Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

小麦粉

2018年07月21日 | パン

小麦粉

小麦そのものについてもう少し知っておく必要があると感じました。


     

 

 

胚乳の中に含まれるデンプンはアミロースが25%、アミロペクチンが75%を占めています。http://www.seifun.or.jp/kisochishiki/tubunokouzou.html から

 

タンパク質あるいはペプチドに作用してこれを加水分解するのがプロテアーゼです。小麦粉に含まれるプロテアーゼはアリューロン層、胚芽に多く含まれ、特に発芽時には活性が増加します。

(蛋白質のアミノ酸をアミノ末端あるいはカルボキシ末端側から順次に切り離すプロテアーゼは,それぞれアミノペプチダーゼあるいはカルボキシペプチダーゼと呼ばれます。)

発芽時に増加するということは,芽が出るような、雨に濡れたり水分が多い状態に置かれた時、特殊な例では虫やカビが付いた時(偽発芽時)にも、アミラーゼやプロテアーゼの活性が高くなると考えられます。

 

お話は少し横道にそれますが、1968年秋に「低アミロ小麦事件?」が起きました。

(アミロースとはα-グルコースがα1-4結合で330個つながったもの、アミロペクチンとはα-グルコースがα1-4、α1-6結合で20個ぐらい重合したもの。低アミロ小麦とはアミロースがない、あるいは非常に少ない小麦です。別の言葉でいうとαアミラーゼが小麦の中で異常に働いでアミロースが小麦の中からなくなったのです。さらに簡単に言うと小麦の中からデンプンが一部分なくなったのです。)

アメリカの製粉会社から輸入した小麦粉をてんぷら、たこ焼き、今川焼、ケーキなど(水を多く入れた粉もの)に使ったところ、粘度がなく商品にならなかったのです。小麦が収穫直前に雨害を受けて発芽したことが原因でした。

アミラーゼ、プロテアーゼ活性が急速に進んだ小麦粉を使った生地は、加熱、あるいは焼成しても気泡を包むデンプンの糊の膜が弱くなり形を保てなくなります。その結果、ケーキの真ん中が凹んだり、パンであれば側面が凹んだり、弾力が弱いものに仕上がるのです。

 

(アミラーゼはでんぷんを麦芽糖に、プロテアーゼはたんぱく質をアミノ酸に、それぞれ分解しますので分子の鎖が短くなって粘度がなくなるのです。このことは逆にパン作りに生かせますので、しっかりと覚えておいた方がいいようです。

例えば、プロテアーゼを添加してアミノ酸の量を増やしメイラード反応を促してパンの皮の色を改良し、パンの芳香を生成させることができます。ドウの弾性が低下することで生地の進展性が増し、グルテンの膜が薄くなりグルテンの網目構造が細かくなり、食感の柔らかなパンに仕上げることもできるでしょう。諸刃の刃はいかようにも利用することができます。)

 

ここで注意すべきは、プロテア―ゼが異常に働くとグルテニンとグリアジンをも分解し、これらが水を吸収して網目状につながったグルテンの形成を妨げることです。しかし少量のプロテアーゼの添加はパンの中のアミノ酸の量を増やし、舌触りをよくすることも頭の中に入れておいてもいいと思います。



 

 


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