カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

チガヤ

2006年06月24日 | ★ 日々の呟き

梅雨の中休み。
一日おきぐらいにこんな日があるといい。
裏の畦道に出てみた。部屋から見える白いかたまりは何だろうと近づいた。
休耕田の畦の草刈をしていない土手に、白い花穂が折からの風に揺れている。
昨年までは稲が育っていたので、畦は、丁寧に機械で刈ってあり、こんな花穂は目にしていなかった。

子供の頃は、これを「つんばな」と言っていたような記憶があるが、正式な名が分からず、いつもお世話になっている切花師匠に写真を見てもらったら、「チガヤ」とすぐお返事を頂いた。

名前が分かれば調べるのが楽しくなる。

『・川原や草原、野原で群生する。
・初夏、白い毛を密生した花を咲かせる。
若い花穂を「茅花(つばな)」と呼ぶ。
甘味があり食べられる。
・根は「茅根(ほうこん」と呼ばれ、
利尿薬として使われる。』

「つんばな」の謎は解けた。「つばな」と呼ぶところを、私たちは、耳から入った言葉伝てに「つんばな」と言っていたのだ。

昨日の「スイスイ」といい、自然の中で育った小さい頃は、野に咲く草花が遊びの道具だった。




・「浅茅原 つばらつばらに 物思へば
故りにし郷し 思ほゆるかも」
(万葉集 大伴旅人)

チガヤを見て故郷を思った大伴旅人は、額の中のような夕闇の中だったのではなかろうかと、撮影メニューをトワイライトに切り替えて、同じ場所を写した。
花穂を浮き立たせてみたかったのだが・・・

コメント (11)
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