って響きのイイ言葉だ。
文壇や画壇に身を置く人の情炎に身を焦がす話は数知れず、
私が崇拝する「宇野千代」も昨日ここのブログに出た「東郷青児」と、
また梶井基次郎や尾崎士郎ともかなりの狂恋だったらしい。
調べてみるとその東郷青児も若い頃竹久夢二の女性に横恋慕した~!?
明治生まれの人ってけっこう激しいねぇ。
憧れるな~。
ウチは大正生まれの母だが「二夫にまみえずタイプ」だ。
今や「男はロマン・女は我慢」なんてぇ云っていられない。
同じ一生だもん、私もまだまだ人生楽しまなくっちゃ!
母や姉の顔がフリーズした。
「どこが1000坪なの?」
「いや~裏に回ってみてご覧っ。広いぞ~」
父の云った「1000坪」とは何と住いの裏の邸宅が千坪だとっ。
「窓からウチの庭だと思って眺めてりゃ同じ事さ。ハハハ」
一家6人三鷹での新生活が始まった。
一軒家ではあるが6帖2間に3帖の板の間に台所だ。
6人住むには窮屈な家だった。おまけに中野と違って水道がない。
外に出て井戸水を汲みに行く、母は溜息ばかりをついていた。
「三鷹って田舎ネ~」
母の嘆きの極め付けは内風呂の無いことである。
人前で裸を晒すのはイヤだと近所の銭湯には一切行かなかった。
夜な夜な薄暗い台所でタライで行水をすませた。
近所のおばちゃんに
「ちや子ちゃんのお母さんいつお風呂に行くの?」
応えに困った。
「ウン?夜遅く。」
それでも冬場はたまに吉祥寺の駅むこうの銭湯まで
買い物籠に風呂道具をそっと忍ばせて
人目を忍んで入りに行っていたらしい。
子供心の私の夢は、内風呂のある家に両親を住わすこと。。
アンヌ隊員のギャラじゃとてもとても無理だったなぁ。
それが叶ったのはズーっと後のコトだ。
銭湯にはよく父に連れて行かれた。
父はカラスの行水なのでさっさと上がってしまう。
男湯にひとりポツンと残された少女、子供と云えども恥ずかしいものだ。
イヤな思いや恥ずかしい思いはいつになっても忘れられないモノですね。
あっそうそう銭湯と云えば姉と一緒に行った時のこと。。姉が
「あの人、ゾルゲのお妾さんよ。」
度々見かける50がらみの断髪でほっそりとしたモダンな感じの女性だった。
当時「お妾さん」の意味も分からない私だったが「ゾルゲ事件」の超本人。
ゾルゲとはロシア人のスパイ「リヒャルト・ゾルゲ」
何とか法違反?で尾崎秀実と共に日本で1944年処刑されたらしいが、
後に愛人の石井花子さんによって多摩墓地に埋葬されたらしい。
いつも銭湯でお見掛けした方がその「石井花子」さんだった。
愛人と云えば・・話が拡散しそうなので端折って書くが、
女流作家の山田順子の寂しい晩年もご近所に身を寄せていたので知っている。
作家の名声よりも人妻でありながら竹久夢二や徳田秋声と浮き名を流し
いわば魔性の女かも知れない。
恋多き大正ロマン画家「竹久夢二」の愛人お葉から横恋慕し
夢路と秋田に逃避行したが、わずか半年足らずで別れている。
翌年30才年上の小説家「徳田秋声」の愛人になったんだとサ。
「大正ロマン」って響きのイイ言葉だ。
文壇や画壇に身を置く人の情炎に身を焦がす話は数知れず、
私が崇拝する「宇野千代」も昨日ここのブログに出た「東郷青児」と、
また梶井基次郎や尾崎士郎ともかなりの狂恋だったらしい。
調べてみるとその東郷青児も若い頃竹久夢二の女性に横恋慕した~!?
明治生まれの人ってけっこう激しいねぇ。
憧れるな~。
ウチは大正生まれの母だが「二夫にまみえずタイプ」だ。
今や「男はロマン・女は我慢」なんてぇ云っていられない。
同じ一生だもん、私もまだまだ人生楽しまなくっちゃ!
文壇の人たちもこうした想いに身を焦がし、素晴らしい小説を生み出して行ったのでしょうね。
>憧れるな~。
>ウチは大正生まれの母だが「二夫にまみえずタイプ」だ。
>今や「男はロマン・女は我慢」なんてぇ云っていられない。
>同じ一生だもん、私もまだまだ人生楽しまなくっちゃ!
あれあれ、もしやこれって不倫宣言?ダンナさんが読んだら・・・(笑)
夢よ。夢・夢・そういう燃える様な恋に憧れるなな~。
と、思うだけです。どうせ相手が出て来ないでしょ(笑)
今度はアメリカ人の友達の前で歌でも歌って遊ぼうかと思っています。
僕の庭の池を世間では太平洋と呼ぶそうです。
庭が何坪あるのか計算できません。
可愛い父親の見栄だったんでしょうね。
でも、こう言うおとうさん好きです。
当事者のゆり子さんは、大変だったと思いますが・・・
愛すべき、ザッツ、昭和!です。
風呂あがりに買ってもらったコーヒー牛乳は美味しかったですねぇ~
結婚して長男が生まれても、住んでいたアパートには内風呂がなかったので毎日銭湯へ連れていきました・・小学校入学の頃までですね。
息子は今、あの頃の銭湯通いをどんな思いでとして残しているんでしょうか・・・
☆まだまだ人生楽しまなくっちゃ!
・・そう思って私、40を過ぎてからピアスの穴をあけまして・・・でもここ数年は(さすがに恥ずかしくて)つけてませんアハハ
案外と日本の上下水道の普及率は低くて、つい10年程前まではこちらでも手押しポンプの井戸を使用していたり、下水が通って居ない為に地面に穴を掘って炊事で使用した水を流し込んだりしてた地区も有りましたよ。
手押しポンプの井戸・・「呼び水」をポンプの上から少し入れてハンドルをギコギコと押すんですよね。
家の墓参りで行くお寺に今でも残っています。
結構、力が要るんですよね
ゾルゲのお相手の石井好子さん、TVのインタビュでゾルゲとの逢瀬を語っていて、デートしてSPレコードを買って貰った思い出を話していましたね。
今回は、深いうん蓄に雑学を頂戴しました。
感謝、感謝の、サタデー・ナイト、です。
自分は、生まれも育ちも九州福岡で一寸アンヌさんより時代的に後などで分からない所もあるのですが、なんだか懐かしい古いダンボールのような香りがします。
嗚呼・・・昭和浪漫 ジュア!
大きな銭湯が近くに出来た・・・等での利用しかなかったのですが、ここ数年仕事で会社泊まりが多いので、そのため、会社近くの銭湯に行くことが増えました。
たまに行く銭湯は気持ちいいです。
あ、ハワイアン(福島の)も巨大な銭湯みたいなものですね(数回家族で行ってます^^)
ダメでしたけど(笑)
家族全員で石けんの匂いをさせながら帰ったのが懐かしいです。